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『東京霊脈戦線・後日譚』〜真紅の真祖と、陽だまりの朝食〜

✴︎『東京霊脈戦線・後日譚』〜血塗られた真祖と、陽だまりの朝餐〜


【五百年の血の玉座と、ただ一つの敗北】


――血で、血を洗う。

それが、真祖の吸血鬼エティエンヌ・ド・ロシュフォール=ノクティスという存在の歩んできた、五百年の歴史のすべてであった。


『グガァァァァッ!! ば、化け物め……ッ!』


『命乞いなど無駄です。貴様らは私の靴底を舐めるか、ここで塵となるか、二つに一つしかありませんのよ』


ドグシャァァァッ!!

暗く湿ったヨーロッパの裏社会。石畳に叩きつけられた人狼の頭蓋が、熟れた果実のように容易く砕け散る。

エティエンヌは、元々は正真正銘の『男』であった。

2メートル近い長身に、彫刻のように美しくも冷酷な顔立ち。プラチナブロンドの髪を血に濡らしながら、彼は男の真祖として、裏社会の頂点に君臨していた。

真祖の吸血鬼としては、五百年という歳月は若い部類に入る。

だが、若きエティエンヌの力はあまりにも規格外だった。人間、悪魔、異界の魔物、同族の吸血鬼……自分に牙を剥く者は、すべてその圧倒的な暴力と魔力でねじ伏せてきた。

一度も、ただの一度も負けたことなどなかった。

戦いの掟は絶対だ。敵対する者は殺す。あるいは、徹底的に屈服させて自らの部下(下僕)とする。情けなどという甘ったるい感情は、裏社会の闇の中では一瞬の隙となり、命取りとなる。


――あの日。南仏コート・ダジュールに現れた『極黒の魔王』、恋問持子に出会うまでは。


『わしは、雪の命が懸かっているのなら、地獄の底だろうと、貴様の城だろうと、どこへでも行ってやる』


エティエンヌは、持子が崇拝する社長の立花雪を人質に取り、彼女を自身の悪魔城へと誘い込んだ。

無数の吸血鬼と悪魔をけしかけ、魔力を完全に削り取った。

勝負は、エティエンヌの完全な勝利で終わるはずだった。

だが、極東の魔王の魂は、決して屈しなかった。


『誰が、貴様のような薄っぺらい男の前に、ひざまずくものか』


魔力が尽き、絶体絶命の状況でありながら、持子はエティエンヌの顔に血混じりの唾を吐きかけた。

そして、恐るべき『合気武道』の理合によって彼を大理石の床に叩きつけ、あろうことか吸血鬼の天敵である『魔殺しの聖剣』を、自身の右手が焼け焦げる激痛に耐えながら、エティエンヌの心臓へと深く突き立てたのだ。


『ガ、ァァァァァァァァァッ!!』


聖なる炎が内側から肉体を焼き尽くす。

五百年で初めて味わう、完全なる敗北と死の恐怖。

エティエンヌは、無様に血の泡を吹きながら、持子の腕にすがりついて命乞いをした。


『私を、殺さないでくれ……! な、なんだってする……! 富も、権力も、永遠の命も……すべてお前にやる……!』


普通ならば、ここで殺される。

あるいは、力で屈服させられ、隷属の首輪をはめられる。それならば理解できた。

だが、持子は違った。


『雪は……わしから奪った、あの眼鏡の女はどうした。無事なのか』


雪が無事だと知った瞬間、持子はエティエンヌの心臓から聖剣を引き抜き、ただ冷たく見下ろしたのだ。


『王の気まぐれだ。それに、貴様のような男は、死ぬよりも生きて屈辱を噛み締める方がお似合いだ』


……なぜ。


なぜ、殺さない?

エティエンヌの五百年間凍りついていた心臓が、聖なる炎とは全く違う熱で激しく鼓動を打った。

自身を叩き伏せ、究極の死の恐怖を与えながらも、最後に見せた底知れぬ慈悲と、絶対的な王としての器。

闇の世界で生きるのが当たり前だった。血で血を洗うのが普通だった。

なのに、この少女は、たった一度の敗北と赦しで、エティエンヌの暗黒の世界を真っ白に塗り替えてしまったのだ。


『これが……恋、なのか……!?』


敗北の屈辱は、やがて狂信的な崇拝へと変わり、そして――エティエンヌにとって五百年の人生で初めての、狂おしい『初恋(ドMの目覚め)』へと変貌したのである。


【拒絶と狂気の選択、そして女体化】


持子に心を奪われたエティエンヌは、真祖のプライドなどすべて投げ捨てた。

百本は下らない最高級の深紅の薔薇を抱え、南仏のホテルのスイートルームへプロポーズに赴いた。


『我が永遠の伴侶となれ、持子。君と共に、この世界を美しく支配しようではないか』


だが、持子の返答は非情なものだった。


『なまら鬱陶しいわ!! わしは今、最高に美味いケーキの余韻を楽しんでおったのだ!』


ドゴォォォォンッ!!

薔薇の花束ごと、極黒の魔力を帯びた裏拳でホテルの壁にめり込まされた。

翌日、全身を真っ白な包帯でぐるぐる巻きにされたミイラ男のような姿で再び夜這いをかけたエティエンヌに、持子は最も残酷な『真実』を突きつけた。


『貴様、顔はいいが……根本的に間違っておるぞ。わしの「中身」は、かつて乱世を暴力で支配した魔王……「男」だ。ゆえに、男に抱かれる趣味など微塵もないわ! わしが愛でるのは美しい女だけだ!』


性別が、壁となった。

エティエンヌが『男』であるというただその一点のみが、持子との間に越えられない絶望の溝を作っていたのだ。


(私が……男だから、ダメ……?)


普通の男であれば、ここで諦めるだろう。

だが、究極のドMであり、持子に魂の底まで惚れ込んでしまったエティエンヌの愛は、すでに狂気の領域を突破していた。


(ならば……答えは一つ。私が『女』になれば、彼女は私を受け入れてくれるということ……!!)


エティエンヌは自らの城に戻り、吸血鬼の王族に伝わる禁断の秘薬を煽った。

自らの骨格を削り、筋肉を溶かし、細胞の遺伝子構造そのものを魔力で書き換える地獄のような苦痛。

グググッ、バキバキバキッ……!!


『ア、アアアァァァッ……! 持子……持子ぉっ……!』


五百年かけて築き上げた男としての肉体を捨て去り、一切の妥協なき「185センチの絶世の金髪美女」へと自らを変異させたのだ。

そうして女の肉体を手に入れたエティエンヌは、バカンスの最終夜、持子の寝室へと降り立った。

目論見通り、絶世の美女の姿を見た持子の内なる「雄」の魂は歓喜し、エティエンヌをベッドへと招き入れた。


『お待ちください、私の王……。あなたに、一つ……極上の貢物がございます』


エティエンヌは、さらに狂気の策を講じた。

持子に、一晩だけ前世の『男の象徴』を復活させる吸血鬼の秘薬を飲ませたのだ。


『ふははははっ!! 戻った……! わしの、男が戻ってきたぞ!!』


『ああっ……素晴らしいです、王よ……! さあ、遠慮なく……あなたのすべてを、私の中に……ッ!』


ズドンッ!!

南仏の夜風が吹き込むスイートルームで、二人の美しい肢体が激しく絡み合った。

持子の荒々しい蹂躙的な愛に対し、女体化した真祖は完全なる『受け』としてドロドロに溶かされていく。

言葉の壁も、種族の壁も、そして「性別の壁」すらも魔法の薬で超えた、濃密で狂乱に満ちた一夜。エティエンヌは、五百年の人生で最高の幸福と絶頂を味わった。


だが――翌朝。

魔法の薬の効果が切れ、元の美少女の姿に戻った持子に、エティエンヌは愛を込めて正体を明かした。


『私ですよ。あなたの永遠の伴侶、エティエンヌです。あなたが女なら抱くと言うから……女の姿になってきたのですわ♡』


ピシッ。

その瞬間、持子の脳裏に、かつての『BL同人誌のトラウマ』がフラッシュバックした。

自分が昨夜、大喜びで抱き潰した極上の美女の中身が、あのキザな男の吸血鬼だったという地獄の事実。


『ぎゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!! BL嫌だぁぁぁぁぁッ!! わしの純潔を返せえええぇぇッ!!』


持子はパニックの極致に達し、バルコニーの窓を蹴り破って、南仏の空へと全力で逃亡してしまったのだ。

その後、トラウマを強制封印した持子の気まぐれにより、エティエンヌ(♀)はなぜか『水曜どうでしょう』の運転手ミスターとして、南仏からパリまでの下道九百キロという地獄のドライブに付き合わされることになった。

そしてパリの凱旋門でのゴール後、持子たちは日本へと帰還。

エティエンヌは、自らが「女」になったことで反乱を起こしたヨーロッパの裏社会を、エレーヌ・リジュの財力と共に、圧倒的な暴力と恐怖で再統一(粛清)するためにパリに残ったのである。


『待っていてくれ、持子。このヨーロッパの闇をすべて平定し、必ず君の元へ……極東の日本へと、妻としてお側に上がりに行くからね……!』


【極東での再会と、新たな主従の朝】


そして、現在。

極東の島国、日本。帝都・東京。

ヨーロッパの裏社会を完全に力でねじ伏せ、スノーの社長である立花雪の許可(と監視)の元、エティエンヌはついに愛しの持子が住む日本へと渡ってきていた。


ピコーン。

うららかな朝日が差し込む、超高級ホテルのスイートルーム。

目を覚ました持子は、ふかふかのベッドの上で大きく伸びをすると、スマートフォンを操作し、鮎や美羽たちが参加している『下僕グループLINE』を開いた。


『わしだ。今日の昼、わしのマンションに集合せよ。紹介したい者がおる』


メッセージと共に、持子はなぜか『全力で土下座する筆文字のキャラクター』のスタンプをポーンと送信した。


「ふむ。これでよし、と」


「持子様……おはようございますわ」


隣から、蕩けるような甘い声が響く。

シーツの隙間から覗く、透き通るような白磁の肌とプラチナブロンドの髪。

ヨーロッパの闇を統べる真祖でありながら、持子への狂気の愛ゆえに『女』として生きることを選んだ絶世の美女、エティエンヌだ。

昨夜、日本での再会を果たした二人は、改めて主従の誓いのキスを交わし、魔力のパスを完全に繋いでいた。


(こやつは自身の身も心も女になったと言った。その言葉を信じる。エティエンヌを下僕として受け入れた)


「うむ、おはようエティエンヌ。さっそくだが、昼にわしのマンションに下僕どもを集めた。第一下僕の鮎と、泥棒猫の美羽だ。お前のお披露目会だぞ」


「まあ……! 先輩下僕の皆様ですね。持子様の愛する方々にご挨拶できるなんて、光栄の極みですわ」


「その前に、腹ごしらえといくか。歩いてわしのマンションに向かうぞ」


     * * *


コツン、コツン、とヒールの音が帝都の舗道を打ち鳴らす。

休日の午前。行き交う人々は皆、すれ違いざまにバッと振り返り、二人の姿に目を奪われていた。


「ざわっ……」


「な、なんだあの二人……パリコレのモデルか!?」


周囲のどよめきなどどこ吹く風で、持子は堂々と歩幅を広げて歩く。

エティエンヌは、肌の表面に薄い魔力の膜を張り、吸血鬼の弱点である紫外線を遮断していた。

五百年間、こうして白日の下を、誰かと並んで歩くことなど一度もなかった。それだけで、エティエンヌの胸はいっぱいに満たされていた。


きゅるるるるぅぅぅぅ……。

唐突に、持子の腹から猛獣の咆哮のような音が鳴り響いた。


「む……。やはり腹が減ったな。おいエティエンヌ、あそこのカフェで朝食を食っていくぞ」


持子が指差したのは、分厚いパティと溢れる肉汁が売りの、高級グルメバーガーの店だった。


「あ……持子様。私はお供いたしますが、お食事は遠慮させていただきますわ。私は吸血鬼ですので、人間の食べ物は……その、身体が受け付けませんの」


エティエンヌは申し訳なそうに微笑んだ。

血をすする真祖にとって、人間の食事は砂や泥を噛むようなものだ。食事という行為に喜びを見出せなくなってから、すでに数百年が経過している。

だが、持子はピタリと足を止め、黄金の瞳でエティエンヌを見つめた。


「何を言っておる。お前の元妻のルージュは、バクバクと嬉しそうにジャンクフードを食っておったぞ?」

「……え?」


「南仏でもそうだったろう。ルージュの奴は、鮎から生気(魔力)をもらっているから、人間の食事も美味しく味わえるのだと言っておった」


かつてエティエンヌの妻であった、三百年の元女王ルージュ。彼女が今、現代日本のジャンクフードに感動する美食家となっていることを、エティエンヌは知らなかった。


「ならば、簡単なことだ。お前は昨夜、わしとパスが繋がったのだからな!」


持子はガシッと、エティエンヌの白く細い手を取った。


「持子、様……?」


ギュゥゥゥゥッ!!


「わしの魔力を、くれてやろう!!」


持子の手から、極黒の魔力がドクンッ、ドクンッと脈打つようにエティエンヌの体内へと流れ込んでいく。


「ああっ……!? んんんっ……!!」


エティエンヌの身体が大きく跳ねた。

ただの生気ではない。三国志の暴君の魂と、魔王の力が、彼女の真祖としての冷たい血脈をドロドロに沸騰させていく。


――パァァァァァッ……。


その瞬間。

エティエンヌの視界が、文字通り「反転」した。

今まで、彼女の目に映る世界はどこか冷たく、無機質なものだった。だが今は違う。

街路樹を揺らす風の音、すれ違う人々の心臓の鼓動、アスファルトの匂い。周囲のすべての『生』が、鮮烈な色彩を持ってエティエンヌの五感に飛び込んできた。


そして何より。


「……光が」


エティエンヌは、自分の肌に降り注ぐ朝の日差しを見上げた。

吸血鬼として克服したつもりでいた、ただ「痛くない」だけの紫外線。

それが今、持子の魔力によって細胞が完全に書き換えられたことで、まるで陽だまりの毛布に包まれているような『あたたかさ』として感じられたのだ。


「あたたかい……。太陽の光が、こんなにも、あたたかいなんて……っ」


エティエンヌの真紅の瞳から、ポロリと一筋の涙がこぼれ落ちた。


「ふはは! どうだ、わしの魔力は極上であろう! さあ、行くぞエティエンヌ!」


持子はエティエンヌの手を引いたまま、バーガーショップの扉を蹴り開けた。


【数百年の孤独と、陽だまりの味】


「お待たせいたしました、ダブルチーズバーガーのセットです!」

テーブルに運ばれてきたのは、肉の焼ける香ばしい匂いと、とろけるチーズの香りがたまらない極上のジャンクフードだ。

持子は大きな口を開け、「いただきます!」と豪快にかぶりついた。


サクッ、ジュワァァァァッ!


「んまーーーーいっ!! 朝の脂と肉汁は最高だぞ!!」


顔中をソースだらけにしながら、これ以上ないほど幸せそうに頬張る持子。

その向かいの席で、エティエンヌは自分の前に置かれたハンバーガーを、震える両手でそっと持ち上げた。

持子の魔力が、体内の隅々まで満ちている。今なら、きっと。


「……いただきますわ」


小さく口を開け、バンズとパティをかじり取る。

サクッ。


「――――ッ!!」


エティエンヌの肩が、ビクンと大きく震えた。

味が、わかる。

カリッと焼かれたバンズの甘み。粗挽き肉から溢れ出す、暴力的なまでの旨味と脂。トマトの酸味と、濃厚なチーズの塩気が、口の中で爆発的なオーケストラを奏でている。

数百年ぶりだった。

血の味以外のものを、「美味しい」と感じたのは。


「ああ……っ、美味しい……。美味しいですわ、持子様……っ!」


エティエンヌは、ハンバーガーを持ったまま、ポロポロと涙を流して泣き始めた。


(……ルージュ。あなたは、こういうことだったのですね)


エティエンヌは、元妻であるルージュのことを思った。

彼女は、本多鮎の寿命が尽きるその日まで、下僕としてこの世界を楽しむと言っていた。かつては男として共に闇を生きた妻のその言葉の真意が、今は痛いほどによくわかる。

だが、エティエンヌはハンバーガーを口いっぱいに頬張る眼前の少女を見て、確信した。

ただの人間を下僕にするのとは訳が違う。

ルージュという三百年の元女王を、そして自分という男の真祖を、狂気の愛で女体化させ、心酔させ、平伏させ、愛の下僕へと変えてしまう。

持子という存在は、どれほど規格外の光なのだろうか。


「ん? どうしたエティエンヌ。美味すぎて泣いておるのか? ほれ、わしのポテトも一つ食うか?」


持子が不思議そうな顔をして、ケチャップをたっぷりつけたフライドポテトをスッと差し出してきた。


「あ……んっ」


エティエンヌが口を開けると、持子はそれをポンと口の中へ放り込んでくれた。

ホクホクとしたジャガイモの甘みが、舌の上に広がる。


「ふはは! よく食う奴は好きだぞ! さあ、遠慮せずに全部食え!」


ニカッと、太陽のように明るく笑う持子。

その笑顔を見た瞬間、エティエンヌの胸の奥で、甘く切ない感情が限界まで膨れ上がった。

持子様から、愛されている。

食べ物が、こんなにも美味しく感じられる。

持子様が、美味しそうに食べる姿を特等席で見つめることができる。

持子様が、私に向かって微笑んでくれている。


――ああ、これは。なんて『幸せ』なのだろう。


エティエンヌは五百年間、裏社会という絶対的な闇の世界で生きてきた。

血と暴力と支配。敵の骨を砕き、血の海を歩く。それが彼女のすべてであり、それが普通で、当たり前のことだと思っていた。

だが、違ったのだ。

こんなにもあたたかく、こんなにも満たされる、陽だまりのような幸せがあったのだ。


(ああ、持子様……。私は、あなたに出逢うために……このあたたかさを知るために、五百年を生きてきたのですね)


男としての自分を殺し、女として生まれ変わったことに、もはや一片の悔いもない。

究極のドMである自分を受け入れ、自らの手で自分を好みに作り替え、強引に手を引いて光の中を歩いてくれる唯一無二の王。


「……はいっ! 持子様、私、全部美味しくいただきますわ!」


エティエンヌは涙を指で拭い、満面の笑みを浮かべた。

そして、今度は大きく口を開け、ジャンクフードの味を、生きた人間の喜びを、心の底から味わうようにハンバーガーにかぶりついた。

窓の外では、朝の光がどこまでも眩しく二人を照らしていた。


真紅の真祖はただ、愛する王と共に過ごすこの「あたたかな朝餐」を、永遠の宝物としてその魂に深く刻み込んでいたのだった。


エティエンヌはオカシイ。

何でこんなに出てくるんだ。

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