宮坂家の海だ~!! その6
「はいはい子供達、夕飯前にお風呂行っておいで。千夏に千穂、みんなを岡崎さんのとこ連れてってあげて」
海から帰り、小一時間ほどお昼寝をして、また元気いっぱいになった子供たちに、真由美お姉さんがお風呂に行くよう言います。
「「うん、わかった。みんなおいで」」
千夏さん千穂さんの二人が、宮坂家の子供たちを連れ、すぐ近所にある島のホテル、岡崎ホテルさんへ。両家合わせるとかなりの大人数、これだけの人数だと、真由美姉さんの家の風呂ではさすがに狭いので、ホテルにある温泉の大浴場へ日帰り入浴をしに行きます。
島の天然温泉を引いているホテルの大浴場はかなり広く、ほかにお客さんもいますが、余裕で入浴できます。
「こら、陽菜!髪の毛まで石鹸で洗わないの!ちゃんとシャンプーとトリートメントしなさい!!」
「え~、めんどくさいじゃん」
陽菜さん、体を洗うついでにそのまま石鹸で髪の毛を洗おうとしています。
「あ~もう!!ただでさえ海で髪が傷んでるんだから!ほら、私が洗ってあげるから!!」
文香さん、陽菜さんのガサツさに、思わず髪を洗ってあげることに。
「ったく、あなたの髪は綺麗なんだから、ちゃんとお手入れしないとだめでしょ!もっと女子力を上げなさい!」
「う~」
陽菜さんの髪は、天使の輪が普通にできるほど艶々。陽菜さん的には、運動の邪魔になるので、ベリーショート、なんなら坊主にしたいのですが、それは姉と母親が許さず、セミロングくらいの髪の長さになっています。
「あ、いいな。それじゃ私は美咲ちゃんの髪洗ってあげる」
「それじゃ私は、颯太君」
双子の千夏さんと千穂さん、姉の文香さんが妹の陽菜さんの髪を洗ってあげているのを見て触発されたようで、美咲さんと颯太君の髪を洗ってあげることに。
「うわ、美咲ちゃんの髪の毛、すっごく手触り良い!」
「颯太君の髪も綺麗!って、女の私より綺麗ってどういうこと?」
お姉さん三人は、楽しそうに(1名は若干プライドが傷ついて)小学生組の髪の毛を洗ってあげていました。
みな入浴を済ませ、さていよいよ夕飯。
「ぬおおおぉぉぉぉ!!!」
絶叫する陽菜さん。
「こ、これは・・・」
「す、すごいねぇ~」
「おさかなさん、いっぱい・・・」
文香さん、美咲さん、颯太君も目が点に。
真由美姉さんの家の座敷に置かれた大きな座卓の上には、いやこれ、颯太君なら普通に乗れるんじゃね?と言うくらいの大きな木の舟盛り器に、真由美姉さんの旦那さんとお義父さんが朝に漁をしてきた、新鮮な魚介類の刺身が文字通り溢れんばかりに綺麗に盛り付けられています。
「どうだ、文香ちゃんに陽菜ちゃんに美咲ちゃんに颯太君、すごいだろ」
真由美姉さんのお義父さんが子供たちに自慢げに言います。
「すごい!すごい!!」
颯太君手を叩いてぴょんぴょん跳ねています。
「ははは!これはな、おじちゃんが盛り付けたんだぞ」
根っからの漁師の真由美姉さんのお義父さん、そりゃもう魚の事なら何でもござれ、漁するだけじゃなく、魚をさばくのも下手な板前よりはるかに腕が良いと来ています。
「おじちゃんすごい!!」
食いしん坊の陽菜さん、こんなに見た目美しく美味しい舟盛りを作るお義父さんに尊敬の眼差しをキラキラと。
「パクパクパクパク!!!」
「モグモグモグモグ!!!」
一心不乱に料理を食べる陽菜さんと文香さん。陽菜さんはいつもの事だけど、おいしい料理を前にして、抗えずにリミッターを解除した文香さんもこりゃまた良く食べますなぁ。
「ほら、美咲ちゃん、あ~ん」
「颯太君も、あ~ん」
「「あ、あ~ん」」
美咲さんに颯太君は、またもや千夏千穂の双子に甘やかし攻撃を受けて、もじもじ。
大人たちは、宮坂家で持って来た山の地酒や、ビールを飲みながら大盛り上がり。
「あなたうるさいわよ~!」
「糠味噌が腐るぞ!!」
「へたくそ~!!」
宮坂お父さん、外野の罵詈雑言をよそに、空いた徳利をマイク代わりに、一人カラオケを熱唱してますが・・・まあ、騒音ですな。
そんなこんなで、島での楽しい夜は更けてゆきました。
翌朝。今日も朝から文句なしの夏空が広がり、子供達も朝からテンションマックス。
午前中は心置きなく海で遊ぼうと、今日はお母さんもお祖母ちゃんも一緒に、宮坂一家で砂浜へ。
「お、おい!昨日のむかつくおっさんたち、またすごい水着美女連れてきたぞ!!」
「な、なんなんだ。あの大人の女性の魅力が駄々漏れの美女は!」
「う、いかん、鼻血が」
「あんな美女に囲まれて、クソ、あいつら呪われてしまえ!呪われて禿ろ~!!」
浜辺にむさくるしい男共の賞賛と怨嗟の声が沸き起こります。
「今日は私たちも泳ぐわよ」
そういう宮坂お祖母ちゃんとお母さん。
もうすぐ還暦の宮坂お祖母ちゃん。いやその黒のビキニが・・・というか、そのいまだに重力に逆らうプロポーション。垂れるという物理的、力学的現象は、お祖母ちゃんにはないようです。美魔女と言うか、時を止め重力を操る本物の魔女かも。
宮坂お母さんも、白ビキニのぼっきゅっぼ~ん!無駄なお肉さんはいないようです。
二人とも、どう見ても実年齢より20歳以上は見た目詐欺をしております。
・・・いや、世の女性に対して喧嘩売ってるんすか、二人とも。姉さん達、本当、いろいろ勘弁してください。
その旦那であるオッサン二人、鼻の下伸ばして、いやまあ、なんてだらしのない顔か・・・
「いろいろお世話になりました」
「「「「お世話になりました!!」」」」
楽しい時間が過ぎるのは早いもの。あっという間に帰る時間に。
「颯太君に美咲ちゃんに陽菜ちゃんに文香ちゃん、楽しかったかい。またおいでね」
真由美姉さんのお義母さんが颯太君の頭を名残惜しそうに撫でながら言います。
「うん!海楽しかった!!」
「はい!!また来ます!!」
「お刺身最高だった~!!」
「いろいろありがとうございました」
颯太君美咲さん陽菜さん文香さんが元気にお礼を言います。
「「え~本当に帰っちゃうの~颯太君だけでも置いて行ってくれない?」」
本当に名残惜しそうに言う双子、千夏さんに千穂さん。
「!!!だからだめだよー!!!」
慌てて颯太君を抱きしめる陽菜さん。
「「そっかぁ、残念だね」」
最後までわいわいと賑やかな子供達でした。
フェリーが出航し、真由美姉さん一家が見えなくなるまでデッキで手を振る子供達。
「ほんと楽しかったね」
そういう文香さんに
「うん、楽しかった!!」
「また来たいね~」
「お魚最高!!!」
颯太君美咲さん陽菜さんんが答えます。
抱えきれないほどの、沢山の楽しい思い出をお土産に、お家に帰る宮坂一家でした。




