宮坂家の海だ~!! その5
颯太君の腰くらいの浅瀬で、お祖父ちゃんとお父さん、子供たちがチャプチャプとはしゃぎまわっていると。
「おーい、みんなー」
と浜の方から声がかけられます。
浜の方を見ると、宮坂お母さんお祖母ちゃんを先頭に、食材やら食器やらを持って、わいわいやってくる集団が。
「あなたたち、そろそろお昼にするわよ。おいで~」
宮坂お母さんが、みんなを呼びます。
みんな浜に上がり、パラソルの下に集まります。
「あ、お義兄さん、お義父さん、お久しぶりです」
宮坂お父さんとお祖父ちゃんが、挨拶するのは、真由美姉さんの旦那さんとそのお父さん。
「おお、みんな久しぶり」
「皆さん、元気そうじゃな」
海の男らしく、良く日に焼けた顔に真っ白な歯をのぞかせ、ニカっと笑う旦那さんとお父さん。
「「文香ちゃんに陽菜ちゃん美咲ちゃん、それに颯太君、こんにちは。久しぶりね」」
真由美お姉さんの後ろから、食材の入ったクラーボックスや食器を手に、子供たちにあいさつする、これまた健康的に日焼けした、いかにも運動部らしい真由美姉さんの子供で双子のショートヘアーが良く似合う美人姉妹、千穂さんと千夏さんが子供たちに挨拶。
「「「「こんにちは!」」」」
子供達も挨拶。
今日のお昼は、宮坂家と真由美姉さん一家とでバーベキュウ。宮坂家が持って来た、地元牛の牛肉や玉ねぎピーマントウモロコシなどの新鮮な野菜に、真由美姉さんの旦那さんとお義父さんが朝の漁で獲ってきたばかりの新鮮な魚介類をふんだんに使います。
やはり、バーベキュウを焼くのは男の仕事。宮坂お祖父ちゃんとお父さん、子供たちが海で遊んでいる間に、両家の奥様達で仕込んだ山のようなバーベキュウ串を、両家の旦那衆四人で、せっせと焼いていきます。いやはや、総勢9人の女性陣プラス颯太君のお腹を満たすために、男衆は汗だく。しかし、この二家族の女性陣、気持ちの良いほどよく食べますなぁ。
「この肉、まだ焼けないの?」
「おお陽菜ちゃん、こっちのイカなら焼けてるぞ」
陽菜さん、テーブルにつかず、目を輝かせながらコンロの前にかぶりつき、焼ける端から次々と食べていきます。
「美咲、お姉ちゃん今日は良く泳いだからリミッター解除よ。食べるわよ~!」
「うん、お姉ちゃん、私も今日は食べる~!!」
いつもはバランスよく食べる文香さんに美咲さんも、今日ばかりはバーベキュウ串にかぶりついています。
「ほら、颯太君、お姉ちゃんが食べさせてあげる」
「あーんして」
「あ、あーん・・・」
「「あーもう、可愛い~!!」」
千夏さんと千穂さんは颯太君を挟んで、きゃいきゃいとお世話を焼いて楽しそう。颯太君、家のお姉ちゃんやお母さんと違う、高校生のきれいなお姉さん二人に挟まれ、ちょっとどぎまぎ。照れながらあーんしてもらっているのが、また可愛いようです。
奥様連4人は
「この間なんか、家の旦那がね~」
「ほんとにもう、しょうがないんだから」
などと、食べるも食べますが、それよりもよくもまあそんなに話すことがあるのねぇと言うくらいに、姦しくおしゃべりが盛り上がっています。
一通りお腹を満たし、旦那連と奥様連はそれぞれビーチパラソルの下で、おしゃべりを楽しんでいます。
子供達は、大人たちのいるビーチパラソルのすぐ目の前で、水泳部の千夏さんと千穂さんが面倒を見ながら、颯太君を中心に穏やかな波の波打ち際でチャプチャプと水遊びしたり、砂遊びをしたり。
「あ!きれいな貝殻!!」
颯太君波に打ち上げられた桃色の貝殻を拾ったり
「あ!なんだこれ?」
波に寄せられた海草を見つけたり
「トンネルできた!」
砂遊びしたりと、無邪気に遊んでいます。
「「颯太君、ほんとに可愛い!!」」
そんな颯太君を見て、千夏千穂の双子さんが、黄色い声を上げます。
「ねえねえ、颯太くん、お姉ちゃん達の弟にならない?」
「たくさん可愛がってあげるよ!」
双子が颯太君に言います。
「!だ、だめ~!!颯太は私の弟!!」
それを聞いていた陽菜さんが、あわてて颯太君を抱きしめます。
「え~、ダメなの~」
「残念ね~それじゃ」
「「代わりに陽菜ちゃんが家の妹にでもいいよ~」」
と、双子が今度は陽菜さんを抱きしめながら言います。
「え~!!それもダメ~」
陽菜さん、あたふた。
「それもダメなの?」
「しょうがないな~」
「「それじゃ文香ちゃんでも美咲ちゃんでもいいや~」」
と、双子が今度は文香さんと美咲さんをギュッと抱きしめます。
千夏さんと千穂さんのスキンシップの激しさに、三姉妹は顔を赤らめあたふたするばかりでした。
波打ち際で美少女軍団(一人は違うけど)がきゃいきゃいとはしゃいでる、何かこう、浮世離れをしたキラキラした風景。周りではアホなナンパ野郎共が手を出したそうにしていますが、近くではワイルドな宮坂お祖父ちゃんに、正に海の男(漢という字の方がピッタリかも)の千夏さんと千穂さんのお父さんとお祖父ちゃん、ついでに宮坂おとうさんが、目を光らしているので、ただ指を咥えてみているだけ。
「く、くそ!なんだあのおっさんら、あんな美少女達を引き連れ、しかもその横にはあんな美女軍団を侍らしているとは」
「む、むかつく~!!」
美形の子供たちに加え、それぞれの奥さんも美人と来れば、まあ、ナンパどもが悔しがって地団駄踏むのもわかりますが、そこはそれ、漢の器量の差、まあナンパ諸君もがんばって漢の力量と言うものを上げればモテるかもしれませんね。がんばれ。
楽しい時間は過ぎ、子供達も大人たちもそれぞれ海を満喫して大満足。日も傾いてきたので、そろそろ撤収の時間に。
「さ、そろそろ片付けるから。子供たちは先に家に戻りなさい」
そういう真由美姉さんに、
「ううん、私もお片付けのお手伝いします」
お手伝い大好きな美咲さんを筆頭に
「もちろん私も」
「私もするぞ!」
「ボクも!!」
宮坂家の子供たちも嬉々としてお片付けのお手伝い。
みんなでワイワイと片つけて、いた場所はあっという間にごみ一つなく綺麗に。
「わ!つめたい!!」
「ひょえ~」
「でも気持ちいー」
「ジャバジャバ~♪」
文香さん陽菜さん美咲さん颯太君が海水浴場に付属しているシャワーを大騒ぎしながら浴び、真由美姉さんの家にみんなで引き揚げ。
子供達は水着を着替え、風通しのいいお座敷の畳の上に並んで寝ころんで、しばらく休憩。
縁側の軒先に吊るされた南部風鈴がちりりんと優しい音を奏でるなか、遊び疲れた子供たちは暫し、夢の中へ。
「しかし、ほんとこの子たち可愛いね」
「ほんとだね、ほんとにこの子たち妹や弟にしたいなぁ」
千夏さんと千穂さんの双子は、団扇で子供たちに風を送ってやりながら、その寝姿にほっこり。
島の優しい時間は、緩やかに過ぎていきます。
つづく




