90:おやくそく
ん?今なんでもするって
4人で勉強しているとだいたいの学力というものが見えてきた。
まずこの中で一人だけ年上のサキに関してだがその所作に反して学力がかなり高いと分かった。
ノートを見てみれば要点をよくまとめ、テストに出そうなところはきちんと文字色を変えて記入しているかなり優秀な作りをしている。
まあノートの余白に手慰みで書いたらしい妖精や小動物が書かれていたせいでつい二度見して可愛いと呟いたせいで額にデコピンを食らってしまった。
「お姉ちゃん昔から成績とっても良いんです。私もよく教えてもらいました」
とアカリが自慢げに言ったせいで余計顔を真っ赤にさせている。相変わらずギャップ萌えがすごいな。
教科で言えば数学と理科が得意だが反面国語や英語で少し成績を落としているらしい。
「文章を読み解けとか、字数指定の問題が苦手でそこでいっつも点数落としちまうんだわ」
頭を掻きながら釈明するかのように話すサキ。逆を言えばそれ以外は問題ないということだ。
一方アカリに関して言えばサキが万能型とするとアカリは特化型になっている。
国語、社会その中でも特に歴史や古文の範囲に関してはずば抜けて高い成績を誇っている。
逆に数学と理科が平均点ぎりぎりくらいのせいで成績を落としている。
「極端すぎじゃないこの成績。」ぼそりと俺が呟く。
「いや・・・あの・・・その・・・だって数学とか理科は面白くなくて・・・」
「アカリは昔から好きな教科と嫌いな教科の差が激しいんだわ。研究者みてーなもんだ」
興味を持てばとことんまで勉強するので好成績になり興味を持たなければ最低限の勉強になるとはすごい落差だ。
「興味がなくても少しは勉強するべきです。将来的に今よりもっとひどい成績になってしまいますよ」
「うぅ・・・ど、どりょくします・・・」
根は真面目なので少しきつく言っておくくらいが丁度いいだろう。申し訳なく思うが心を鬼にすることも必要だ。
「あーちゃんが怒られるのって珍しい。はーちゃんやるねぇ」
そして一番の問題児であるルナはこんな状況にも拘わらずニヤニヤと笑っている。
こいつの成績は・・・もはやお察しだ。少なくともノートを開けば授業の開始5分くらいの範囲までしか書いてないことで俺は覚悟を決めた。
「一番の問題児は貴女ですよ夜桜さん。少しは勉強しようという意欲を見せて下さい」
「や~んおこっちゃや~よ。それに僕のことはルナって呼び捨てにしてほしいにゃ」
なぜこうも余裕なのか理解に苦しむ。よく今まで生きてこれたと逆に関心するくらいだ。
この間はあんなにかっこよかったのに今はとことん情けなくて涙が出そうだ。
俺の頭の中の((彼女))もさすがにブーイングの声を上げるほどだ。
「ではこうしましょう。次のテストで2教科で平均点を超えたらそう呼びましょう」
やる気を出させるためには飴と鞭が必要だ。
「えぇ~それだけ~?」
「では全科目平均点を超えたら1つだけ言うことを聞いてあげます」
俺がそういった途端3人の動きがぴたりと止まる。なんだか嫌な汗が流れてくる。
「そのご褒美はもちろん俺らにだってあるんだよなぁ~」
がっしりとサキに肩を組まれて逃げ場を失う俺。
「うぅん・・・何を頼もうか悩むなぁ」
取らぬ狸のなんちゃらで既にお願い事を聞いてもらう気満々のアカリ。
「さっすがはーちゃん話が分かってるねー。よーしがんばるぞい!」
そして先ほどの死んだ顔から急に全回復したかのように元気になったルナ。
「どうしてこうなった」
俺は額に手を当てて頭を抱えるしかなかった。
迂闊な約束はしないようにしましょうね。
イメージ的にサキがクラスで常に1位か2位。
アカリがクラスでだいたい真ん中で得意科目は1位。
ルナが全部最下位近くだと思ってもらえればそれが正解です。




