86:魔法少女
資質とは何か?
「はぁ・・・はぁ・・・」
嫌な汗をかきながらベットから飛び起きる。どんな夢を見ていたかは覚えてないが悪夢だったのは間違いない。
枕元の時計を見れば起きるには早すぎる時間で二度寝するには少し遅すぎる時間だ。
もう少しすればママが起きて朝の家事をこなす時間帯になるだろう。
それに今のこの状態ではとても寝る気にはなれそうになかった。
「ずいぶんうなされていたね。悪い夢でもみたのかい?」
心配そうな表情でこちらを覗き込むようにラクーンが声をかける。
普段はそんなことを言わないがそれでも心配したということはよほどひどい顔をしていたのだろう。
「わかんねー・・・わかんねーけど酷い夢だった気がする」
額の汗をぬぐいつつラクーンの問いかけに答える。
「そうかい。覚えてないのならその方がいいだろう。今の君の顔はとてもひどいよ」
「お前の存在もその原因かもしれねーんだけどな」
憎まれ口を吐きつつ少し早いが着替えの準備を行う。
「おっと、それは失礼した。失礼ついでに何か聞きたいことがあれば答えるよ。時間はあるしね」
ベットの上に立ち上がりながらどうも意図が読めない返事を返すラクーン。
聞きたいことと言われてもこいつには聞きたいことは山ほどある。
その中でも気になっていたことをこの際だから聞いてみることにした。
「俺に素質があるってよく言ってたがその素質っていったい何なんだ?」
ラクーンは資質や能力といったことを口にしていたがその具体的な内容に関しては分かっていない。
それこそどうしてルナたちが戦う力を持っているのかその基準すらも俺は知らないのだ。
「うーん、かなり難しい内容なんだよねそれ。ただ君に分かりやすく説明するなら魔力みたいなものかな」
魔力とはずいぶんとファンタジーな言葉が飛び出てきたな。アニメの中なんかじゃ結構定番の言葉だ。
「魔力自体は多くの人間が身に着けている。それこそ持っていない存在を探す方が難しいだろうね」
「ただ生きている人間がその力を自覚し使用している例ってのはごく少数に過ぎない」
「例えばテレビなんかで霊感があるとか、超能力が使えるとかって話はよく聞くだろう?」
「そりゃまあ胡散臭い未来予知とか幽霊が見えるなんてありきたりな話だ」
俺の返答に苦笑いしながらラクーンは頷く。
「そういうのの9割くらいは嘘だけど1割は本当さ。そういう第六感?みたいな力が魔力を自覚して使っているということになるんだ」
その言葉を聞いても正直納得できない。そういうものは全部が全部嘘だと思ってテレビを楽しんでいたからだ。
それがいざ本当にあると言われて信じる人間はどれくらいいるだろうか?
「つまりはあれか?俺やルナたちは一種の超能力者だと」
「君らの年齢的には魔法少女の方が響きがいいだろう?」
「まじでアニメみてーな設定だな・・・」
どうやら俺はいつの間にか魔法少女になっていたらしい。
物語の核になる資質の設定になります。
説明するには少し遅いかもしれませんが今このタイミングが適正だと思い書かせていただきました。




