81:また明日
青春ですね
ようやく涙が収まり赤くなった目の周りを袖で拭う。
感情を表に出したことで少し気持ちが楽になったのが分かる。
「ごめん・・・私のせいでみんなを傷つけちゃった」
何度目かの謝罪をすればルナは相変わらずの笑みでデコピンをお見舞いする。
「もう、謝罪はない!仲間なんだからこういうときはありがとうでおーるおっけー!」
「そうそう、こっちも何回も謝ったんだしお互い様ってことで」
白い歯を見せながらサキもルナの言葉に同意するように頷く。
「ふふ、ルナちゃんはこういう子なんで諦めてくださいね」
アカリまでもルナの言葉に同意しているせいで自分の味方はここにはいないようだ。
「・・・ありがとう。みんな」
少し照れ臭いけれどもここは言葉にしないといけないので感謝の言葉を告げる。
「はーちゃんがデレた!はーちゃんはくーでれさんだね!」
うりうりとほっぺを押し付けながら抱き着くルナ。クーデレいうなし。
「おいルナ。そうやって抱き着くな暑苦しいだろ」
ルナをサキが引きはがす。そういう姿はとても姉っぽい。
「むむむ、嫉妬ですかにゃ~。さきっちも抱き着きたくてしかたないんだね~」
にやにやとからかうようにサキに呟くルナ。
「ち、ちちちちげーし!ユイの迷惑を考えてだな・・・」
慌てて反論をするが顔が真っ赤すぎて説得力がまるでない。
「お、お姉ちゃん落ち着いて。ルナちゃんがからかってるだけだよ」
冷静に場を整えようとするアカリにもルナは視線を向ける。
「そういうあーちゃんは抱き着いたままだよね~。さっきはお兄さんって言ってたし~」
そういわれて気づく。この3人の中で一番成長の良いアカリが胸を押し付けるようにして抱き着いている。
自分の身長が小さいせいでかがみこむような姿勢になっているのにも関わらずだ。
ルナに追及されて慌てて距離を取るアカリ。その顔は姉であるサキ同様に真っ赤だ。
「そ、そういうルナちゃんだって抱き着いたままじゃん」
「僕はいいの~はーちゃんラブだし!」
どうだーと自慢するようにさらに強く抱きしめるルナ。おいやめろ喧嘩すんなし
しばらくそんな痴話げんかのような行動をしていれば時間というのはあっという間に過ぎていくものだ。
「っと、もう帰らないと怒られちゃう」
名残り惜しそうに離れながらルナが時間を確認している。
「っと、俺らも帰るかアカリ」
「うん、そうだねお姉ちゃん」
この時間が終わるのは寂しく感じるけれども仕方のないことだ。
「ねぇねぇはーちゃん!帰る前に連絡先交換しよ?今日は持ってるよね?」
自分の携帯電話をこちらに向ければそれに合わせるようにほかの二人も携帯を取り出す。
「う、うん。持ってるから大丈夫だよ」
こちらも慌てて携帯を取り出し4人で連絡先を交換する。
最近の携帯というのはすぐに登録できるようで1分と経たずにそれは完了する。
「よし、これでおっけー!じゃあねはーちゃんまた明日!」
要件を済ませるとルナは足早に逃げるように去ろうとしている。
「おい待てルナ。今日はってなんだ?隠し事してやがったな!白状しやがれ!」
「HAHAHA,サラダバー!」
逃げるルナを追いかけるサキ。そのサキを追うようにアカリも去っていく。
と思ったら途中で振り返り姉妹らしく揃って同じことを言う。
「「また明日な(ね)」」
そんな光景を見ながらもこちらも同じような返事を返す。
「うん。また明日ね」
走り去っていく3人を見ながら登録者が増えた携帯の画面を見ながら俺は軽くほほ笑んだ。
こんな友達ばかりですと人生楽しそうですね。
もう少しで今回の章は区切りになります。
次の章からはしばらく日常が続く予定です




