66:同族
放課後ティータイムというやつですかね
小さい子供が二人手をつないで歩く。ぱっと見現在の俺とサキの様子を告げればまさにそれである。
サキも俺に劣らず背が低いせいで制服を着ていなければ小学生が二人歩いているようにしか見えない。
目的地がどこか分からないせいでサキについていくしかないのだが、帰宅途中の生徒たちの視線を一心に受ける。
この光景を委員長が見たら発狂するほど喜ぶこと間違いないだろう。
耳を澄ませばサキちゃんの妹かしらなんて声まで聞こえてくる。どこまで行っても俺が妹らしい。
サキもサキで気前がいいのかなんというか。
「おう、本当の妹じゃねーが妹分みてーなもんだ」
姉という扱いに満足げに頷くサキ。そりゃアカリとサキが歩いていればアカリの方が姉に見えてしまうのは仕方ないからな。
「妹じゃないですからね!というかどこへ連れていかれているんですか?」
「まぁまぁ。そりゃ着いてからのお楽しみってやつだ。もうすぐ着くぞ」
俺たち二人の歩幅は狭いのだがそれでも目的の場所は5分くらいで到着する。
住宅街の一角にある風情ある民家を改修したのであろうカフェが目の前に現れる。
「喫茶店柴犬?」
変わった店名だなーと思っているとサキは遠慮なく店内に入っていく。
「いらっしゃい、ってなんだサキちゃんかぁ」
出迎えた店員はサキの顔を見てつまらなそうにため息をつく。
「おいなんだよその顔は。今日はちゃんと客を連れてきたんだぞ」
そういって俺を押し出すように店員の前に突き出す。
「サキちゃん・・・いくら姉に見られないからって言って誘拐はまずいよ」
ポンとサキの肩に手を置く店員の腕を強引に振り払うサキ。
「ちげーよ!アカリの同級生だ!気に入ったから連れてきただけだ!」
サキをからかっていたであろう店員は笑いながらこちらに視線を向ける。
「冗談冗談。しっかしまあ君もしかして硲さんとこの娘さん?」
急に自分の苗字が出てきて驚きながらも頷く。
「やっぱそうだ!いや~前に見た奥さんそっくりだもん!本当にそっくりでびっくりだよ!」
どうやらママを知っているらしい。そりゃママをほぼ小さくさせただけの見た目なのだからその反応は仕方ない。
「おいいつまで立たせてんだよ。席座っていいだろ?」
睨むように店員に視線を向けつつ返事を待たずに窓際の席に腰掛けるサキ。
「おっと失敬。ではではごゆっくりー」
と店員は一旦奥へと下がっていった。どうしようか悩んだがしぶしぶサキの対面に座る。
「わりーな、騒がしくしちまって」
「いえ、気にしないでください。お知り合いのお店なんですか?」
随分と親しげに話していたので他人ではないと思ったのでそう聞いてみる。
「あーまぁ・・・なんて言えばいいのか・・・」
頭を掻きながらめんどくさそうに言葉を考えるサキ。
「あれ親父」
出てきた単語に頭がフリーズする。親父・・・親父・・・オヤジ!?
「どうも~サキちゃんのパパんですよ~」
給仕服を着た女性にしか見えないサキ曰く親父がメニューをもって現れる。
俺の思考がバグっているのか冗談を言っているのかその判断すらも今はできそうになかった。
サキとユイの身長はそんな大差ありません。
サキの方が数cm高いくらいです




