65:アフタータイム
デート(連行)
散々な目にあった昼食をなんとか終えて教室に戻ってくる。
あの時間だけで今日のエネルギーを使い果たした気がするがそれでも授業は進む。
授業開始前まで散々サキに対して文句を言っていたルナも満腹にやられ夢の世界へ旅立ってしまった。
こんな様子で成績は大丈夫なのだろうかと心配せずにはいられない。
そうして帰りのホームルームの時間になりなぎさ先生から連絡事項などが告げられる。
「もうすぐ夏で熱くなりますから~体調管理には気をつけてくださいね~」
ありきたりな連絡事項を終えて挨拶を返す。中学生のホームルームなんてこんなものだろうか。
「それではユイさん、明日の昼食は楽しみにしていますからね」
委員長を警戒していたが放課後は習い事があるらしい。何度もこちらを振り返りながらもそそくさと教室から出ていく。
「おわったー!早く帰ろう!」
先程までの夢の住人とは打って変わって元気になったルナの肩にポンと手が置かれる。
「どこに行こうと言うんですか夜桜さん」
にっこりと笑顔を浮かべているが目も笑っていない口調も伸ばしていないなぎさ先生が立っていた。
「や、やだなぁ~なぎちゃん先生。授業は終わったから帰るんですよ~」
震える声で逃げようとしているルナを逃がさんとばかりにがっしりと拘束する。
「ダメですよ。この間のテストの追試があるんですから。今日は合格するまで帰しませんよ」
やはりルナの成績はどうしようもないようでなぎさ先生から冷たい怒りを感じる。
「た、助けてあーちゃんはーちゃん!このままじゃ帰れないよ!」
俺たち二人に救いを求めるがこればかりは自業自得でしかないのでそっと目を反らすしかできない。
涙目になりながら先生に引きずられ出荷されるかのように連行されていくルナを見送るしかできなかった。
「大丈夫なんでしょうか夜桜さん」
アカリに確認すると苦笑いしながらもアカリが答える。
「ルナちゃんも真面目にやればすぐ終わるんだけどその・・・やる気が・・・」
遠い目をしているがそれはかなり厄介じゃないかと眉を顰める。
「このままじゃ成績が大変なことになりそうですけどいいんですか?」
親心ではないが心配になりアカリに尋ねる。
「ん~一応はぎりぎりの低空飛行ではなんとか乗り越えているから・・・最悪はテスト前に泣きつかれるけどね」
とは言っても頼られるのは悪くないとアカリは続けて言う。そうやって甘やかしているのが原因なんじゃとは死んでも言えない。
「私も今日は用事があるから先に帰るね。お姉ちゃんはたぶん正門のところにいると思うから行ってあげて」
そういってアカリもそそくさとカバンをもって教室から出ていく。
なぜこうも二人っきりのシチュエーションばかりなのかとこの場にいないラクーンに八つ当たりする。
待たせるのも申し訳ないので俺もそそくさと荷物をまとめて教室内から早足で出ていく。
下駄箱で靴を履き替え、校庭に出ると部活動をやっている生徒が視界に写る。
真剣に部活動に打ち込んでいる姿を見て青春だなぁとついつい年より臭い思考になってしまう。
校門前に到着すれば柱に寄りかかり本を読んでいるサキの姿が映る。
その姿は絵になるなぁと思いつつただし喋らなければという枕詞がつくのがご愛敬というものだ。
こちらに気づき本をバックの中に詰め込んでこちらに近づくサキ。
「うっし、ちょいとデートに付き合えや」
その言葉に呆然とする俺を引っ張るように歩き出すサキ。
本当に一体どうなっているんだと思わずにはいられなかった。
補習というのは嫌な記憶ですよね。
ルナはちゃんとやればできる子なんですよ・・・多分




