62:お昼休み
授業内容は省略いたします。
授業に関して言えば特に問題はなかったと思いたい。
中学生くらいの授業なんてそこまで難しくはないだろうと思っていたのだが、これが予想以上に簡単だ。
これは俺の知識の影響なのかこの体のスペックの高さのせいなのかは定かではない。
少なくとも授業で分からないと思うところはなかったように感じた。
授業を受けている中で色々と分かるところがある。
まずルナに関して言えば絶望的だ。ほぼすべての授業で眠気をこらえているせいでノートは解読不能なミミズがのたまっているような字になっている。
反対にアカリに関して言えば分かりやすい。基本授業は問題ないのだが英語なんかはところどころで首を傾げて悩む様子を見せている。
そしてあの変態もとい委員長はかなり優秀なように見える。授業中にちらちらこちらを見てきているが先生が質問をしても問題なく返答できている。
国語、英語と二つの授業を終えてようやく昼休みの時間に移った。
授業が終わった途端にさっきまで死んでいたようなルナが生き生きと飛び跳ねるように席を立つ。
「ご飯の時間だー!あーちゃん、はーちゃんお昼にしよ!」
そんなルナの態度に苦笑いしか浮かばないが気分転換は必要だろう。
「あら夜桜さんまたユイさんを占領するの?さすがにズルくない?」
委員長が俺から視線を反らすことなくルナに問いかける。
「え~いいんちょーに任せるとはーちゃんが大変そうな目に合いそうなんだもん」
ルナの抗議に近くにいたアカリが難しい顔をする。否定しようにも否定できないとでも言いたげだ。
「心外ね。姉妹の交流としてお昼を食べさせあうくらいしか今はしないわよ」
勝手に妹にするな。というか妹というのを確定事項のようにしゃべるな。
「だーめーでーすー。いいんちょーはお呼びでないですー」
しっしっと手で追い払おうとする。流石にここらへんで助け舟を出しておくべきか。
「まぁまぁ、順番ということで今日は夜桜さんたちとご飯を食べますので委員長は明日でいいでしょうか?」
そう俺が言えば委員長は考え込むかのように腕を組む。
「ん~もう一声。こちらとしても譲るのでしたらもう少しメリットが欲しいですし」
「はーちゃん付き合っちゃだめだよ。いいんちょーはとっても腹黒なんだから」
とは言ってもここでいつまでも揉めていてもいいことはない。
これからの学校生活ぎくしゃくした生活をしたいとは思いたくないからな。
ため息を一つつき、委員長の服の袖を引っ張り耳元で囁く。
「ユイのわがまま聞いてくれないの・・・お姉ちゃん」
俺の一言で目をかっぴらき鼻を抑える委員長。その顔はとても人様に見せられないほどに緩んでいる。
「うぇへへ、そういわれたら仕方ないですね。それでは明日こそ一緒に食べましょうね」
そういって駆け足で教室から出ていく委員長。かすかに鼻血が出ていた気がしたのは忘れよう。
じとーっとした目でこちらをルナは見つめてくる。
「はーちゃんの浮気者」
俺はどう答えればいいのか分からず苦笑いするくらいしかできなかった。
変態にはエサを与えないでください。




