61:交友
お前も妹にしてやろうか?
俺が席についたのを確認してなぎさ先生は連絡事項を伝えていく。
とはいっても対して内容があるわけではない。強いて言うならもうしばらく先でテストがあるという話題くらいだろう。
隣の席でルナの絶望した声が聞こえてくるが学生というのはそういうものだろう。
誰だってテストなんて好きじゃない。それは俺もそうだったからな。
「連絡事項は以上です~。次の授業まで少し早いですけど休み時間にしますね~」
「ほかはまだですから廊下には出ちゃだめですよ~」
そう生徒に言い聞かせてなぎさ先生は廊下に出ていく。扉を閉めるか閉めないか分からないほどのタイミングで教室内の生徒がこちらに一斉に駆け寄ってくる。
逃げようとしたが回り込まれてしまった!というゲームの逃走失敗の画面が頭に浮かぶ。
頭を撫でられ、頬を引っ張られ、答える隙の無い程の質問が教室内を飛び込む。
「髪綺麗!めっちゃすべすべ!」「ほっぺモチモチで赤ちゃんみたい!」「背ちっちゃい!お姉ちゃんって呼んで!」
質問とは言いようのない内容が飛び込んでくる。最後のはなんかやべーだろこれ。
「こら~!そんなに乱暴にしたらはーちゃん困るでしょ!」
後ろから俺を抱きしめながらルナが抗議の声を上げる。
その行動に周囲からブーイングが飛び交う。ずるいぞー!という声が聞こえてくる。
「あーあーきこえなーい!へへーんいいだろー!」
どや顔するな煽るな。俺は抱き枕じゃないんだから抱き着くな。
「はいはい、ルナちゃんも煽らないの。みんなも質問は順番にね」
苦笑しながらアカリが助け船を出す。なんだかんだこの教室内でもまとめ役になっているのだろうか?
「アカリさんの言うとおりにしましょうか。ほら、並んで順番にね」
騒いでいた生徒の一人が整列させる。冷静な声だがさっきお姉ちゃんと呼んでと言った声にそっくりな気がしてならない。
ちらちらとこちらを眺める目が艶めかしい。ルナがその生徒を唸るように威嚇しているので気のせいじゃないはずだ。
「いいんちょー絶対狙ってる。はーちゃんは譲らないぞー!」
委員長と呼ばれた生徒は肩をすくめながらルナを見つめる。
「失礼ね。まだ手を出してないからいいでしょ?」
まだってなんだよまだって。未来にもそういうのはないぞ。
そうこうしているうちに綺麗に並んだ生徒たちからの質問が飛び交う。
Q:髪綺麗だけどハーフ?
A:ハーフだけど髪は日本人のママ譲り。ママも同じ髪をしている。
Q:小さいけど身長何cm?
A:正確には分からないけど140くらいだと思う。
Q:趣味は何?
A:読書とお料理かな。
Q:好きな教科と嫌いな教科は?
A:国語は好きです。逆に数学は少し苦手。
Q:ところでお姉ちゃんって呼んでくれない?
A:嫌です。
引っ切り無しに飛び交う質問に冷静に答えていく。答えるたびにきゃーきゃー言われるのは落ち着かない。
というか最後のは委員長だろ。残念。次は呼ばせるからって次ってなんだよ。
休憩時間が終わるころには俺は完全に疲れ切っていた。
ずーっと抱きしめ続けていたルナだけは満足そうな顔をしていたのが正直むかついた。
彼に関する設定の一部への返答になります。
基本的にはその場のノリで決めていることが多いですけどね。
委員長は可愛い子が好きなだけでロリコンではないと思いたいですね




