58:学校案内
金がかかってそうだと思うと落ち着かなくなりますね
なぎさ先生に案内されながら学校内を見学する。
「今日は朝全体集会があるので~それが終わってから教室に案内しますね~」
「えっと・・・担任なのに出なくて大丈夫なんですか?」
「ここだけの話~長くてめんど・・・ユイちゃんの案内の方が優先なので問題ないですよ~」
こいつめんどくさいと言いそうになったぞ。喋り方的にゆるそうだと思ったが中身もいい性格してやがる。
苦笑いしつつもこういう先生は嫌いじゃないので当たりかなと思うことにした。
校舎内自体は外側と異なりかなり手が入っているのが伺える。
至る所に最新型の機械が散見される。手洗いは自動水栓だし、ちらっと見た教室内にも最新の空調機が設置されているのが分かる。
「一階は共用スペースになっています~。事務員さんのお部屋や保健室。図書室と食堂あとは私たちがいる職員室がメインですね~」
さらっと言っているが食堂は学校にある小さいものなんて目じゃないほど広い。
今も中では仕込みの最中なのか調理員がせわしなく動き回っている。
「昼食は持ち込みか~ここで食べていく生徒さんが多いですね~」
「先生も利用するくらいおいしいんですよ~食費補助でお値段もお安いですし~」
ママ的には弁当を作るのは憧れがあるのだが仕事が忙しいから基本的にはここを利用することになるだろう。
"料理は得意"なのでいざとなったら自分で作ってくるのも悪くないのかもしれない。
「図書室は~専門的な本も多いですよ~。寄付でいっぱい貰うので~定期的に入れ替えもしてます~」
時代は変わっても紙の本は良いものだ。電子書籍も嫌いではないが自分でページをめくるのが俺としては好きだ。
「2階は~1年生と2年生の教室で~ユイちゃんの教室もこの階になります~」
「3階は~3年生の教室と~生徒会室と放送室があります~」
「基本的に上の階に行くことはないと思いますが~2階とそんなに変わりはないですよ~」
教室内は綺麗に整頓されており床にも汚れ一つないような状態だ。
廊下に並んだ小さなロッカーには女子らしくシールなどがいたるところに張られている。
「基本は~こんな感じですね~。理科室などの専門教室は別棟にあります~」
「後は体育館と~グラウンドと~水泳場があるくらいですね~」
「何か質問とかがありましたらお答えしますよ~」
質問と言われても特に思いつくことはなく俺は口を閉じている。
ママとしても何もないらしいので、
「問題ない」
と一言簡単に答える。クールなママである。
「でしたら~必要書類がありますので~それの記入をお願いしますね~」
そういって職員室横の小さな会議室の中へと通される。
机の上にはすでに必要書類が用意されておりなぎさ先生に教えてもらいながらママが記入を進める。
俺はその光景を見ながら所在なさげに周囲を見渡す。そんな俺をなぎさ先生は愛でている。
「とても可愛らしいお嬢さんですね~。みんなの人気者になれそうです~」
お世辞だと思うのだがそう言われてしまうとつい顔を赤くして目元を伏せてしまう。
そんな俺の様子を記入し終えたママが見つめながら胸を張る。
「当然。ユイちゃんはとても可愛い。自然の摂理」
ママよやめてくれ。余計火が出そうだ。
「ほかの生徒さんも可愛らしいですけど~ユイちゃんは儚いって感じで~」
そしてなぎさ先生もそれにのっからないでくれ。
ママとなぎさ先生からの言葉攻めを受けつつ、顔を真っ赤にさせて早くこの時間が終わってくれと祈るくらいしか俺にはできなかった。
学校案内のお話。
内装は金をかけてかなり力を入れてあちこち手を入れております




