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46:夜の間に

違和感、矛盾。誰が正しいの?

「なかなからしくなってきたじゃないか」


風呂から上がり今日の一日のことをラクーンに報告したところ返ってきた一言がこれである。


今日買ってきた下着を着用し、髪を乾かしていた俺はその返答に顔をしかめる。


「お前その返事で俺が喜ぶとでも思ってるのか?嫌味か?」


心外だとばかりに肩をすくめながらラクーンは俺の膝の上に腰掛ける。


「そんなはずないだろ。僕はこう見えて誠実で嘘はつかないよ」


追及しようと振り返ってみるがたしかにこいつが嘘をついたことは今のところない。


納得いかない顔をしていると俺の方を指さしてラクーンは言葉を紡ぐ。


「君の今の行動一つとっても最初にあった時に比べれば雲泥の差だ」


「は?それどういう意味だよ?」


急に言われたので自分の今の姿を確認する。


白いネグリジュを着て女の子座りで髪に櫛を通す。


"昔からやってきたこと"だ。これをやらないとママに怒られるから仕方ない。


「分からないならそれで構わないよ」


相変わらずこのタヌキもどきとしゃべっていると疲れる。


頭を軽く抑えつつ寝る前の手入れを終えてベットに腰掛ける。


「いろいろ聞きたいがこれだけは教えろ。お前何ができるんだよ」


ラクーンは大した力を持っていないと言っていた。


かといってこの不思議存在が何も力を持っていないとは正直信じられなかった。


「ふむ、君は僕がいろいろ暗躍していると思っているみたいだね」


「違うのか?」


「否定はしないよ。戦闘は専門外だけど無力ではないからね」


睨みつけるかのように厳しい視線をラクーンに向ける。


「とは言っても大きなことはできない。無から有は作れない。認識をずらす程度さ」


「詳しく説明しろよ。ここまで来て隠し事はなしだ」


俺がせっつくとしょうがないとばかりに肩をすくめる。


「少なくとも今の君にとってはメリットのはずだ。認識阻害それが僕の力だよ」


「例えば今の君の体はかろうじて男性だけど普通の人には女性に見えるようにしたり」


「君が意識して説明しないかぎりはユイとハザマを認識できないようにしたりね」


「へぇ・・・なんだかんだ協力してくれてるんだな」


実に意外だ。もっと悪辣な力かと思っていたがこの程度とは。


ただ何か頭に引っかかる。何か見落としがある気がする。”まあ気のせいだろう”


「いくら顔とか分かりにくいとはいえルナが気づかなかったのはそういう理由か」


「ただ完全には消せないからなんとなーくどこかで会ったような・・・というデジャブ状態だね」


まあそのせいで妹がいるなんて変な質問をされたわけだが。


「ん、ということはこれから通う学園についてもお前が?」


「そこまでは無理だよ。あくまで候補の一つには入れたけどね」


「お前が候補に入れたってことは・・・・まさか?」


俺の想像にラクーンは頷く。


「そうだね、ルナたちの通う学校だよ。いわば君たちは学友という扱いになるね」


このタヌキはいつか必ず始末してやる。強い恨みを込めた視線を向けつつ俺はため息をついた。

ラクーンは敵ではありません。それだけは間違いありません。

一部の謎に関してはこのラクーンの力によるものです。

彼に対しては良い影響と悪い影響を与えていますがそれに彼は気づけません。

かわいそうですね

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