32:作戦会議
しっくりくるというのが適当か。
彼が選ばれた理由の一つがこの光景にあるのかもしれない
「ひゅ~。かっこいいね~ユイちゃん!」
ぴょんぴょん飛び跳ねながらルナが私の方に駆け寄ってくる。
「足癖わっりーなお前。ま、めっちゃ助かったがな」
「び、びっくりしたぁ・・・あんなに飛んでったよ」
サキとアカリが二人そろって苦笑いしながらもこちらを歓迎する。
こうやって同じ反応をしていると姉妹だなぁと思いながら地面に着地する。
「あらごめんなさい。ついつい足が出ちゃったわ。」
まだ出会って二回目だというのに3人にはやけに歓迎されている。
もみくちゃにされながらもこういうのも悪くはないわねと自分の考えは間違っていないと認識した。
「にしし~サキちゃんなんて手癖も足癖も悪い癖によくいうよ~」
ぎゅーっとルナは私を抱きしめながらからかうようにサキに目を向ける。
いくら今は女性とは言えこういうスキンシップは少し恥ずかしい。
女性というのはこういう風なスキンシップが多いのかしら?
だとしたら彼じゃなくてよかったと思う。あれでも繊細なのだ、こうやって抱き疲れればきっと私以上に顔を真っ赤にすること間違いないでしょう。
「うっせー!これが戦い方なんだから仕方ねーだろ!」
威嚇するかのようにルナを睨みながら吠えるサキだがその姿のせいで子犬が吠えているようにしか見えない。
その内面がトラやら龍だとしても外見は私より少し大きいだけの可愛らしい少女なのだ。
「あら、でも私サキの戦い方好きよ?豪快なようで繊細でセンスあると思うもの」
私がそう言うとサキはそれ見たことかと薄い胸を誇らしげに張りながら頷く。
「よく分かってんじゃんかユイ!ルナもユイを見習えよな!アカリとかユイくらい可愛げないとダメだぞ!」
「むぅ~サキちゃんにこうも気に入られるなんて・・・やるねユイちゃん!」
ぐっと親指を立てて私の方に決め顔を見せるルナ。なんだろうこの空気感
「あ、あはは・・・お姉ちゃん気に入っちゃうとこうなっちゃうんだごめんね」
ぺこぺこと頭を下げながらアカリが私を同情する。
「別に構わないわ。こういうの嫌いじゃないもの」
「・・・すごいいい子なんだねユイちゃんは」
「素直に思ったことを言っただけよ。」
「にしし~このこの~人たらしめ~」
ぷにぷにと私の頬を指でつつくルナ。一応ここは戦場なのだけど・・・
「っと、後は全部終わった後にすっか。アカリ、様子はどうだ?」
「うん、弱ってるけどもう少しで復活しそう。ただ攻め手がユイちゃんしかいないからどうしよう」
阿吽の呼吸というべきか二人がいきなり思考を切り替える。
こう見るとベテランだなと改めて実感する。
「ルナちゃんやお姉ちゃんの攻撃も私の魔法も氷を砕けてもあの侵略者を倒せてない」
「ユイの攻撃が効いたせいであいつぜってーユイマークすっからな」
「難しいことは分からないけど二人が悩んでいるってことは難しいんだよね~」
3人そろってうんうんと頭を回転させるがいいアイディアは浮かんでこないようだ。
正直マークされようが何しようが強引に突破することはできなくはない。
ただ先ほども考えたように彼女たちの戦力アップのためにもここは一肌脱ぐとしよう。
「じゃあ・・・こういうのはどうかしら?」
私が考えた作戦を三人に伝える。
それに対して三者三様の返事が返ってくるが誰も反対する人はいない。
「いいね~!それってすんごいかっこいいじゃん!」とルナは喜び。
「さいっこうにクールじゃん!やっぱお前最高だわ!」とサキは笑い。
「や、やったことないけど・・・悪くないと思う」とアカリは冷静に分析する。
「じゃあやるってことで準備しましょ?」と私が囁く。
さあ、全員で踊りましょう。楽しい楽しい戦いの舞台を。
侵略者が戻ってくるまでの間に私たちは作戦の準備に取り掛かった。
一人にすべてを押し付けて解決するのは簡単だけどそれではただ犠牲の対象が変わるだけ。
彼女たち全員が協力することで世界は少しだけいい方向に向かっていくことでしょう。
まぁその事実に彼が気づくことはないのですが




