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ヒロインになりたい((私))となりたくなくない俺の話  作者: adovent
8:罠とデート

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188:待ち合わせ

こっちみないでください

ラクーンが選択した服を身にまとい鏡の前で最後の身だしなみの確認を行う。


それなりに年をとって大人しくなったと思ったのに約束の日の前日はついつい楽しみすぎて普段よりも眠るのが遅くなってしまった。精神までも幼くなったのかとため息の一つでもつきたくなってしまう。


現在の俺の恰好はと言えば、無地の黒いTシャツの上に青と白2色の薄いジャケットを羽織り、下はロングのジーパンを履いている。最近ではスカートを履く機会が多いせいで久しぶりにジーパンを履くとその違和感に戸惑ってしまう。


首からぶら下げた花をモチーフにしたネックレスが俺が動くたびに静かに揺れる。ラクーンの選択という中身を考えなければかなりしっかりとした恰好だと思ってしまう。


出かける1時間前に起床し、色々な準備をやっている間にもう少しで目的の時間になってしまうことに気づく。


こんな風に時間を使っているから女性の買い物とかは長いのだろうか?悲しいかな自分がいざ体験してみると本当に時間があっという間に過ぎ去ってしまうので心が大分女性寄りになった気がした。


集合場所である駅前は自分の家から今の体で徒歩10分程だ。少々余裕を見て20分前に着くように設定しているが遅すぎるより早い方が良いだろう。今日も今日とて仕事で忙しいので家の鍵をかけて外へと繰り出す。


夏休みということで歩く道すがら学生と思しき年齢の子供が視界の端に映る。そのほぼすべての人が俺を見るなり二度見してくるという行為にも慣れてしまった。


最近はルナたちと過ごすことが多かったので忘れていたが俺の見た目はかなり独特だ。髪色も特徴的だし何より俺が言うのもあれだが見た目も整っているせいで注目を集めてしまうのは仕方ないことだと受け入れるしかなかった。


少々早足気味に歩いていたせいか25分前に目的地に到着してしまう。夏休みではあるが世間一般は平日なので人気というのは思っていたよりも多くはない。時間的に通勤時間から外れているので会社員の姿は少なく、どちらかと言えば主婦や俺たちのような学生の方が多い印象だ。


駅前にはシンボルとしてなのか大きな噴水が設置されており、その周辺を集合場所に設定する人が多いらしく目測だが割とその周辺だけ賑わっているような気がする。


約束した時間よりもかなり早い時間に到着したので流石にアカリの姿はないんじゃないかと思いつつも念のため噴水の周りを遠目で観察していると明らかに一か所人が集まっている個所があるのに気づいた。


集まった人々は人ごみの中心に向けて視線を向けたり中にはカメラを向けて写真を撮っている人までいる始末だ。


最初は有名人か何かのテレビの撮影かと思ったがそれにしてはテレビカメラや撮影クルーの姿は見受けられない。


何か事件でも起きているのかと心配になって近づくが人ごみが多くてなかなか近づくのが難しい。


俺が困惑していると俺に気づいた人々が中心から視線を俺に写し、それに比例して人ごみが割れていく。


さながらモーセのような気分になりながら複雑な気持ちで中心に近づくとそこに目的の人物はいた。


噴水の縁に腰掛けて何度も自分の腕時計を確認しながらそわそわして落ち着きのない動きをしているアカリが人ごみの中心に位置していた。あまりにその場の空気に似合っていたのでモデルかなんかじゃないかと思わず俺は思ってしまった。

ユイも注目を浴びる存在ですけどルナたちも知らない人が見れば見とれるくらい美人です。

そんな3人の中で一番体格がいいのがアカリなのでモデルと思われても仕方ないですね

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