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幕間

タイムループはお好きですか?

覚えのない地獄の記憶を積み重ねながら世界をやり直しましょう。

物語にははじまりがあり終わりがある。結末がない物語はナンセンスだ。


その結末が幸福かあるいは不幸かは傍目から見る観客からの視点が必要だ。


その観点から言えば僕の1回目の物語はとてつもない不幸な物語としか言えないだろう。


端的に言えば・・・僕は失敗した。




世界の裏側で行われている少女たちと侵略者たちとの戦い。


それは誰にも知られることもなく、誰にも感謝されることもない物語だ。


その時の僕はどこか浮ついていたともいえるだろう。


頼りになる少女達・・・ルナ、アカリ、サキ・・・彼女たちの犠牲を当然のように受け入れていた。


3人の仲に不和はなく、侵略者との戦いも危うげなくこなしていた。


だからこそその結末は当然の帰結といえるだろう。


今でも思い出せる・・・タコの侵略者の足元に転がる3人の体。


さっきまで明るく喋っていたルナも、苦笑いしていたアカリも、2人を励ましたサキも・・・


みんな・・・みんな死んでいた。もう彼女たちの声を聴くこともない。


その現実に僕の心は簡単に壊れるのを感じた。


ああ、何を浮ついていたんだ僕は。侵略者との戦いなんて綱渡りなんだ、いつかはこうなる可能性もあったはずだ。


だが僕はその現実から目を反らしていた。心地よい現実のぬるま湯につかりすぎて悲しい現実を受け入れられなかった。


そこから先の未来は語るまでもないだろう・・・侵略者は現実に乗り出した。


あちこちの都市が火の海に沈む・・・軍人が頑張っているがその頑張りもいつかは潰える。


兵器を1つ作る間に何万人もの人が死ぬ。そうなってしまえば世界はもうお終いだ。


僕は泣きはらして真っ赤になった目でその世界を虚ろに眺める。


こうなった以上は世界は終わりだ・・・どうしようもない。


彼女たちと違い僕には戦う力がない・・・だから足元で泣き叫ぶ子供を・・・祈りをささげる老人を・・・見殺しにするしかできなかった。


無力だ・・・ただ眺めるしかできない自分に嫌気がさす。


そんな地獄の光景を眺めながら僕はまた思い出す。こうして世界を壊すのは何回目だろう・・・


何度も何度も・・・僕はこの現実を眺める。繰り返す・・・


世界は壊れてしまうときに正常な世界に上書きをする。


ゲームで言うロードだろうか。壊れてどうしようもなくなった時に平和な時代に逆戻りする。


そのたびに僕の記憶は消えて何度もやり直す。


どうすればこの不幸な連鎖が終わるのだろう・・・僕の心はもはや限界を迎えていた。


だからこそ・・・僕は手を出してはいけないその構想に手を伸ばす。


3人に犠牲を押し付けていてはだめなんだ・・・なら犠牲を増やすしかない。


だが簡単に増やすことはできない。戦うには資質が必要だ。何物にも代えることができない圧倒的な資質が。


世界の巻き戻る音が聞こえる・・・さあもう一度やり直そう。


繰り返すたびに僕の記憶にはごみのように地獄の記憶が積み重なる。


次はもっとうまくやって見せる・・・映画を巻き戻すように戻っていく世界を眺めながら僕は決心する。




・・・そうして僕は彼を犠牲にすることにした。

というわけで幕間1です。

章ごとに作っていこうかなと思います。その時々で内容は異なりますが

ラクーンはただのマスコットに過ぎません。特別な力も能力もありません。

ただやり直す基準点になるだけ。それが一番の地獄かもしれませんね。

・・・え?じゃあなんで彼が変わったかって?それはいずれお話しましょう。

今日の更新もまだ続きます

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