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18:おはよう。新しい世界

目が覚めて世界が変わっていたとしてあなたはそれを認識できますか?

受け入れてしまえば楽になれるかもしれませんよ?

目を覚ます。椅子に座ったままどうやら寝落ちしてしまったようだ。


開きっぱなしだったパソコンはとっくにスリープモードになり今はただうっすらと自分の顔を映すだけだ。


変な態勢で寝てしまったせいで嫌な夢を見たものだ。


しゃべるタヌキや戦う少女なんてどこのファンタジーだろうか。


大方寝る前に見た映画の影響だろうとため息を一つこぼしながらもベットに腰かける。


"高級"なベットの座り心地に満足感を覚える。やはり安物と違うと。


ずきりと頭が痛む・・・なんなんだこの違和感は。


部屋を見渡す、まだ真新しい勉強机に青色の本棚。


どこも問題はない((普通の少女の部屋))・・・そうでしょ?


いや、違う。こんな部屋じゃなかった・・・普通の男の部屋のはずなのに。


こんな・・・こんな少女の部屋であるはずがない・・・・


頭が割れるように痛む。そう認識した途端意識がはっきりとしてきた。


どこかで舌打ちが聞こえてくるのを聞かなかったことにする。


冷汗が止まることがない。夢だと思ったことが現実だなんて悪夢だったら覚めてほしいものだ


「驚いた。やはり君の資質は良い意味でも悪い意味でも素晴らしいものだね」


枕元にいつの間にかラクーンが寝そべっている。本当に神出鬼没にも程がある存在だ


「最悪だ・・・本当に気分が悪い・・・」


頭の中では((彼女))が抗議しているのか頭痛が鳴りやむことがない。


自分の趣味に合わない部屋を眺めながら汗をぬぐう。


その汗をぬぐう自分の腕が折れそうなほど細くなっているのに気付いた。


「・・・は!?」


慌てて体を確認する。胸は・・・ない。男の象徴は・・・ある。


ホッと一息つく。さすがに目が覚めても女のままなのは洒落にならない。


だが以前の体と比べて全体的に小さくなっているのを理解してしまった。


少なくとも以前の服を着ようと思ってもぶかぶかで着ることはできないだろう。


「心配しなくてもまだ君の体は男のままだよ。もっとも世界によって最適化されてるけどね」


そう言って強引に見せてきた鏡にはあの世界で見た時の少女が映っている。


正確に言えば性別は男性だが見た目だけは((彼女))ということになるだろう。


あの世界の存在と比べて違うのは鎖の痕が薄いことと肉付きが少し良くないことくらいだろう。


逆に言えばそれくらいしか差がないともいえる。


寝て起きたら自分の体が別の存在に切り替わっていたことに乾いた笑みが出てくる。


その時窓の外で太陽が上がったのだろう。うっすらとした光が部屋に差し込んでくる。


その光を浴びながらこれからどうしようかと困惑している俺をよそにラクーンが静かにカーテンを開ける


「これから長い付き合いになるんだ。よろしく頼むよユイ君」


そう言って頭を下げるのをどこか遠いところで眺めている気分で見つめる。


世界が太陽の光でまるで自分の目覚めを歓迎しているのが気に食わない。


だからこそまた言わねばならないだろう。


「俺は((私は))ヒロインになりたくない((なりたい))!!!!」

といったところで1章が終了です。

奇麗にまとまってよかったです・・・あ、これで最終回なわけないですよ?

次は一度幕間を挟んで第2章です。幕間はラクーンの視点で語ろうかなと思います。

今日の更新はキリもいいのでここまでまた次回の更新をお楽しみにください

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