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176:罠だらけのホテル

トラップハウスだ!エロはないよ!

なんとか弱気を振り払って改めてこのホテルの中を観察してみると外に比べてかなりこの室内が広いことが分かった。


二階建ての小さなホテルのように見えたのに高さは変わらないのに横は廊下の端が分からないほどに広がっていた。


「これも敵の能力・・・なのかなぁ?」試しに近くの扉を恐る恐る開いてみるが入る前に部屋全体が上から巨大なプレスで潰すかのように圧縮されてしまった。


「ひ、ひぃ!?」驚いて尻もちをつく私をよそに一瞬で部屋は元通りになり、私を歓迎するかのように扉を全開に開いた。


流石にさっきの光景をみた直後に部屋の中に飛び込む勇気は私にはなかった。


勢いよく扉を閉めてから周りの扉の数を数えて私は絶望するしかなかった。


少なくとも10や20じゃ効かないくらいの扉がすべて開け放たれて私を歓迎している。


これのどこかに敵はいるはずなのだがいちいち全部中を確認するほどの時間はない。


ユイちゃんが強いのは分かっているけどそれでもお姉ちゃんたちを相手に時間稼ぎが長く続くはずないと私は冷静に分析できてしまった。


現実でも体力がないユイちゃんが分かれる寸前でさえかなり満身創痍だった。私と同じように回復能力を持っていてもおかしくはないがそれでも使用限度はあるのだから急ぐに越したことはない。


しかしこのホテルに入ってから私の魔力探知は1回も安定していない。さっき別の部屋を指し示していたのに今は目の前のプレス機の部屋を指し示しておりどこまで信用すればいいのか分からなくなっていた。


「こ、これじゃあどれが本物か分からないよ・・・」困り果てて無意識に拳銃を握る。


すると私の足を何かが突いてる感覚がした。


「ひゃあ!?な、なに!?まさかまたトラップ!?」


慌ててその場から距離を取り足元の存在を確認する。そこには10cmくらいの小さな人形のようにデフォルメされたユイさんが立っていた。


「ゆ、ユイさん!?ちいさいちいさいと思っていましたがまさかこんなに小さくなるなんて!?」


私の言葉に反応してユイさん人形(仮)は腰に手を当てて怒った様子を表す。口はバッテンに縫われているので喋ることはできないようだ。こんな可愛いなら後でお持ち帰りとかできないかな?


不純な考えを持っている私を他所にその小さな足でユイさん人形は私を導くみたいにとことこと歩いていく。


歩くのは良いのだが小さすぎて全然進んでいない。どこまで私を喜ばせてくれるのでしょうか。


本体と同じく体力もないのか扉と扉の間分の狭い距離を歩いただけでスタミナ切れを起こしたらしくその場に座り込んでしまう。


「む、無理しないでくださいよ。よいしょ、私が運びますので案内だけお願いします」


左手に拳銃を持って空いた右手にユイさん人形を乗せる。私の言葉に素直に喜んで体全体で喜びを表現している。えへへ・・・こういうユイさんも悪くないですね。


なんだかほっこりしていたが私は肝心なことを忘れていた。手のひらのユイさん人形がゆっくりと私の後ろを指さす。


怯えたような表情になんだか嫌な予感が全身を駆け巡るが振り向かないわけにはいかない。


ぎこちない動きでゆっくりと後ろを振り返る。先ほどまで端が見えなかった筈の最奥が見え始める。


「な、なんかどんどんこっちに近づいてないですかね・・・あれ・・・」


私が喋っている間にもどんどん壁が大きくなっている気がする。それどころか壁全体に針が突き出しているようにも見える。


「に、逃げますよユイさん!案内お願いしますよ!!」


両手の荷物を振り落とさないためにも私の武器である杖を背中に背負って全速力で駆け出す。


私の手から振り落とされないようにしがみついているユイさん人形を愛でる余裕もなく私たちはゴールに向かって走り出した。

ホテル内は一部を除いて設置してあるトラップは本物です。

すなわち引っかかると普通に死にます。

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