173:逆転の為に
戦闘はどうしても文字数が普段より多くなってしまいます。
「きゃ!?」またルナの攻撃によってアカリが吹き飛ばされる。あの傷だらけの体を今すぐ抱きしめてあげたいのだが如何せんこちらもサキから視線を逸らすわけにもいかない。
「ふっ!!」サキの攻撃は時間が経つごとにどんどん鋭さを増していく。まるでこちらの行動に合わせて最適化しているみたいで油断も隙もあったものではない。
私とサキの戦況は膠着しているように思えるのだがそうではない。時間が経てば経つほど私は不利になりサキはどんどん有利になっていく。
「はぁ、はぁ、ぜぇ、ぜぇ。避けるのは・・・いけるけど・・・体力が持ちそうにないわ」
最初は余裕をもって避けれていた攻撃も最適化されつつある攻撃と私の体力のなさが重なってどんどんぎりぎりの回避になっている。
もちろんサキだって疲れていないわけではないのだがそれでも持久戦になれば私の方が先に倒れるのが目に見えている。こんなことなら体を鍛えておくべきだったと絶賛後悔中だ。
「ちくしょう、しぶとすぎんだろこいつ。ルナ!そっち早く仕留めてこっちに合流してくれ!」
勘弁してほしい。ただでさえ余裕ないのにここで2VS1は流石にしんどすぎる。
「もうちょっと待って!あと少しで終わるから!!!」
私とサキが疲れているのに比べてルナはかなり余裕があるようだ。倒れこんで起きる余裕のないアカリに向けて武器を構えてとどめを刺そうとしているのが見える。
「流石にそれは・・・許さないわよ!」右手に握っていた刀を放り投げてルナの攻撃を静止する。
「わわ、あっぶな!?」当てるつもりはないがけん制のために近くを狙ったのだが見えてないはずなのにルナは軽く回避してしまう。あの子勘で避けたとか恐ろしすぎる。
ルナの攻撃を静止したのに合わせてサキのガントレットを足場にして思い切り蹴とばしてアカリの近くに着地する。こんな曲芸二度目はないしそこまでの体力はもうない。
「はぁ・・・はぁ・・・アカリ、まだ動ける?」残った左手の刀を両手で構えてアカリの盾になりながら声をかける。
「う・・ぐぅ・・・なんとか・・・ユイさんも・・・限界そうじゃないですか」
震える足でなんとか立ち上がってきたがとても戦闘ができそうにない。
「馬鹿言わないで。貴方を守れるなら限界を超えて頑張れるわよ」
流石に今の状況で武器の回収は難しいだろうし、そんな隙を見逃してくれるほど戦闘中のあの二人は優しくはない。
追い込まれた私たちに取れる選択肢は3つしかない。逃げるか、戦うか、それとも・・・
「聞きなさいアカリ。ここは引き受けるからあの二人を操っている敵を潰して頂戴」
逃げても状況は好転しないし、戦ってもこのままでは負けるだろう。ならばできることはこの状況を作った現況を叩き潰すしかない。
「はぁ・・・はぁ・・・そ、そんな無茶ですよユイさん。お姉ちゃんとルナちゃんを一人で抑えるなんて」
「無茶でもやるしかないの。このままだとあの二人に消せない傷をつけることになるもの」
「そんなの絶対に許せない。大好きな二人が傷つくのもアカリが傷つくのも絶対に嫌だもの」
3人が傷つくことは絶対許せない。ここで見捨てたらなんのために戦っているのか分からなくなる。
私の決意に言葉を失ったアカリだったがそれでもその決意をしっかり受け取ってくれたようだ。
「・・・3分だけ時間をください。それだけあれば治療して動けるようになります」
短いようで長い3分間をここからなんとか稼がないといけないようだ。かなり骨の折れる作業になることだろう。でもそんなこと顔に見せないで私はアカリに向かって微笑んで見せる。
「3分どころか5分以上稼いであげる。お姫様の願い事を想定以上に叶えるのが私の役目よ」
覚悟は決まった。なんとしてもアカリが回復するまでの時間を稼ぎきってみせる。
両手で握った刀をしっかりと構えて震える体で私はルナとサキに向かって駆け出した。
ユイの力は制限がかなり多いので一度出した武器を再度生成することが今はできません。
鎖が砕けるほど彼女ができることが多くなると思ってください




