170:予想外
味方同士の戦い
アカリを抱きかかえて走れば数分ほどで目的地に到着した。しかしながら目的地を見て私は眉を顰めるしかなかった。
「よりによってこんなところが目的地なの?」目の前にそびえるいわゆるラブホテルを見ながら言葉を発する。
「た、確かにここのはずですけど・・はわわ」アカリもまた困惑しているのか私と同じような感情だ。
目の前にそびえたつのは年季が入った2階建てくらいのラブホテルだ。近くに建てられた看板に休憩の値段が張りだされているのを見るにほぼ間違いないだろう。
知識としては知っているが流石にこんな古臭いホテルは利用したくないなというのが正直な感想だ。
行くのは良いのだがそれなりに風情のあるところに行きたいなんて馬鹿な考えが浮かんでしまう。
アカリをゆっくりと降ろし周囲を見渡すが相変わらずルナやサキの姿が見えない。
「この近くにはいるはずなんですよね・・・お姉ちゃん!ルナちゃん!どこにいるの!」
アカリが頑張って大声を張り上げているのだがその声に反応することはなかった。
「考えられるとしたらこの中なのだけれども・・・流石にいないと信じたいわね」
サキにしろルナにしろこんな建物に喜々として入っていく姿は想像できない。
むしろ二人そろってこの建物自体を木っ端みじんにするくらいはしてそうだ。
どうやらこの周辺はもともとこういう大人向けのエリアだったらしく周辺にはいくつも同じような建物があった痕跡が見受けられるのだが、今目の前にあるホテル以外は無残な姿をさらしている。
軽く見渡してみても打撃や斬撃で破壊された痕跡があるのでこの周辺で戦闘が起きたことは間違いなさそうだ。
「戦っていたのは間違いないんですけど・・・それでも侵略者もお姉ちゃんたちの姿も見えないのは不自然です」
俺とアカリの脳内に罠という言葉が浮かんでいる。ただその場合あの二人が囚われているということになるのだが侵略者にそんな頭脳があるのだろうか疑問が生じる。
「でもそんな頭脳的なことをするとは思えないんだけど・・・ね!」
上空から迫ってくる殺気を感じ取り私はあわててアカリを抱きかかえてその場から跳躍して離れる。
直後、上から迫っていた何かがすさまじい音を放ちながら地面に叩きつけられる。
砂埃が舞い上がり周辺の様子が見えなくなる中でさらに追撃してくる何かの攻撃をアカリを抱えながらよけ続ける。
「ずいぶんと手荒な歓迎ね。もう少しスマートに出迎えてほしいのだけれど」
反撃しようにも武器は今使えないので足で相手を蹴飛ばして距離を取る。
「けほっ、けほっ。かなり連携が取れていますけど一体どんな敵なんでしょう・・・」
砂埃がゆっくりと晴れていく。私の腕から離れていたアカリが目を凝らし目の前の光景に驚く。
「お、お姉ちゃん!?ルナちゃん!?」澄み渡った視界の中で今目の前に武器を構えたルナとサキの姿があった。
だが二人の纏っている雰囲気があまりにも違う。少なくとも私たち二人に敵意を向ける理由はない。
「構えなさいアカリ。あの二人敵意むき出しよ。どうやら今回の敵は一筋縄ではいかないようね」
自由になった両手に二本の剣を握り直し今まさに襲い掛かろうと身構えている二人に視線を移した。
洗脳とは少し違う状態の相手との戦闘になります。
アカリ的には相性最悪なのでどうあがいても二人には勝てません。魔法唱える間に絶対攻撃されるので




