166:油断
色々フラグな回
あの撮影会の日から数日経ったが日常というものにはそんなに大きな変化というものは生じてない。
考えてもみれば学校は休みであり、ルナたちとも毎日会うわけでもないのだそうなるのもおかしな話ではない。
侵略者との戦いもしばらくなかったせいであえて言うのであれば気が抜けていたともいえるだろう。
だがそんなときに限って物事は悪い風に進むというのが物語の常である。
夏休みも少し進み8月に入ってすぐのことだった。
「ふぅ、夏休みの宿題ってのはどうしてこうもめんどくさいんだろうか・・・」
机に向かって配布された夏休みの宿題を進めながら俺は小さくため息をつく。
俺たちは夏休みではあるが大人たちはそんなものは存在しない。今日も今日とてパパとママは朝から忙しそうに仕事に出ていったせいで現在家の中には俺だけしかいない。
ラクーンも調べ物をしてくると言ったっきりしばらく姿を見せていないので本当に一人である。
まあラクーンに関して言えば神出鬼没なので気づいたら部屋の中にいるなんてこともよくあるので何とも言えないのだが。
昔も今も俺の癖と言うべきか、嫌なものは早々に片付けるという思考の元半分以上仕上がった夏休みの宿題の残りを今日も今日とて仕上げている最中である。
解くのに苦労しないとことと面倒くさいことは比例することはない。宿題を片付けるスピードを落とすことはないのだがそれでも精神的には結構くる。
何か気分転換できればいいのだが趣味といえるものもないせいか色のない生活を送っているような感じになってしまっていた。
朝から宿題をしていたので机の上に置かれた小さな時計を見ればもうすぐお昼の時間に差し掛かる頃になっていた。なんだかんだ言いながら集中すると時間というのは過ぎ去るのはあっという間だ。
「どうすっか・・・食材は勝手に使っていいと言われてるから簡単に料理でもするのもわるくないかもな」
現在のママは料理などに関しては俺のことを信用しているのか好きに使っていいというお言葉をいただいている。
出かけることが多いとはいえまだまだこの周辺の食事できる店を知らないのでもっぱらママが家にいないときは勝手に料理することが最近の定番になりつつある。
椅子から降りて軽く背伸びをすると大きな胸がそれに釣られて揺れる。創作の世界で憧れる存在ではあるがいざ自分がそれを所持するとなるとなかなか複雑な心境だ。
見慣れてきた代物とはいえ慣れないことには変わりない。むしろこの激しく存在をアピールする胸はまだまだ成長の余地があるらしく最近はさらに大きくなり始めているのが悩みの種になりつつある。
「もう少し小さくてもいいんだがな・・・」そんなことをルナなどの目の前で言えば何をされるか分かったものではないので流石に言えるはずもないが。
考えても仕方ないと部屋の扉を開けて廊下に出ようとした。
そんな何度も繰り返した行動が今日は別の結果をもたらした。
扉を開けた瞬間見慣れた廊下が視界に入った瞬間に画面にノイズが走る。
気のせいだろうかと思ったのだが冷房で冷やされていた俺の体がどんどん熱を帯びていくのを感じる。
「っ・・・こんな時に・・・」倒れこみそうになる体を壁によさりかかって必死で抑えながら俺はぼやく
悪いことは油断している時にやってくるというが本当にそうなのは勘弁してほしい。
廊下にある窓から外を見ればあの人気のない裏世界が広がっていた。
「もう二度と出てこないでほしいんだがな」
震える足で外に向かいながら俺は何度目か分からない戦いについてため息を零した。
久しぶりの侵略者との戦いになります。
ちなみに胸のことをルナに言えばサキに飛び火させるので絶対に言ってはいけません




