表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
161/179

159:撮影会

アリス×時計ウサギ

前回着せ替え人形となった時と今回の衣装はまた違うようだ。


今の俺とサキの衣装を簡単に説明すれば不思議の国のアリスモチーフの衣装と言えば伝わるだろうか。


もっともサキがアリスの衣装を身にまとい、俺が時計ウサギの衣装を身にまとっていることについては是非とも抗議の声を上げたい。


黒い上着に赤いネクタイ、下は灰色のズボンと少年よりの衣装に感じるのだが如何せん鏡に映った自分を見ると可愛らしい少女がコスプレをしているようにしか見えないのが悲しい。


サキは屈辱の表情を浮かべながら青いエプロンドレスの裾を皺ができるほどに力強く握っている。


流石にこんな表情で撮影会を行う事はできず何度目か分からない撮影中断の憂き目にあっている。


俺とサキ以外のテンションが高いのがサキの怒りのボルテージを上げていくせいで無限ループのようになっている。


「いや~、ふたりともちっこいから絵本から飛び出てきたみたいに可愛いね!」


自分が着てないから気軽に感想を呟いてくるのだが勘弁してほしい。小道具の一つの懐中時計を見つめ何度目かの深いため息をつく。


「お姉ちゃんもうちょっと顔を緩めないといつまでも撮影終わらないよ?カメラマンさんも困ってるからもっと笑顔を浮かべないとだめだよ」


席を外して近くにいないヒトミさんの代わりにアカリがアドバイスを送るがそれに答えられる余裕があるのならばここまで苦労していない。


涙目になりながらそれでもアカリ相手には睨むことはせず上目遣いになりながら泣き言じみた声を上げる


「ンなこと言ったって・・・こんなくっそはずいの着せられてうま表情作れるわけねーだろ」


サキの言葉に俺は心の中で頷く。俺がサキの立場だったら絶対無理だ。それこそ((彼女))に変わるなんていう切り札を使ってでも打破すべき出来事だと言える。


「とはいってもサキさん。このままじゃ撮影が終わらないのは事実です。少し気持ちを落ち着けてください」


手に持っていた懐中時計を懐にしまいながら俺は両手でサキの両手を包み込むように握る。


「ゆっくり深呼吸を繰り返して、今はこの撮影会を乗り越えることだけ考えましょう」


俺とサキの身長差はサキの方が数cm高い。今もこうやって励ましているが俺の背が低いせいで下から見上げる格好になってしまいどうしても格好がつかないことだろう。


だというのに先ほどまで困惑した表情を浮かべていたカメラマンが水を得た魚なのように何枚もシャッターをきっている。


「え?え?なんでそんな急に撮影開始してるんですか?」


慌てておろおろと周囲を見渡すが助けはこない。ルナに至っては頬を膨らませてそっぽを向いてしまっている。俺が一体何をしたというんだ。


相方であるサキを見つめればさっきまでの怒りの表情は落ち着いているが顔を赤くして俺の方をぼーっと見つめている。


何が何だか分からずにあたふたしているうちにどうやら満足できる写真が撮れたカメラマンからオーケーサインが出てしまった。


どうしてこうなったのか分からないが無事に乗り切れたのは何よりだ。


「なんとかなってよかったですねサキさん。」そうサキに笑いかける。


「お、おう・・・そうだな・・・ほっとしたぜ・・・」ようやく我に返ったサキが深く息を吐く。


なにはともあれ困難は脱出したのでサキから手を放す。その時なぜかサキが残念そうな顔をしていたように見えた気がした。

サキ的には自分をエスコートしてくれる存在って憧れなんですよね。

なんだかんだ少女趣味なので白馬の王子様に憧れているみたいなものです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ