16:反動あるいは反映
良い話と悪い話貴女はどっちを先に聞きたいですか?
僕は良いものは最後に残すタイプです。
俺の言葉にラクーンは残念そうなものを見る目で見つめてくる。
「こちらとしては早々に彼女を受け入れてほしいのだけどね」
ラクーンの言葉にいらつくが戦力として考えたとき今の自分と((彼女))とでは優先順位を考えれば当然の反応だった。
そこに俺の意思やらなんやらを排除すればという文言が入るわけだが、
「冗談じゃない。俺はれっきとした男だしこれからもそれを変えるつもりはない」
また頭が痛む((彼女))からの抗議のつもりなのだろうか。勘弁してほしいものだ。
「それは残念。じゃあいい報告と悪い報告があるんだけどどっちが聞きたいかな?」
いじわるそうな声色でそう尋ねてくる。
どちらにとっていい報告か悪い報告か聞きたくなる気持ちをぐっと抑えた。
この状況下でそう聞いてくるということは絶対にろくでもないと思えたからだ。
「・・・どっちも聞きたくはないが・・・先に嫌な方から聞いておこうか」
嫌な2択を消去法で選ぶことほど疲れることはない。
どちらをとろうときっとろくでもない話になるのだろうなと覚悟を決める。
ラクーンとしては選ばれた方に関して少し驚きながらも言葉を噤む。
「あの場所で起こることはこちらに何も影響を与えないといったことを覚えているかね?」
それに対して頷く。あそこで建物が壊れようが何をしようが影響がないそうこいつは言った。
「唯一の例外は侵略者たちなんだけどまあそれはこの際置いておこう」
「だけど疑問に思わなかったかい?壊れたものがこちらになんの影響もなく元に戻ることに」
「彼女たちが戦った痕跡も、侵略者が壊した建物もあの世界から戻るとなかったことになる」
「そういうものと何の説明がないのはゲームの中だけのことだよ。この世界ではちゃんと理屈の上でなりたっている」
そう言ってどこから取り出したのだろう眼鏡をかけるラクーン。
まるで授業でもするかの様子に((拍手が))ため息がでる。
「簡単に説明すると君たちの世界が被害を"調整"している」
「整える・・・と言った方が正しいかもね。この世界に暮らす人々のために世界全体がその被害をなかったことにするために世界を整えるんだ」
「これを世界の修正力と呼ぶ。あの世界の夜が明けるとそれに合わせて世界はその認識を修正するんだ」
「侵略者が負ければそんな存在はいなかったという結果だけが受け入れられる」
「・・・逆に侵略者が勝てばこの世界に侵略者が現れるっていう風に世界が修正されると」
勝ち続けるしかない綱渡りのようなものだ。
一歩間違えればこの世界は映画や漫画の世界に早変わりするのかと思うと笑えない
「その通り。これまでは彼女たちが勝ち続けてきたからなんの問題もなく世界は回ってこれた」
「しかしここにイレギュラーな君の存在が現れた。」
「一種の特異点に関して世界は安全装置をつけることにしたんだ」
「それが君の体についた鎖の痕の正体だよ」
自分の体を眺める。今もうっすらと体に残り続けているその痕を忌々し気に眺める。
「悪い話というのはその安全装置がすべて消えない限り彼女が覚醒できないということさ」
それは俺にとっては良い話でラクーンにとっては嫌な話だった。
説明回はどうしても文字数が多くなってしまいますね。
基本的には1ページ1000文字位で納めるように努力しています。
あんま文字が多すぎても読みにくいでしょうし・・・
後2ページくらいで章区切りの予定です。そこまで更新し続けてしまいますね




