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15:目覚めあるいは眠り

恥ずかしくて死にそうなんてのはよく聞く言葉だ。

黒歴史からは目をそらしたいのも当然だ。

だが逃げていてはいずれ足元を掬われることだろう。

後悔したくなるほどの行動を人は黒歴史と言うらしい。


そうすると先ほどまでの自分の行動は自分にとってはまさに黒歴史と言わざるを得ないだろう。


自分のベットの上で目覚めたときにいの一番に出てきた思考がそれであった。


忘れたいと願うほどの行動の数々・・・誰か記憶を消す機械でも貸してくれないだろうか。


いまだに痛み続けている頭を押さえつつこれからどうしたものかと頭を悩ませる。


そんな俺の思考とは真逆に大層ご機嫌な様子のラクーンが俺の肩に手を置く。


「いやはや、君の活躍は想像以上だよ。満点と花丸を上げたいほどだ」


今の俺はこのラクーンを殴る権利は絶対にあるはずだ。


横なぎにこぶしを振るうがラクーンは体をひねりなんなくその攻撃をかわす。


「おっと、暴力はいけないよ。ラブアンドピースというやつだ。平和的にいこうじゃないか」


先ほどの戦いで途中からいなくなっておきながら要領の良いことをほざきやがる。


「うるせー!殴る権利は俺にはあるはずだ。」


ラクーンは肩をすくめる。


「君の意見はもっともだ。だけどもあの場面ではあれが最善だった。」


「少なくとも君の力がなければ彼女たちの生命はあの場所で尽きていた」


「それは君も理解できるだろう?」


ラクーンの言葉にぐうの音も出なかった。


自分ではない自分が接した明るい彼女たち。そんな彼女たちの命はあの場所で尽き欠けていた。


ああだこうだ文句を言うが彼女たちを助けれた・・・それだけは喜ばしい事実であった。


だがだからと言って((彼女))の存在は到底受け入れられるものではない。


それとこれとは話が別というものだ。


「・・・分かっているさ。だが・・・あんなのは俺じゃない」


そう言葉を放つと余計に頭が痛む。


聞こえるはずのない((彼女))のため息が聞こえてくる。


まるで俺を責めるかのように・・・それはお門違いにも程がある。


「二重人格というべきか別側面というべきか・・・少なくとも彼女は君だろう?」


「侵略者の戦いにおいて彼女の圧倒的な力は必要不可欠だ」


「君が望もうと望まなかろうとそれは変わらないよ」


そう、それが一番の問題。


ルナたちを助けたいという思いはラクーンと俺で一致している。


しかしながら侵略者と戦うためには女になり((彼女))に体を明け渡さないといけない。


戦っている間に俺ができることはない。ただ画面の向こうで映画を見る観客にしかなりえない。


いや、観客と言うにはいささか意識があやふやだ。うたたねで眺めているという方が正確かもしれない。


戦える力があるのは嬉しいが((彼女))の存在がネックとなる。


今は眠っているようだが侵略者との戦いを経て認識できるようになってしまった。


いつか((彼女))と俺が入れ替わるかもしれない・・そんな想像に思わず身震いしてしまう。


だからこそ言葉に出さないといけないと俺は感じた。


「俺はヒロインなんかにはなりたくないんだよ!」


そう心の奥底から思う。



彼女が眠り彼が目覚めるお話。

お互いがお互いを認識しているがその思考は水と油。

彼が受け入れない限り、彼女が本当の意味で目覚める日は来ないのかもしれませんね。

本日の更新はもう少し続きます。ストックを少しずつ作りつつ投稿ペースはこのままでいく予定です。

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