151:姉妹コーデ
姉妹コーデ()
「さいっこーに可愛いよはーちゃん!!やっぱりはーちゃんは何着ても似合うね!!!」
ルナがテンション高く叫んでいるが俺としては死にたいくらいの感覚だ。
所謂ゴスロリ風ドレスと言うべきだろうか、今の身長と合わせても大きな人形みたいに見えるのがなお最悪だ。
サキに連行される形で家に着いた俺をヒトミさんはたくさんの服を持って出迎えてくれた。いや、待ち構えていたと言った方が正確だろうか。
俺の拒否権なんてものは無視されてアカリとルナの手により服を脱がされて着せ替えをされて本当に嫌になってくる。
「くっそ動きにくいし暑苦しいんだよなぁこれ。ユイがいなかったらまじで耐えられなかったわ」
深いため息をつきながら俺と色違いのドレスを身にまとっているサキ。隣に並んで立っていると姉妹人形のように見えてしまうくらいには俺に見劣りすることなく似合っている。
「お姉ちゃんもすっごい似合ってるよ。ユイちゃんと姉妹みたいに似合ってるよ」
ブレーキ役になれるはずのアカリですら今は姉に見とれているようで救いは期待できそうにない。
「いいっすねいいっすね!ヒトミさんのモチベーションがぐんぐん上がってくるっす!」
今回の元凶であるヒトミさんはこの中で一番生き生きと新しい服をどんどん持ってきている。
既に何着着たのか分からないほどに着替えているのにまだ着替えないといけないのかと思うと夢も希望もあったものではない。
隣に座って疲れ切っているサキに今は同情というべきか同類としての親愛さえ感じる。
それはサキも同じなのかルナもアカリも頼れない状況下では俺だけが心の支えのようになっているようだ。
ドレスの下で隠された空間でいつの間にか俺とサキの手はしっかりと繋がれていた。
どちらからというわけではないが無意識のうちに助けを求めるかのように俺たちは手をぎゅっと握りしめていた。
それからどれほど着替えを行ったのか分からないがようやく落ち着いた頃には俺もサキも疲れ切って床に倒れこんでいた。肉体よりも気疲れの方がでかすぎる。
俺とサキ以外の3人はこちらと異なり艶々しているのが憎たらしく感じる。
「もう二度と協力なんかしたくねーわ・・・」
「全くです・・・二度目は勘弁してほしいですね」
今日一日だけでサキとの心の距離がぐっと近づいているように感じる。吊り橋効果というやつか、同じ犠牲者だからの同感なのかは分からないが。
「いや~感謝するっすよ。それじゃ当日はよろしく頼むっすね」
そう、今日は本番ではない。本番は明後日であり逆を言えばこの地獄はまだ続くということだ。
俺とサキは寝転がった状態で器用に顔だけ動かして二人同時に深いため息をついた。
サキには姉妹コーデって説明していますがヒトミさんは確信犯です。




