141:穴場スポットにて
花火なんて久しくしっかり見てないかもしれない。
ルナに案内される形で神社の奥へと進んでいくと人気はどんどん少なくなりやがて0になった。
歩くと言っても5分くらいだろうか。ようやくたどり着いた場所には大きな蔵と古びたベンチがあるだけの殺風景な風景がそこには広がっていた。
「とうちゃーく。ここ物置スペースになってるから人なんてめったに来ないんだ。」
ルナは物置と言っているが蔵の近くにはいつから置かれているのか分からないほどボロボロの荷車などが置かれているのでよく言っても廃棄物置き場と言った方が正しいかもしれない。
幸いにもやぶ蚊やら蛇やらの類はいないみたいなのでそこは安心だ。
流石にそのまま座るわけにもいかないのでアカリや委員長が持っていたハンカチやらタオルやらを敷いてからその上に座る。俺やサキの体格が小さいおかげか5人でもなんとか座れる程度のスペースはあった。
最もそこまでスペースに余裕があるわけでもなく少しでも動けば腕や肩が隣に座る人に当たるくらいには余裕がない。
俺の隣に誰が座るかで少々もめたが最終的には左端からルナ、俺、サキ、委員長、アカリという順番になった。
委員長の隣に座ることになったサキは苦い顔をしていたが俺の隣に座るということでその溜飲を飲み下していた。
一方嫌な顔をされた委員長はそんなことは露知らずデレデレと緩んだ顔でサキの隣に座っている。そういうところをもうちょっと抑えることはできないのだろうか。
一番端に座ったアカリが上を見上げて驚いた声を上げる。
「わー、すっごく綺麗に空が見えるよ」
そんなアカリの声に従って上を見上げればちょうど円形に木を切りそろえたのだろうこの空間のおかげでなんの邪魔もない空を見上げることができていた。
「こんなに綺麗に空が見えるなんて本当にいい場所を案内してくれてありがとうございますルナ」
先程までよりましになったとは言え今でもルナの顔を見るのは少々恥ずかしい。少し視線を反らしながらルナに告げるとルナもまた顔を赤くしながら返事をする。
「え、えへへ。そっかな~どういたしまして」
そんな俺たちの間に流れる妙な空気に気づかないわけがない。ほかの3人からの追及するかのような視線を感じる。
「怪しいですわね・・・ルナさんはともかくユイさんまで様子が変ですし」
「あの演舞が終わってからだよな?ぜってー何か隠している気がする」
「ルナちゃん、ユイちゃん。正直に話してくれるよね?」
3人からの追及に俺たちはしどろもどろになる。特にルナなんかは嘘をつけない性格なのでこのままでは絶対に暴露してしまうだろうと断言できる。
もはやこれまでと腹をくくりかけた時、静寂を切り裂いて夜空に大輪の華が咲いた。
「そ、その話は後!花火始まっちゃったよ!」
自分から期限を作るなんてと頭を痛めるが今はとやかく言ってもしょうがない。
ひとまず追及は収まったので俺たちは静かに夜空の花火を見学することにした。
ルナもユイも隠し事は苦手です。
ユイは本当の隠し事を隠すのは上手いのですがそれ以外が少々抜けています。




