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139;大親友

まだママ友


練習場の中に入るとすでに着替えを終えていたアカリが冷えた飲み物を持って出迎えてくれた。


「おかえりユイちゃん。後はルナちゃんとユイちゃんが着替えたらお祭りに参加できるよ」


「すいません。パパたちの様子を見ていたら遅くなりました。お待たせして申し訳ありません」


謝罪をしてから室内を見渡せばすでに着替え終わったサキと委員長が少し気を抜いて休んでいるのが分かる。


裏方とは言え周囲の様子を伺いながら音楽を奏でるのは気疲れが半端ないものだろう。


普段は俺を気持ち悪い視線で見つめている委員長も今は空気を読んで大人しくしている。


部屋の中央ではユエさんとママがてきぱきと協力しながらルナの着物を脱がしている。


あの演舞の終わりからどうもルナの顔を見ることができないがルナもそれは同様なのかこちらに気づくが顔を少し背けて大人しく服を脱がされている。


そんなルナの表情の変化に気づいたユエさんがにやにやと笑みを浮かべながらこちらに視線を向けてくる。


ルナの背後で服を脱がしていたママは変化に気づくことはなく頭に?を浮かべているのが分かる。


「ん、おかえりユイちゃん。お疲れ様。すぐ着替えするから少し待っててね」


ママからの簡素な言葉が今はありがたい。色々言いたいことはあるのだろうがそれは後に回すようだ。


「主役のお帰りやね~。ほんま助かったわ~。ユミちゃんもおおきにな」


ルナの着替えを終えて少し背伸びをしてからユエさんが声をかけてくる。


「4人も着替えを手伝って手際が良いんですね。ママとも息ぴったりですし」


そそくさとこちらに仲良く近づいてくるママとユエさんに俺は声をかける。


「そら学生時代からの大親友やさかい。ね~ユミちゃん」


「ん。ユエちゃんは私の一番の大親友。学生時代いっぱい助けてもらった」


器用に俺の服を脱がしつつママに抱き着いているユエさんを優しい顔でママが頭を撫でる。


普段は大人っぽいユエさんがママの前ではどうも少し幼く見えてしまう不思議な光景が広がっている。


「ユミちゃんが外国に行って寂しかったけどこうやってまた会えてとても嬉しいわ~」


普段見たことのない満面の笑みでママに抱き着いているユエさんの様子からも今再び会えてとても嬉しいことが良く分かる。


「ん、これからはママ友になるからちょくちょく会えるんだから大げさ」


相変わらず無表情ではあるのだがその口調の端々から喜びが隠し切れないのがママの良いところだ。


「ママ友どころかもっと深い関係になりそうやけどままええわ。ほら、着替え終わったさかい祭りいってきなはれ」


ユエさんの言葉に再びママの頭上に?が浮かぶがそれに関しては俺としてはノーコメントである。


少し不機嫌そうなアカリとサキに両腕をがっしりとホールドされ引きずられるように部屋から出ていく。


そんな俺の少し後ろを複雑な表情のルナと委員長がついてくる。


俺はユエさんに釘を刺す様に少し視線を向けるが自然な動きで視線を反らしてママと楽しそうに会話を続けるユエさん。


それ以上の追及をすることはできず俺たちは祭りの喧騒へと繰り出すのだった。

ママもパパもまだ娘の現状には気づいておりません。

モテすぎた影響で自分たちだけでは娘の恋愛事情に気づくことはないと思ってください。

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