132:ご褒美
けっかはっぴょー
それからの日常に関してはとにかく言うことはないだろう。普通に学校に行って放課後は演舞の練習を行う。それが一種のルーチンワークになっていた。
演舞の件に関してパパとママに話したら当日は何があっても絶対参加すると意気込んでいた。
ママはユエさんに電話して感謝の言葉まで伝えていたのでその喜びようが分かることだろう。
さて、祭りの前に片付けておかなければいけないことがある。
「それでは~先日行ったテストを返却しますよ~」
そう、当然先日行ったテストというイベントの後処理である。
俺にとって今回のテストに関しては特に問題はない。多少ケアレスミスをしたかもしれないがそんなものは些細な問題にしかならない。
重要なのは今回のテストで3人に課した課題をクリアしているかどうかということである。
あの時勢いに押されて約束した以上達成した場合はそれなりのことをあの3人に返してあげなければならない。
自分の成績よりも今はほかの3人の成績の方が気になって仕方ないところだ。
教室のあちこちで歓声と悲鳴が聞こえてくる中そんな様子を眉を顰めつつ見つめながら委員長がこちらに近寄ってくる。
「今回はどうでしたかユイさん。姉として妹の成績の確認に来ましたわ」
どうやってもこの人の頭の中では俺は妹らしい。その態度に頭を痛めつつ黙って成績を委員長に見せる。
「くっ・・・私が勝っている教科が一つもないじゃないですか。これじゃあ姉の威厳がなくなってしまいますわ」
膝をついてうなだれているが委員長の成績だって決して悪いものではない。むしろ今回に限って言えばこの教室の中では俺に次いで2位の成績を叩き出しているのだ。
「いえ、何度も言いますけど委員長は姉じゃないですから。それにそちらの成績も悪いものじゃないですよね」
俺の言葉に涙目になりながらも委員長は反論する。
「いいえ!ユイさんが妹である以上私が姉なのは明白な事実!」
「姉より優れた妹は存在してもいいのですがそれでも負けて悔しくないわけないじゃないですか!」
その理論に関しては納得できないのだが素直にこちらの成績を褒めてくれる当たり悪い人ではない。
悪い人ではないが変態だというのがとても惜しいところだ。
そんな風に委員長と話しているとルナとアカリがこちらに近づいてくる。
二人の表情は笑顔と少しの安堵が見て取れる。どうやら俺との約束は達成したみたいだ。
「ふっふっふ、これを見よはーちゃん!」
自慢げに見せてきたその成績は威張れるほど良いとは到底言えない。
最下位あたりから真ん中の少し下位まで上がったと言えばその幅は広く感じるだろう。
俺が教えた英語や国語は平均点を超えているが数学や理科の点数が絶望的なため今回の位置になったようだ。
「やはり上がり幅がすごいですねやればできるじゃないですか夜桜さん」
俺の誉め言葉にルナが不服そうに口を膨らませて返答を返さない。
俺は少しだけ息を吸って気持ちを整えてから彼女に対するご褒美をあげることにした。
「よく頑張りましたね"ルナ"」
俺がそう呼ぶとルナは満面の笑みでこちらに微笑みかけるのだった。
ルナの成績は壊滅的なので少し努力すれば上がり幅がすごいことになります。




