131:共同作業
青春ですね
妖の存在が気になるくらいで物語としてはありきたりな方に入るんじゃないだろうか?
困っている人を助ける存在がいて、神の存在があって、道徳的な物語のように感じる。
「にひひ、やっぱり物語はハッピーエンドが一番だね。」
結末が自分のお眼鏡にかなったのかルナは少し上機嫌そうに話している。
「ですけどこれ話的にユイさんとルナちゃんが最後結婚する話になってないですか?」
複雑そうな表情をしたアカリがそう告げる。確かに話的にはそれが自然な流れだろう。
「お話てきに異邦人が男性で巫女さんが女性ですからユイさんが夫でルナさんが嫁ですわね」
至極冷静に委員長が分析した結果を話す。そんなこと言われてどんな反応をすればいいんだ。
「こいつが嫁?ないない。ユイの方がまだ女子力高いから逆ならまだしもな」
サキが鼻で笑いながらそんなことを言うのでルナは頬を膨らませてサキを睨みつける。
「むぅ~いいも~んだ。たとえどんな関係でも今回の演舞でははーちゃんと結婚するのは僕だもんね~」
結婚するとは物語に書かれていないのにどうやらルナの中では結婚することが前提のようだ。
「しかしいいのですか?本来これって男性が異邦人役をやるんじゃないでしょうか?」
話の流れ的にユエさんに一応確認を入れる。しかし踊ってみた感じ的にはどうも違和感があるのが否めない。
俺の疑問にユエさんは問題ないという表情をしてから口を開く。
「ええんやよ。今回の踊りは男でも女でもおんなじ踊りになるさかい」
そんなことあり得るのだろうか?男と女では色々な違いから同じ踊りでも与える感覚がまるで違ってくる。
ましてや演舞となると同一なんてことはあり得ないとさえ思ってしまう。
しかし俺が踊ってみた感じなぜか知らないが違和感を一切感じることなく踊りきることができてしまった。
これは一体どういうことなのだろうか・・・思考の海に沈みそうになっていた俺をサキが頭を撫でてきたせいで強引に浮上させる。
「ま、どっちにしろ大役だな。今から本番が楽しみじゃないか?」
歯を見せながら豪快に笑うところが年上の魅力というものを感じるところだろうな。
「ふふ、妹の晴れ舞台ですもの。楽しみじゃないわけはないですわね」
委員長もその光景を想像して頬を緩めながら頷く。
「だね。難しいけどでもこれってすごくいい思い出になると思うんだ」
アカリも笑いながら肯定する。そうか、よく考えればこれは友達との共同作業というやつか。
にししと笑いながら寝転がったままの俺にルナが手を伸ばしてくる。
「最高のお祭りにしようねはーちゃん」
指し伸ばされた手を強く握り返して俺はルナの言葉に頷くのだった。
みんなでわいわいと練習するってのは得難い経験ですね




