128:当然の帰結
そりゃそうなるでしょ
仕事を引き受けたのは良いのだがそこから問題が発生してしまった。
「せやからこの中から演舞をやるのが1人、後の3人は演奏役になるんやえ」
サキ、アカリ、委員長、俺の視線が重なる。誰を演舞役に押し付けるかの攻防がそこにはあった。
「やっぱりこういうのは背が高い方が良いだろ。アカリみたいに体格がしっかりしている方が見栄えもいいだろうしな」
普段は仲がいいのにこういう時にサキは速攻で妹を売りに行った。
「え~、でも私運動神経良くないからお姉ちゃんみたいな運動神経の良い人がやるのが一番だと思う」
サキの攻撃を華麗に受け流しながらアカリもまたサキに押し付けに向かう。
「私としては妹の晴れ舞台ですのでここはぜひともユイちゃんにお願いしたいところですわ」
欲望塗れの要望を口に出しながら息を荒くした委員長がこちらを見つめてくる。
「勘弁してください。そんなことを言う委員長こそ妹に押し付けないで率先してやってくださいよ」
誰だって目立つのはごめん被る話だ。俺たち4人に緊張が走っている。
「う~ん、せやルナちゃん。あんさんの相手役やから自分で決めたらええんやで」
ユエさんが余計な一言を呟く。その瞬間4人の視線が一気にルナへと向かう。
全員口に出さなくても分かっているよなと言いたげな目でルナを見つめる。
「え?僕が決めていいの?それだったら一択じゃん!」
にっこにこの笑みを浮かべてルナはこちらに近づいてくる。やめろこっちくんなあっち行け。
俺の祈りは神様に届くことはなく絶望した表情を浮かべる俺の肩をルナは元気よく叩く。
「二人の初めての共同作業だねはーちゃん!」
にっこりと笑顔を浮かべたルナの表情が今だけは死神に見える。
「いや~残念だが頑張れよユイ。後お前ら夫婦じゃねーからな」
サキが頭を撫でながら残念そうに感じない嬉しそうな声を上げる。
「そうだね。でもせっかく選ばれたんだから頑張ってねユイちゃん」
こういう時助けてくれそうなアカリも今回ばかりはそそくさと俺から距離を取りつつエールを送る。
「はぁはぁ、妹の晴れ姿。これはしっかりと映像に収めませんと・・・」
欲望に忠実な委員長は今から当日の様子を想像して恍惚の表情で息を荒げている。
俺だけが乾いた笑みを浮かべて未来の自分を想像して頭を痛めている。
「ほな決まったらさっそく練習しよか~。ふふ、ゆみちゃんの娘さんの晴れ姿見られて嬉しいわぁ」
ルナと同じように嬉しそうな笑みを浮かべながら手を叩いて先を促すユエさん。
期日まで時間がないので急かすのは分かるがその手に持っているハリセンはなんなのだろうか。
「びしばしやるさかい、気合いれや二人とも」
さっきの困惑顔から一転とてもやる気に満ちた笑顔を浮かべているユエさんの後ろに鬼の姿を見た気がした。
ルナが相手役の時点でユイには逃げ場なんてありません




