124:神社にて
神社で筋トレしていたら目立ちますよね
ルナの必死の頼み込みに応じる形に俺が頷くと委員長は俺が参加するならと欲望を隠すことなく参加を表明した。
テストが終わった次の日アカリに誘われたサキも引き連れてルナの家へと俺たちは徒歩で向かっていた。
サキと俺がいるのが大層嬉しいのか本日の委員長はとてもひと様に見せれない笑顔を浮かべているのが気色悪い。
そんな委員長から少し距離を取りつつルナの案内に従って歩いていく。
住宅地の真ん中に場違いなほどの大きさな神社が鎮座しているのを見て俺は目を丸く見開いた。
「思っていた以上に大きいですね。夜桜さんの家はかなり格式が高いんですか?」
目の前には大の大人が10人以上横に広がっても問題ないほどの門扉が聳え立っている。
俺の問いかけに笑いながら首を横に振るルナ。
「違うよ。元々はお父さんの親戚が管理してたんだけど高齢化で後継者がいなくなったんだって」
「でも歴史があるからだーれも引き受ける人がいなかったからお父さんが継いだんだ」
歴史ある建物を管理しろと言われてすぐに頷ける存在は少ない。財産にはなるだろうが面倒くささの方が勝るのだろう。
「まあこれだけ大きければいろいろ手続きも大変ですからね。資産は大きければいいというものではありませんから」
やけに大人な発言の委員長だがその視線は常に俺かサキに向けられているので威厳も何もあったものではない。
サキも流石に俺やアカリの同級生の手前怒るに怒れないのか頭を乱雑に搔きむしっている。
「こっちからすれば馬鹿でかい遊び場って感じだからそんなこと考えたこともなかったな」
「よくアカリとか迷子になったから探すのくっそ大変だったし」
「お、お姉ちゃん!?今それは言わないでもいいじゃない。それに今は迷子になることないもん!」
自分の過去の失敗をいきなりばらされてアカリは頬を膨らませてサキに抗議の声を上げる。
「では今後も迷子にならないように手でもつないでおきましょうか」
そういって俺がアカリの手を握ろうと手を差し伸べればアカリもそれを拒むことなく受け入れる。
「私の妹がなんてかっこいいんでしょう・・・げへへ・・」
乙女が出してはいけない笑い声をあげているが無視だ無視。感情を殺して門扉の中に入れば広大な敷地内に奇麗に砂利が敷かれ、石畳の上にはゴミ一つないほど丁寧に整備されている。
「これだけ広いと掃除も大変そうですけど手入れがきちんと行き届いていますね」
「毎日掃除するのは大変だけどね~。え~っと多分近くにお父さんがいるはずなんだよね」
きょろきょろと右手で庇を作ってから周囲を見渡していくルナ。
「これだけ広ければ人を探すのも難しいで・・・ちなみにつかぬことをお聞きしますがあそこにいる上半身裸の人がまさか探している方ではないですよね?」
先ほどまでご機嫌に笑っていた委員長が一瞬絶句した後さび付いたロボットのようにその対象に指を向ける。
「上半身裸って何を言っているんですか委員長。そんな変な人いるわけ・・・」
喋りながら委員長の指の先を見て俺もまた絶句した。
そんな俺たち二人とは対照的にルナたちには見覚えのある存在だったのだろう反応が返ってくる。
「相変わらずおまえんとこの親父さん目立つよなぁ」
「あはは・・・流石に慣れたけど最初は困惑するよね」
「あそこで筋トレしているのが僕のお父さんだよ」
その返答に俺と委員長は言葉を失ってしまった。
パワー系のお父さんです。物理で熊とか倒せそう




