119:彼女の存在
るなちゃんからは逃げられない。
「どっちと言われましても・・・何を言いたいのか分からないんですけど」
俺がそう答えるとルナは頭に?を浮かべたような表情で困惑していた。
「ん~こういう時はどういえばいいのかな・・・あれだよあれ!もう一人の僕的なやつ!」
なんでこの場面でそんなセリフが出てくるんだ。いや分かる俺もあれだが・・・
「最初ははーちゃんがかっこつけてる!って思ったんだけど匂いが違うんだよね~」
「に、匂いですか?そんなに私匂いますか?」
自分の体臭というのは自分では気づきにくい代物だ。サキとアカリは気を使って言わなかったのかと慌てて自分の匂いを確認するがやはり自分では分からない。
「あ、ごめんごめん!はーちゃんが臭いわけじゃないんだよむしろめっちゃいい匂いで僕的には大満足!」
びしっと親指を立てて合図をするがその言葉にどう反応すればいいんだ!?
「じゃなくて!ええっと気配というかまとっている空気が違うみたいな感じ?」
気配とはまた曖昧な表現だ。苦笑いを浮かべながらルナを見るが内容はともかくとして顔は真剣そのものだ。
「はーちゃんは自分の意思を貫くって感じで、えーっとあっちは・・・めんどうだからゆーちゃん!」
「ゆーちゃんは自分の道を切り開くって感じ!遠いようで近い感じ!」
ルナの言葉に俺は顔をしかめる。((彼女))と近いと言われても嬉しくはない。あんな真逆の存在は近くにはいてほしくはないからだ。
しかしながらルナの分析はなかなかに恐ろしい代物だ。語彙力が少ないせいであれだが本質はきちんと捉えている。
「・・・どうしてそう思ったんですか?」
「勘!なんとなーくこんな感じかなって思ったんだ。僕の勘は鋭いって評判なんだ」
これが思考と分析の果てでの結論でも恐ろしいのに勘で当てられてはたまったもんじゃない。
推理物で犯人を勘で当てられてしまったかのような理不尽な力に正直恐怖している。
「はーちゃんとゆーちゃんは根元はそっくりなんだよね。自分の信念を曲げない感じ。僕そういうの大好きなんだよね!」
まあルナの性格的に恋愛ものよりも熱血のバトル物が好きそうなのは理解できる。
だがあれとそっくりと言われるのは納得できないので抗議の声をあげておく。
「あれは・・・あんなのは私じゃありませんから」
少し拗ねたかのような感じでついつい声を出してしまう。俺的には心底認められないのだがそれでも嫌いにはなれないのが複雑なところだ。
「それに質問の答えにはなっていませんよ。夜桜さんは一体何を言いたいんですか?」
話がそれてしまったが最初の出発点はそこだ。そこを確認しないことには先に進めない。
「そうだった!ん~とこれは僕の勘なんだけどね」
本当に便利だなルナの勘というやつは。
「はーちゃんはゆーちゃんのことどうしたいの?」
考えたこともなかった問いかけをルナから投げかけられた。
ルナはヒロインというよりは主人公って感じです




