115:パパの話
白馬の王子様
「3人ともちゃんと捕まえてないとダメっすからね。じゃないとすーぐ誰かに取られちゃうっすから」
俺には理解できない内容だが3人には理解できているのか深く頷いている。
というか俺を逃がさないかのようにルナが俺に抱き着いているせいで身動き取れないでいる。なぜなんだ?
「まあユミ先輩とユエ先輩の関係はだいたい今のルナちゃんとユイちゃんみたいな関係っす」
俺とルナの関係と言われてママもだいぶ苦労したんだろうなと思わずにはいられない。いかんせんボディータッチが激しいので対応に困るというものだ。
「んでんで、ユミ先輩とユエ先輩が卒業する年にユイちゃんのお父さんであるイザーク先輩が短期留学でやってきたっす。」
「や~すごかったっすよ。もうモテモテ。ほぼ全女子が狙っていた感じっす。ユミ先輩とユエ先輩以外は常に注目していたっす」
パパはそこまで詳しくは言ってなかったが話ぶり的に相当モテていたのは事実のようだ。
「まあはーちゃんのお父さんならそりゃすごいモテそうだよね。むしろお母さんが興味なかったのは意外」
「後で聞いたっすけどその時にはもうルナちゃんのお父さんとお付き合いしてたらしいっすからね」
「それを知った男性陣が阿鼻叫喚の地獄絵図になったっすけど」
みんなのアイドルが誰かのものになると発狂するというのはテレビなんかでたまに見る話題だ。
「当時のイザーク先輩は絵本の中の王子様っていうか。世の女性が望む王子様が目の前にいるっていうんで競争率半端なくて男性からはめっちゃ嫉妬されてたっすね」
今でさえ紳士的なパパが白馬の王子のような対応をすれば恋に恋する少女たちにとっては劇物以外の何物でもなかっただろう。
「もともとルナちゃんのお父さんとイザーク先輩が友達だったんで卒業する1年間だけ別の学校からうちらの学校にやってきたんすよ」
「そこでユミ先輩に会って、ひとみさんはあの時初めて誰かが一目惚れする現場っていうのを見たっすよ」
「そっからはほぼ毎日イザーク先輩がユミ先輩に猛アタックっす」
ひとみの話にサキは珍しく目をキラキラさせて聞き入っている。ただ俺としては正直恥ずかしい。
親がモテる話くらいはまだいいが親の恋愛事情までは流石に聴きたくはない。
だが俺の願望は少女たちのコイバナを求める力の前では無力だった。
「そ、それでどうなったんですかお母さん」
「実はひとみさんも詳しくは知らないんすよ。しばらくユミ先輩に塩対応されてそれでもめげずにイザーク先輩がアタックして」
「気づいたら冬休み明けに付き合っていたっす。そっからは毎日イチャイチャしてたっすけどね」
そのイチャイチャの結果俺が生まれたのだから感動的な話なのだが恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
ルナなんかにやにやしながら俺の頬をつんつんと突いてくる。勘弁してくれ。
ユイのお父さんイザークという名前になります。
日本名はまたちょっと違うのでそれは別の話で




