114:ママの話
こんな恥ずかしいことできるわけないじゃないですか(棒)
「優実先輩はひとみさんが会ったころはクールで物静かって感じでしたね」
そう言って自分のスマホを操作してひとみさんが一枚の写真を見せてくる。
写真にはどこからどうみても俺にしか見えないママが静かに窓辺で本を読んでいる姿が隠し撮りかのように映っている。
なるほど確かにこの写真を見れば俺とママは瓜二つであり、姉妹と言われても違和感はないだろう。
「うわ本当にはーちゃんそっくりだ!?全然見分けつかない!?」
「これ双子って言われても信じるレベルだろ・・・まあユイの方が表情豊かだけど」
「でもたまーにこういう表情するからその時は本当にそっくりだよね・・・」
3人とも食い入るように写真と俺とを交互に眺める。((彼女))の時の記憶は俺には曖昧だがそのたたずまいはどうもママからの遺伝なのかもしれない。
「当時はユミ先輩とルナちゃんのお母さんの夕映先輩の二人が学校の中での2大美少女だったっすね」
「え~うっそだ~。僕のお母さんなんて怖いし厳しいから絶対はーちゃんのお母さんの方が人気だよ」
ルナにとっての母親はどうも厳しい存在らしいのでひとみさんの言葉にはにわかに信じられないらしい。
「ひとみさん的にはユミ先輩派っすけどその時は結構少数派でしたっすよ。だいたいはユエ先輩派っす」
「そりゃまた謎だな。ユイそっくりならそっちの方が人気になりそうなのにな」
サキが俺に変わって素朴な疑問をぶつける。アカリも同意なのか小さく頷いている。
「ユイちゃんもそうっすけどユミ先輩も見た目が目立つっすからね。男性人気は圧倒的にユミ先輩で女子人気はユエ先輩だったっす」
「あー・・・ママ見た目でいろいろ大変だったってよく言ってましたね」
「共学っていうのは良くも悪くも男性人気の女子というのは好かれないのでユミ先輩友達少なくてだいたいひとみさんかユミ先輩と遊んでいたっすね」
ママの人柄的に友達の数もなんとなく深く狭くというイメージが湧いてくる。少なくとも多くの友達に囲まれていると言われても正直ピンとはこないだろう。
「基本的には塩対応なんすけど一度親しくなってしまうとやばいっすね」
「そのころにはひとみさんはアイさんと付き合ってたんで問題なかったっすけどそうじゃなかったら沼るっす」
沼るとはなんだ沼るとは。ママは一体どんな手練手管を使っていたというのだ。
「言葉は少ないんすけどこっちの身に寄り添ってくれたり、慰めてくれたり、あれっす。欲しい言葉を欲しいときにくれる感じっす」
「すごいですねママ。私はとてもじゃないですけどできそうにないです」
あの表情を表に出さないママがそんなことをしているなんて俺にはとても真似できない。
そう思ったことを口に出しただけなのに3人から信じられないものを見る目で見られる。
「・・・これはあれだね・・・」「ああ、間違いないな」「ちゃんと遺伝されてますね・・・」
3人が呟く内容がいまいち理解できなく頭の上に?を浮かべる俺。
そんな俺たちを眺めながらひとみさんはぼそりと呟く。
「そんなところまでユミ先輩そっくりとか・・・遺伝ってやばいっすね」
ユイの母親とルナの母親の名前をはじめて出しました。
ユイはきちんと両親の遺伝子を継いでいるのがよくわかります




