113:親睦
親の昔話
「うぅ、ひどいっすよサキちゃん。お母さんそんな暴力する子に育てた覚えないっすよ」
叩かれた部分を撫でながらよよと泣きまねをしているひとみさんを赤面の状態のサキが睨みつける。
「おふくろが変なこと言うから悪いんだよ!これに懲りたら変な事言うなよ!」
ふーふーと息を荒げながら興奮したように叫ぶサキとは対照的にアカリはまた黙りこくりながら俺の服の袖をつかんで離そうとしない。
「やれやれ、そういう手が早いところとか感情が表に出やすいのは姉さんそっくりだよ」
アイさんもまた殴られたところを撫でつつ二人を見ながら苦笑いをする。
「にしても二人にこれだけ好かれるなんてやっぱり先輩そっくりっすね~」
「先ほどから何度も言われている先輩って・・・もしかしてママのことですか?」
ぐだぐだになりそうな空気の中で気になっていることについてひとみさんに質問してみる。
俺の質問にひとみさんは大きくうなずき肯定の合図を送る。
「そっすよ。アイちゃんから話は聞いてたっすけどユイさんは本当にお母さんそっくりっすね」
「改めて見ても昔の先輩そっくりすぎて最初は先輩が小さくなったと思ったっすよ」
ひとみさんの返答に興味を持ったのかアカリもルナもサキもじっとひとみさんを見つめる。
「へ~はーちゃんはお母さんそっくりなんだ。ねね、その話もっと聞かせて」
先ほどまで落ち込んでいたルナが息を吹き返したかのようにテンション高く机に乗り出すように尋ねる。
「同窓会って言ってたけどユイちゃんのお母さんに会いに行ってたんですね」
「つかおふくろが気合入れてたのってユイの母親目当てかよ・・・」
三者三葉の反応ながらも俺のママについて3人とも興味深々のようだ。
「あれ?でもママはお友達に会いに行ってくるってパパと一緒に出掛けたんですけど・・・」
少なくともあの文面からは大人数に会いに行くというよりも仲のいい数人に会いに行くといった感じだった。
「間違いではないっすよ。ユイちゃんのお母さんとお父さんはひとみさんの先輩っすからね」
ママだけでなくパパとも知り合いとは驚いた。世間というのは意外と狭いようだ。
「ひとみさんが一個下でユイさんの両親とルナちゃんの両親が同級生っすね」
「まあ今回はルナちゃんのお父さんはお仕事だったので男性はユイちゃんのお父さんだけっすけどね」
それは流石にパパが気の毒すぎる。いくらママ一筋とは言え女子会に男子一人とか俺だったら泣くな。
「へ~世間って狭いね。じゃあさじゃあさはーちゃんのお父さんとお母さんってどんな感じだったの?」
ルナが興味津々に問いかけるがその内容は確かに俺も気になる。親の昔の話なんてのは当人は語りたがらないものだからこういう機会というのはとても貴重だ。
「ん~・・・いい意味でも悪い意味でもあれっすよ。人たらし」
その一言で3人は俺の顔を見て納得したような顔をする。
やめろそんな目で俺を見るんじゃねーよ。
ひとみさんだけ下級生で後は同級生ですね。
アイさんは学校が違ったので直接のかかわりはないけどひとみさん経由で知り合った感じです。




