106:げーむ
神は言っているここで死ねと
流石にお風呂から上がってすぐ寝るには年頃の少女達には早すぎだ。
そのため寝るまでの時間つぶしに何かしようという提案が出るのは当然の流れだ。
「じゃあこれやろうよこれ!今日こそ僕がチャンピオンだ!」
ルナが手に取ったのは俺でも知っている大人数で戦うバトルゲームだ。初代の頃はよくやっていたが大人になってからそういうゲームとは距離を置いていたせいでうまくできるかは分からない。
「ぬかせ。今日もお前を最下位にしてやっからな!」
「二人とも頑張ってね」
3人でよくやっているのか慣れた動きでゲームのセットを行っている。こうやって泊まりでゲームをするのもよくあることなのだろう。
「ユイちゃんはこのゲームやったことある?」
「いえ、このゲームはやったことないですね。そもそも家にゲーム機がないので」
パパもママもそこまでゲームに興味がある人種ではない。もっと言えば仕事が忙しいのでそういうのをやっている時間もないのだろう。
俺としてもパパとママにねだってまで欲しいとも思わなかったのでこの体でのゲームは完全なる初見だ。
「そりゃ珍しいな。こっちはおふくろが好きだから結構いろんなゲームやってるんだぜ」
サキの話にちょくちょく出てくるお義母さんは出不精のゲーマーという人として大丈夫かと思うようなレベルなのだが本当にどんな人なのだろうか・・・
「さきっち、いつも通り罰ゲームありでやろっか」
「そりゃ構わないがどんな内容にするんだ?いつも通り辛い食べ物食べるとかか?」
なんだか話の内容がどんどん変な方向に向かっていく。罰ゲームとかやるのがはやりなのだろうか?
「最下位の人は1位の人と添い寝ってのはどうかな?」
なぜ最下位と言ったところでこっちを見るんだルナ。そしてアカリもサキもなぜこっちを見る。
「ふっ。おもしれーのった!アカリも気合入れろよ。」
「う、うん。頑張るね」
「あの・・・拒否権とかは?」
3人がやる気を上げている中で水を差すようなことを言いたくはないのだがこればかりは言っておかないとこのままでは3人にフルボッコにされる未来しか見えない。
「さあ、キャラ選択をして始めましょうか」
「僕このキャラとった」
「ぜってー負けないからな」
3人は俺の質問を無視しながらキャラセレクトを開始している。どうやら拒否権は与えられない模様だ。
だからと言って簡単に負けてやる筋合いはない。多少のブランクはあるとはいえゲーマーでもなんでもない少女3人におめおめとやられるはずはないのである。
何しろこの体の基本スペックは高いので昔はできなかった見てから回避なんてこともできるはずだ。
ため息を一つつきつつ昔から使っていたキャラにカーソルを移動させて選択する。
「こっちもただでやられるつもりはないですから覚悟しておいてくださいね」
4人全員の準備が整い戦いのゴングが鳴り響く。負けられない戦いがそこにはあった。
なお数分後に俺は最下位の順位を押し付けられ絶望した顔で俯いていることになった。
どうしてこうなるんだ・・・
1VS1なら彼は結構勝てますよ。多人数戦は無理ですけどね。




