104:こんわく
ちょろくないですよ?
気が付いたらお風呂場で着替えた状態で目を覚ました。
((彼女))に感謝はしたくはないのだが今回の危機を乗り越えられたことはありがたい話だ。
だが風呂から上がった後に俺を攻める様に3人から見つめられるのは想定外の話だ。
夢を見るかのようなおぼろげな記憶のせいで何をしたのかは分からないがろくでもないことは確かだ。
「あの、そんな目で見つめられても困るのですけど」
困惑しながら声を出しても返答は帰ってこない。逆にこいつマジかという表情まで浮かべているので本当にいたたまれない気分になる。
「はぁー、ああだこうだ言っても仕方ねーけどああいうのは勘弁してくれ!まじでのぼせそうになったんだからな!」
未だに湯気を漂わせているサキが代表して声をあげると他の二人もうんうんと頷いている。
「えっと、気分を害したらごめんなさい。でも悪気はないというかなんというか・・・」
「なお悪いですよ!?ユイさんはもうちょっと自分の行動をしっかりと分析してくださいね!」
普段は怒っている姿を見せないアカリですら声を荒げている。顔を真っ赤にさせて怒りに震えているところからもひどいことを言ってしまったらしい。
「そうだぞはーちゃん!ちゃんと反省しないとおこだからね!!」
ぷんぷんと口を膨らませて抗議の声をルナも上げる。一体俺はどんなことをしたというんだ!?
「わ、分かりました次からは気を付けます。3人を恥ずかしがらせてしまったごめんなさい」
((彼女))が眠ってしまっている以上は俺が謝罪せざるを得ない。こんなことをしているからますます俺はあれを認めたくなくなるのだ。
「あ、いえ恥ずかしいといいますか満更でもないといいますか・・・」
「お、おう。そんなに謝らないでいいぞ。別に悪い気はしねーというか・・・」
「そ、そうだよ!あんな真正面から言われたことがないから照れてるとかそんなんじゃないからね!」
俺の謝罪に対して3人は口をもにょもにょさせながら言い訳のような言葉を口にする。
「でも怒っているということは嫌だったということなんでしょう?」
俺の疑問に対して3人は首が取れそうな勢いで首を横に振る。一体どっちなんだよ
「嫌じゃないですよ。ただああいうのはもっと雰囲気がいいところでいうか・・・」
「あーちゃんそれ以上はまずいよ!?僕らはさきっちみたいにちょろくないんだから!」
「ルナてめーなにほざいてやがる!?お前だって風呂から上がるまで顔ゆるみっぱなしだったろ!?」
わいわいぎゃーぎゃーと3人が3人とも責任の押し付け合いに発展している。
こんな状況で俺にできることなんてものは何もない。
おとなしく嵐が過ぎ去るのを耐える旅人のような心持でいたたまれないこの空気の中黙ることしかできなかった。
3人ともユイに対する好感度は高いので満更ではないんです。




