101:おふろ(表)
肉体を上書きいたします。
俺の健気な抵抗はルナの力の前では些細な抵抗でしかなく逃げれることもなく脱衣所に放り込まれてしまった。
脱衣所自体のスペースは大した広さではなく4人も入ればさすがに狭く感じる。
この脱衣所のスペースを見てしまうとお風呂場が4人も入れるとは到底思えなかった。
「本当にこれ4人も入れるんです・・・か!?」
俺が気になることを聞こうとしていると3人ともそそくさと服を脱いで既に下着姿になっていた。
「ななな////体隠してくださいよ!」
「いや風呂入るのにぬがねーわけにはいかねーだろ。ユイこそいつまで服着てるんだよ?」
飾り気のないスポーティーな下着を身に着けたサキが不思議そうな表情でこちらを見てくる。
サキの体は貧相と表現できるほど凹凸がない体なのだが、体全体が引き締まった筋肉質な体をしておりなぜだか直視できないほどの妙な色気を漂わせていた。
「あはは、ユイちゃんは恥ずかしがりやさんなんだよ。ほら外国じゃ大人数で風呂に入ることってあまりないらしいし」
雑学を披露しながら下着を脱ぎタオルだけでかろうじて体を隠したアカリが声をかける。
この中で一番高い身長とそれに合わせてボンキュッボンの引き締まった体を晒している。
そして何よりもその胸はとても豊満であり、今でこのレベルならば将来は巨乳になるのは間違いないだろう。
「いいや違うね。僕の勘が告げている。はーちゃんは僕らの体に見とれているに違いない!」
最後のルナは自分の体をタオルで覆うことなくこちらに見せつけるかのように晒している。
アカリのように体格が優れているわけでもサキのように引き締まっているとも言えない。
まだ夏になる前なのにその四肢はかすかに日に焼けているのが分かる。
かすかに腹筋も割れていることからもとても元気な印象を感じるのだがその胸が年頃の割には大きいのが目につく。
アニメや漫画の中でよくある自分だけが魅力を知っている同級生とでも言うべきか、普段の印象とはまた違う可愛らしい少女の肉体のせいで脳がバグってしまっている。
もっと簡単な言葉で言えば・・・3人の体に見とれていた。
「そんな熱い視線向けられると照れるな」
「うぅ・・・そのじっと見られると恥ずかしいんですけど」
「にっしっし、僕のぼでーに見とれるなんて言いセンスだねはーちゃん」
「ち、ちが・・・そんなことは・・・」
今はどんな言い訳も信用できないことだろう。だがそんな状況のせいで自分の危機感から目をそらしていた。
「こっちだけ見られるのはしゃくだからお前も脱げや!」
サキが強引に上の服を引っ張ってくる。
「ちょ!?伸びるから引っ張らないで!?」
俺が抵抗している間にも手慣れた動きでサキやルナに服を脱がされいつの間にか下着姿にされてしまった。
「うぅ・・・ひどい。けだもの・・・」
想像してみてほしい。緑髪の小さな少女が下着姿で涙目でこちらを見てくる光景を。
どこに男の要素があるのかとツッコミたくなるのは仕方のない話だろう。
「改めて見るとユイさんって本当にお人形さんみたいですよね」
アカリが少し呆けた表情で感想を呟く。
外人の血が混じったせいで黄色というより白色の肌、ママから譲り受けた宝石のエメラルドを思わせる緑の髪、パパから受け継いだ色素の薄い灰色の瞳。そして何よりアカリと差がないほどに大きな胸。
そんな現実離れした人形のような少女が下着姿で目の前にいるのだ。
「呼吸とか会話とかしてないとまじでマネキンに見えるレベルなんだよなこいつ」
少し顔を赤らめながらサキも見とれたような表情でこちらを見つめてくる。
「ふっふっふ、心の準備はできたかにゃ~はーちゃん。さあ脱ぎ脱ぎしましょうね~」
最後の砦を脱がしに来るルナの鼻息が荒いのは気にしては負けだろう。
ずきりと頭が痛む。また((彼女))が抗議でもするのかと身構えていたが今回ばかりは様子が違った。
近づくルナの顔を視界に収めている中で世界全体が突然色を失い灰色に染まる。
色の失った世界で誰もが動きを止めていた。ルナ、アカリ、サキ。みんな止まっている中に違和感がある
・・・・"もう一人"いる。・・・それは俺が良く知る存在で俺が認めることができない存在。
色を失った時の中で普通の動きで俺に近づき俺の額に自分の額を押し付ける。
「お前・・・一体どうやって・・・」俺の質問は((彼女))の指で口を塞がれる。
俺と同じ顔、同じ体なのにその身にまとう雰囲気は水と油の存在。今まで一度だって目の前に現れたことがなかった存在。
「質問はまた今度。今回のことは貸しにしてあげる。」
瞼が重い。俺ではなく((彼女))が表に出ようとしている。強烈な睡魔に包まれるかのように俺の意識は闇へと沈んでいく。
「残念。まだまだ私が起きていられる時間は短いみたい。でもいいわ。時間はいっぱいあるのだもの」
いつも脳内で聞こえている幻聴が今ははっきりと耳に聞こえる。
彼女のテンションが高い声を聴きながら俺の意識は今度こそ眠りに落ちていった。
彼は自分がまだ男であると定義しているので誰かとお風呂に入ることはできません。
そのため彼女が一時的に表に出ることを彼は心の奥底ではやむなしと承認しています。
可愛そうですねぇ




