100:だいぴんち
祝100話
「この話はこれ以上はやめておこう。めんどくさいだけだからな」
サキの言葉に頷く。これ以上の会話は何もメリットがないからな。
「お姉ちゃんそろそろお風呂湧く時間だよね。」
そうアカリが尋ねると同時に廊下にある風呂のモニターにお風呂が沸きましたというお知らせが表示される。
「っと、どうやらぴったりのようだな」
二人の視線がモニターに向けられたのを見て俺はこっそりと二人から距離を取る。
じりじりと距離を取っていた俺の肩をがっしりと誰かが掴んでくる。
「どこに行こうというのかにゃ~はーちゃん」
さっきまで現実に打ちのめされていたはずのルナがいつの間にか満面の笑みで俺のことを羽交い絞めにしている。
「くっ!離してください夜桜さん!」
じたばたと暴れるが体格差と先ほどの疲れのせいで全然振りほどける気配がない。
「偉い人は言いました。親睦を深めるには裸のお付き合いが一番だと!」
そんな名言聞いたことがないぞ。流石にまずすぎる。今の俺はまだかろうじて男なのだ。こんな今の体を見られたら俺は生きてはいけない。社会的にも精神的にも死んでしまう。
「親睦はすでに深まっているので裸のお付き合いは遠慮いたします!それにさすがに全員は入れないでしょ!」
一般的な家庭の風呂の大きさは知らないがさすがに年頃の少女4人が入れるほどの大きさをしているとは到底思えない。
我ながら良い反論材料だと思っていたのだがアカリは小さく首を横に振った。
「お義母さん外出は嫌いだけど家の中のことは妙に拘っているせいでお風呂は結構大きいんです」
「諦めろ。ルナはこうなったら頷かない限りしつこいぞ」
神は死んだのか!?ここにいないサキとアカリのお義母さんを恨みたくなる。
「えっと・・・あの・・・そ、そう!二人は私と一緒に入っても良いんですか!?」
もはややぶれかぶれでサキとアカリに助けを求める。どうかどちらかだけでも断ってくれないだろうか。
「ふぇ?えっと・・・さすがに少し恥ずかしいですけどお友達と一緒に入るのは問題ないですよ」
こんなことならセクハラでもして好感度を下げておくべきだったか。アカリの性格的に俺を拒むような意地悪な事を言う可能性は極めて低かったから仕方ない。
最後の希望を込めてサキを見れば親指を立てて合図を送っている。流石サキだ俺を助けてくれるようだ。
「これもいい機会だ。しっかりと裸のお付き合いで親睦を深めようぜ」
前言撤回ここに俺の味方はいないらしい。いつの間にかルナとサキも俺の逃げ場を塞ぐように近づいてくる。
「さあはーちゃんお風呂に行きましょうね~」
ひょいっと俺をお姫様抱っこしながらルナはお風呂場へと向かっていく。
俺は頭を抱えながら羞恥で顔を真っ赤にしお風呂場へと連行されていくのだった。
皆さんが読んでくれるおかげでモチベーションを保つことができました。
幕間を除いて今回で100話になります。
今後ともお付き合いいただけますと幸いです。




