§091 病付き
大量の唐辛子を潰すために、大急ぎで磨り鉢を買ってきた。
日本でよく見かけた、山芋を磨り潰すゴリゴリの器なんて無かった。
力を入れても割れなさそうな厚めの陶器と、木の棒・・・。
理科の実験で使ったような乳鉢だ。
ジャーブが帰って来て、面白そうに眺めていたのでやらせてみた。
ヴィーに任せるのはまだ不安がある。
ジャーブにそれ全部で7万ナールだと教えたら、
この山3つで俺が買えますねと言われた。
確かに・・・。
思い付きでタコスを作ろうとか、やるもんじゃないな。
ナズはショウガを小さく刻み、包丁の腹で潰していく。
アナにはニンニクの皮を剥くようにお願いした。
2人の準備が終わるまでに、自分はトルティーヤの生地を作ろう。
メモを見る。
・タコス生地6枚分
マサ106g、強力粉44g、塩4g、
オリーブオイル10g、熱湯110g
・・・ここでもグラム。
えーと、オリーブオイルの10を基準として・・・、
唐黍粉10ポット、小麦粉5ポット、塩0.5ポット。
熱湯・・・水でいいだろ、11ポット。
秤にオイルのグミを何度も乗せて、釣り合いを取る。
こんなの中学校でやった実験以来だ。
昔の人はこうやって重さを量っていたのか、・・・大変だ。
太陽電池式のデジタル式スケールが、
いかに便利だったかと思い知らされる。
大体、料理なんて一度覚えれば目分量なのだが。
いちいち何かを量るたびに、
オリーブオイルを出さなければならないのも辛い。
こうも酷使し続けたら、
いつかグミの膜が破れてべちょべちょになる。
分銅的な物を用意すべきだ。
暇な時に1ポット原器を作って置こう。
秤り終えたら、空いている鍋で全て混ぜ合わせて、
手で掴んでグニグニと揉む。
だんだん生地が固くなってきて、腕が辛くなってきた。
「おいヴィー」
「あい」
「手を洗って来て、これをグニグニしてくれ」
「さっきご主人サマがやってたみたいに?」
「そうそう、宜しく」
「あい」
ヴィーは皆がキッチンに集まって何かをしていたのを察して、
気になったらしく様子を見に来ていた。
この際だから全員に手伝って貰おう。
ジャーブとナズの作業が終わったらしい。
次はチリソースの準備だ。
「ヴィーは火を出せるか?」
「これか?」
──ボワッ。
「そうそれ、火を点けてくれ」
「アタイ、まだ子供だからたくさん出ないよ」
「それで十分だ。この黒いの目がけてやってみてくれ」
ヴィーに頼んでホモールに点火させた。
問題なく着火できたのでもうライターは要らない。
火をつける際はヴィーに任せよう。
唯一、ヴィーにしかできない仕事ができた。
「わあ、凄いですヴィーちゃん」
「もうライター要らないよな?」
「あ、いえ、お昼の際には」
「そうか、じゃあまだ少しは必要か」
またヴィーがキョロキョロしたので、簡単に訳して置いた。
鍋を火にかけ、唐辛子粉、ニンニク、ショウガ、塩、少量の水を混ぜる。
ニンニクはまだ間に合っていないが、アナが剥いた物から投入させた。
ナズに撹拌を頼んだが、頻繁に目を擦っていた。
カプサイシンが目に染みるのだろう。
・・・がんばれ。自分は応援しかできない。
火が通ったところで、青いトマト・・・(何だっけ)を潰して入れ、
以前入手した蟻酢酸を、少量加えながら味を調えた。
やはりシンプルな材料だけだとかなり辛い。
砂糖やハチミツが必要かもしれない。
料理にはちょっと掛ければ十分なので、これはこれで良いのか。
でき上がったチリソースは、
一度火に掛けて口を炙った瓶に入れて寝かす。
滅菌しておかないと腐ったりカビたりしても困る。
内側の消毒は湯を潜らせたので大丈夫だろう。
次は具材の用意だ。
その間に、ナズにはスープを作るようにお願いした。
刻んだキャベツと兎の肉1枚を短冊状に切り、
2つをフライパンで炒める。
野菜は大目に、しんなりしたキャベツに肉の油を絡める。
最後にチーズを少し和えれば具材は完成だ。
あとはスープができ次第、トルティーヤを焼けばいい。
ウサギの肉は以前食べたが、とても美味しかった。
夕食が楽しみである。
スープができるまで任せると言って、自分は自室で横になった。
それにしても、今日の夕食は全部で4万ナール掛かった。
・・・どこの富豪だよ。
トウモロコシの粉は大体1/4位は使った。
全部で500ナールらしいので125ナール、1人分だと25ナール。
結構大きな塊だったから、
本来求められていた量はもっと少なくても良かったのだろう。
ただ、この世界パン1つでお腹いっぱいの価値観だ。
トルティーヤ1個でもう満足と言う形なら、
あの大きさで正解だろう。
チリはちょっと掛ければ済むから、多分200回分位はありそうだ。
唐辛子だけで計算すると、3割引きで5万ナール。
1回分だと250ナール。
材料費だけで1つ275ナールか・・・。
売りに出したところで誰も買えないな。
せめて1/5位の値段にならないと・・・これは儲からない。
「ご主人様、鍋が空きましたが?」
アナが呼びに来たので体を起こす。
最後の仕上げの時だ。
フライパンに油を挽き、生地を6つに割って平たく延ばして、
少しだけ焦げ目が付く位に焼き上げる。
ナズにも説明しながら、2人で6枚を焼いた。
ついでにアンチョビペーストも焙って、具材に追加する。
ホカホカの生地の上に全ての具材を盛り付けて、
チリソースをほんのちょっと乗せ、
くるッと包めばタコスのでき上がりだ。
今日はみんなで夕食を作った。
皆、初めて見る料理に期待して、大人しく着席している。
こういう時にキャイキャイしないのは、身分の問題だろう。
騒がしいのは困るが、ジャーブの尻尾がぴくぴくしているし、
アナは耳がパタパタしている。
ヴィーは椅子に膝立ちして眺めているので、すぐ判る。
勿体付けて、ナズにスープから配らせた。
大皿に5人分のタコスを乗せて、ナズに持たせる。
1つはパピルスに包んで寝かせた。
着席している全員の興味が大皿に集中する。
「じゃあ、「「「いただきます」」」」「あいっ!」
自分が手に取ると皆の手が一斉に伸びてきて、
それは一目散に口へ運ばれる。
「ご主人様、辛くて甘くてしょっぱくて、これは初めての味です!」
「不思議な感じですね。
辛いのですが、また続けて口に入れたくなるような・・・」
「俺はユウキ様の下にお仕えさせて頂いて幸せです!」
ジャーブはボロボロ泣き出した。
死ななくて良かったな、
あそこで終わっていたら旨いもん食えなかったんだぞ。
「ん?どうしたヴィー」
「・・・」
お子様には辛すぎたか?
それほどたくさんチリは乗せていなかったのだが。
「・・・・・・」
「おいヴィー?」
一心不乱に噛み続けているようだが、
どうしても食べられなかったら吐き出すだろう。
辛くてダメだという訳では無いようだ。
「(ごくん)ご主人サマ、おいしい!」
「そ、そうか。ちょっと黙ってたから心配だったぞ」
「だって、すぐ食べちゃったら勿体ない。あと7回分しかない」
あ、ああそうなの・・・。
単純に勿体なかっただけか、じゃあゆっくり食べてくれ。
ヴィー以外のトルティーヤは一瞬で消えたが、
元がしっかりとした量だし、
具も結構盛ったので皆お腹いっぱいのようだ。
揚げパンどうすんの?
明日の朝?
皆がスープに手を付け始める。
「唐辛子のソースも包んだ生地も、まだまだあるからまた作れるぞ?」
「はい、次が楽しみですね」
「また食べたいですね。お腹一杯なのに、まだ入りそうです」
「これがまた頂けるなんて、夢のようです。
ユウキ様の下にお仕えできて、本当に良かったです」
「ナズ、1つ余分に作ったものは、
酒場に持って行って女将さんとマスターで半分ずつ食べて貰ってくれ」
「宜しいのですか?」
「ああ、ちょっと様子を聞きたい」
「お売りに出されると言う事でしょうか?」
「売るにはちょっと高すぎるけどな」
「そ、そうですよね。あの唐辛子の量ですから・・・」
「それは言うな」
「は・・・はい」
「・・・これに一体おいくら位掛けたのでしょうか?」
「聞いたら、アナは多分次を食べてくれなくなる」
「は・・・はあ」
「それからな、明日からの仕事を決め直す。
水汲みはもう必要ない。ジャーブは畑と装備の手入れ、掃除だ」
「えっ、宜しいのですか?」
「ヴィーは朝と夕にパンを買いに行け。
夕食のパンは商館から帰ったらでいい。
食べ終わったらナズと一緒に食器の片付けだ」
「・・・・・・(こくっ)」
もぐもぐしながら首を縦に振った。
まだ食ってやがる・・・。
「ナズは昼と夕の食事を。夜はたまにだが、また一緒に作ろう?」
「かしこまりました、ご主人様と一緒にお料理するのは楽しかったです」
「夜は2日置きに歌いに行くんだっけな。今日だっけ?」
「はい、既に女将さんには伝えてあります。
空いている日で良いとも言われております」
「アナは朝食と特別な仕事を割り振る」
「特別・・・ですか?」
アナが首を傾げ、ナズが眉をしかめてこちらを見る。
大丈夫だ、ナズ。
ちゃんとお前にも関係があるから・・・。
「ああ、ナズが歌いに行かない日は夕食後に迷宮に行く。
といってもトラッサの1層だ」
「・・・?かしこまりました。それでは今日は無しですね?」
アナが居ないと効率よくMPを回復できない。
トラッサ1層なのはミサンガの予備をナズに作って欲しいからだ。
今は空きスロットがあるミサンガは残り1つ。
ジャーブとアナには渡したので、
自分とナズ、ヴィーの3つが最低必要で、
更には予備が1つは欲しい。
前回三十数個を作らせて3つだったので、
成功率1割だとして40個は作成して貰いたい。
それが済んだら楽に倒せてアイテムが有用な魔物がいる迷宮を探そう。
他の迷宮にも顔を出しておく必要がある。
「それでは解散だ、後は自由にしてくれ。
ランタンを使いたい場合はヴィーに点けて貰ってくれ」
「・・・・・(コクッ)」
まだ食ってんのかよ・・・、余程気に入ったんだな。
次はもう1つ分多く作ってやるか。
ウチのご褒美メニューは、
今後これになりそうな気がしないでもない。
ミチオ君の家でご褒美メニューといえば、
ミリアはトロだった。
ブラックダイヤツナのレア枠だっけ?
ウチは・・・唐辛子100個・・・いや50個か。
(はぁぁぁぁー)
頭が痛い。
一度作れば、何十回分かは持つのだが、
人数で割ればあっという間だ。
唐黍粉は高いし、
やはり原料を直接買って臼を買うべきか?
自室で横になっていると、アナがお湯を運んで来た。
「ご主人様、お待たせしました」
「じゃあ宜しく。多分、体を拭いて貰うのは今日で最後だ」
「・・・っ」
アナが身を強張らせた。
「ああ、違う違う。そういう意味じゃない。
次からはもう少し難しい仕事になる」
「は・・・はい。かしこまりました」
体を拭かれながら説明する。
「前にあの部屋について聞いたな?」
「あっ、そうでしたね。・・・私にお話になっても宜しいのでしょうか?」
「あの時はまだ準備ができていなくてな、
いつになるか判らなかったから言えなかったのだ」
「何かのご準備が整ったのですか。
・・・あ、ひょっとして本日シルクスに行かれた事と、
何か関係がお有りですか?」
惜しい、カンテラは買ったが。
「アレはな、実は風呂なのだ」
「ふっ・・・お風呂ですか!」
「水と湯の確保ができるまでは内緒にして置こうと思ったが、
両方とも都合が付いた」
「ヴィーですか?言葉が少し理解できるようになりましたし、
竜人族の子でしたら火はいつでも点けられますね」
それも惜しい。
確かに迷宮に連れて行かないで家に居させるなら、
火の番やあの桶一杯に水を汲ませる事もできるだろう。
「どれも惜しいな、実は今日の盗賊の一件で魔法使いを得た」
「ええっ!?・・・あの・・・もしや、最後の男を倒された際の・・・」
「そうだ、あれだ。方法についてはちょっと説明ができないんだが、
あれで魔法使いの条件を満たした」
「ごっ・・・ご主人様が以前おっしゃっておられた、
死なずに自爆玉を使う方法ですか・・・」
違うが似たようなものだろう。
自爆玉は生命力を換ける事になるが、
自分が行ったMP全解放は精神力を換けた。
「よく覚えていたな、それだ」
「私は、ご主人様を・・・それでも人間であると思っておりましたが、
やはりナズさんの言うように神様なのでしょうか?」
「ち、違うぞ、お前たちと同じ人間だって何度も言ったじゃないか」
「ジャーブが怪我を負った際に、
口に運ばせずに薬をお使いになりましたよね?」
やっぱり見られていたか、アナの事だし当然か。
どんな時でも、他人の動きをよく見るのはアナの行動の基本なのだろう。
パーティライゼーションはアイテムボックス直には使えなかったので、
一度手に取り出して、掌を見つめて使用していた。
「あれは、パーティライゼーションと言うスキルだ。
アイテムをパーティ全体に向けて使用できるスキルらしい」
「パーティライ・・・聞いた事がありません」
「どこでも移動できるスキルに、素早く動けるスキル、
そして他人の職業を変更できるスキル・・・そういうジョブなのだ」
ごめん、ちょっと盛った。
英雄には素早く動けるオーバーホエルミングしかない。
後はボーナススキルだ。
ボーナスジョブと言ってもいい。
「つまり、そういうジョブにお就きになっているから、
これまでのような不思議な事を起こせると?」
「ああ、そうだ。だから神様なんかじゃあない。
普通に、判断を誤ったらあっさり死ぬだろうし、病気にだってなる」
「そうなのですか・・・」
「実際に今日の盗賊の一件は、
剣に頼って戦ったら全員死んで終わりだったかもしれない」
「あの時、どうなさるかは私なりに考えてはいたのですが、
最後は全く予想できませんでした」
「ともかく、魔法使いを得たのだ。これからはこっそり使っていく。
まだ実戦に使える程に経験を積んでいないのでな」
「かしこまりました」
「そういう訳だから、お湯を作る事くらいはできるようになったのだ」
「それで、ジャーブの水汲みを止めさせたのですね」
「正解だ、だからこれからは風呂に入る。体を拭くのは終わりだ」
「そ、それでは私の番が・・・」
・・・あれ?
アナは順番とか気にするような奴だったっけ?
以前は、自分の命令に従うだけだと言っていた気がする。
仕事がなくなるのが駄目か。
そうだな、自分の価値がなくなる事を恐れているのだ。
体を拭くという建前で夜のキスはアナが1番目だった。
では風呂に入る際もアナに洗って貰えば一番ではないか、それでいい。
「これからは風呂で洗って貰うからな」
そう言って、アナとキスをしてベッドに誘った。
***
途中でナズも合流し、2人と楽しんだ後はぐったりとベッドに突っ伏した。
体力の方は、一向にLvアップしていない気がする・・・。
こちらの世界に来た時点から固定なのか?
いやいやそんな馬鹿な。
この世界の人間だって、筋トレすれば基礎体力は上がるだろう。
要するにさぼってるせいだ。
他人に任せ過ぎなのだ。
「ナズ、今日はそこに置いてあるカンテラを持って行っていいぞ。
油は入れてあるから帰りに使ってくれ」
「えっ?・・・あっ、はい、ありがとうございますっ。
それでわざわざ遠い街まで行かれたのですね。
大切に致します」
ナズは酒場に行く準備を整えて、部屋を出て行った。
自分は・・・ベッドでもう少しうつ伏せになって寝ておく。
た、体力が無いからな。
そういえばシーツを洗っていない。
毎回汗だくになっているので、そろそろ洗うべきだ。
折角あそこに大タライがあるじゃないか。
明日はこのシーツとジャーブの部屋のシーツを洗って貰おう。
入れ違いになっても嫌なので何か印でもつけておくか。
・・・と思ったが油性ペンは無い。
鉛筆やインクで書いても洗ったら落ちてしまうだろう。
あれだな、ジャーブの部屋のシーツは刺繍でも着けて貰おう。
そういえば、今日はヴィーはどうするんだ?
遅くまで食べていたし、まだ起きているだろう。
着替えをして洗濯をアナに任せ、ジャーブの部屋をノックした。
──コンコン。
「ユウキ様ですか、どうぞ?」
「ああ、今日は起きているんだな」
早速ランタンが灯されて、活用されているようだ。
部屋からは優しい光が零れてきた。
「まだ寝るには早いですし、今日は夕食も早かったですからね」
そうなのか、さっきのを聞かれていたらちょっと恥ずかしいのだが。
そこはスルーのようだ。
そもそも、主人が妾を可愛がっている事を揶揄したり、
囃し立てたりしたら首が飛ぶだろう、リアルに。
「ヴィーもいるな」
「アタイの仕事、まだある?」
「いや、ナズの歌を聞きに行くかどうか、今日はどうするのだ?」
「あっ、行く!」
「ジャーブはどうだ?」
「何がでしょうか?」
まだヴィーはブラヒム語の理解には遠いという事か。
多分、今の会話はバルド語だった。
「これから酒場に行く」
「俺は留守番で大丈夫です。
元々酒は飲まないですし、行って何も注文しないのも申し訳ないです」
そうか、無欲な奴め。
今日は死にそうになったのだし、ゆっくり休ませてやるか。
無理強いも良くない。
「そうか、ではゆっくり休め。明日は水汲みはいらないが、畑は頼むぞ」
「分かりました」
「ではヴィー行くぞ」
「あい!」
2人で自室に戻り、アナの洗濯を待った。
自分の分とナズとアナの分、合計3人分だ。
そういえばヴィーはどうしているんだ?
「ヴィー、体を拭いたり洗濯はどうしてる?」
「ナズ姉ちゃんに拭いて貰った・・・。ふっ、服は自分でやってるよ?」
「そうか、偉い偉い」
2人で片付けてもナズが遅いのは、ヴィーを拭いていたからか。
ナズにとっては、新たに妹ができたようなものだから、嬉しいのだろう。
最初は怖がられていたから、それの裏返しかもしれない。
「どうだ?ナズ姉ちゃんは」
「えっ?」
「最初は怖がっていただろう?」
「えっ、そ、そうだけど、もう怖くない・・・優しいし」
良かったな、ナズ。
お前の罪は晴れた。
いや、嗾けたのは自分だ。
自分の罪は晴れた。
「お待たせしました、行けます」
「よし、では行こうか。暗いのでアナはヴィーの手を取ってくれ」
「かしこまりました、行きましょうか、ヴィー」
「あっ、ええと・・・おながします」
今のは微妙に解ったのだろう。
ヴィーが今のをどう理解したのかは判らないが、
ブラヒム語は難しそうだ。
3人でホドワの酒場を目指す。
今日は徒歩だ。
急いで行ってもあまり意味は無い。
ヴィーは、夜の街並みを歩くのは初めてなようで、
焚かれた松明の灯りにはしゃいでいた。
トリアは寂れていたし、夜は真っ暗だったのだろう。
こちらに来てからは、毎日早く寝ていたし。
ゆっくり歩いたせいもあって、着いた頃には酒場も賑わっていた。
∽今日の戯言(2021/09/10)
ジャーブは最初の設定ではここらで退場する予定でした。
だってほら、メンバー7人いるでしょ。
イベントだけ用意して置いて、彼らの動きに任せたら
勝手に救ってしまいました。
あと1人の枠どーすんの?
今から退場してもらいましょうか?
はい死んだー、今君死んだよー?
(2021/08/03のバックアップより)
・ディャーブ ♂ 狼人族 28歳 獣戦士 Lv16
ユウキの攻略が進み、魔物の数が増えたため、
前衛の即戦力として期待されて購入された。15万ナール。
戦闘奴隷としてはそこそこのベテラン。
友人にそそのかされてやったギャンブルで破産し、奴隷転落。
実をいうその友人も借金がかさんでおり、
支払いのためにディャーブを罠にかける計画に乗った。
ディャーブはその事実を知らない。
ダンジョン攻略中に待ち伏せされていた盗賊に刺されて死亡する。
・異世界21日目(17時頃)
ナズ・アナ16日目、ジャーブ10日目、ヴィー4日目
鍛冶G面会まで1日、エプロン完成まであと5日




