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異世界迷宮の追従を  作者: えぁりん
♯第三章 仲間
23/394

§022 はい

ナズと共にアナとも楽しんだ次の日の朝。

2人はまだ寝息を立てていた。


ミチオ君は奴隷たちに対し、朝夕はキスを義務付けていた。

しまった、やらかした。


まだ今日からなら間に合うか、これも自分達のルールにしよう。

でも戦力を優先させて、好みで無い者を入れたらそれは面倒だな。


ではこの2人だけのルールにしよう。

何と言っても2人は一番奴隷なのだし。


グルグルと思考を巡らせているうちにナズが起きた。

寝返りの関係なのか、半分こちらに乗り掛かっているのだ。

下の者が目が覚めて動きがあれば、直ぐに違和感を感じる。


「ナズ、おはよう」

「ご主人様、おはようございます」


うっとりとした目を細めて、微睡まどろみを噛み締めている。


「ナズ、朝起きたら必ずキスして挨拶する事。毎日アナと競争だ」

「それでは、今日は私が一番ですね」


ナズとキスをして、少しだけ舌を絡ませ合った。


「ご主人様、おはようございます」


目をつむってキスを楽しもうとしたら、

アナの顔が隣接しているのに気付いて慌てて口を放した。


「あっ」


吸い付いている口が離れると、ナズは仕事を取られ残念そうに声を上げた。


「アナもおはよう、これから朝はキスして挨拶してくれ。ナズと競争だ」

「私が1番でも宜しいのですか?」


「お前たちは2人とも1番だ」

「かしこまりました、では」


アナともキスをする。

アナは濃厚とまでは行かないが、優しくゆっくりと。

舌は絡み合わせずに、こすり合うようにキスをした。


口を放すと、ナズとアナの目が合った。

どう考えてもこれは火花が散っていると思う。


昨日の今日で、完全にナズとアナが同格に上がったのだ。

これでひと悶着ない方がおかしい。

多少は区別すべきだったか、最初からアナは一歩引く様子だったし。

その方がお互いの平和のために良かったのかもしれない。


そう思っていたら、ナズとアナが引き寄せあった。

口元が近付いた時、2人がこちらを向いて呼んだ。


「「ご主人様」」

「な、何かな」


2人が神ムーブで近寄り、一気に押し倒された。

そして同時にキスをした。


2人の唇を同時に楽しもうと、2人のサプライズに心躍ったが、

どう考えても、これは2人による主人の奪い合いだろう。

その攻防を暫く楽しんだ後、口を放した。


楽しいのは自分だけで、2人の中では闘志が燃えていたかもしれない。

目に見えていがみ合うようならば注意をするが、

2人とも大人しく分別はわきまえているようなので、

今はこの状況を楽しむ事にした。


(愛人ってやっぱり良いなあ・・・)



   ***



朝の挨拶である口付けもしっかりと生活の中に組み込んだので、

懸念も無く気分は晴れやかになった。

それでは朝食だ。


「この宿では、明け方からそこの騎士団の鐘がなるまでが朝食らしいから、

 昨日と同じようにナズが朝食を持って来てくれ」

「かしこまりました」


ナズはそう言って下着を付け直すと、

ワンピースをすっぽりと被り扉を開けて出て行った。


ナズが戻って来るまでの間、背中を伸ばしたりしてのそのそと着替える。

窓の格子を外して部屋に日差しを入れるとナズが戻って来た。

相変わらず器用に3つトレイを載せている。


「ご主人様、どうぞ」


テーブルに昨日のように3人分並べて席に着く。

また床で食べようとしないので良かった。

何故この世界の奴隷はそういう扱いなのか。


主人の権威付けなのかもしれないが、

別の世界の人間には馴染めない。

いや、馴染まないと色々問題があるのかもしれない。

少なくとも、外で誰かの会食に呼ばれた際は気を付けるべきだろう。


自分達だけの時は、2人の顔を見ながら食べたい。

可愛いし。


「それでは、いただきます」

「はい」

「ええと、ご主人様。それは何かのお祈りでしょうか?」


「まあ、何と言うか、習慣だ。気にしなくて良い」


ミチオ君もこれに突っ込まれていたな、と思い出してフフっと笑った。


「素敵な習慣です。私もやってみて宜しいですか?」


「そうだな・・・、やってみろ。

 食べ物を作ってくれた人、用意した人、

 それから、そもそも食べられるために育てられた生き物の命。

 そういう者たちに対してありがとうと感謝の気持ちを込めて、

 命や労力をねぎらって頂こうと言う意味だ」

「分かりました。皆さんありがとうございます」

「わ、私も、ご主人様、ありがとうございます」


「ありがとうではなく、いただきますだ」


ナズは何か違うものに祈りを捧げたような気がしたが、まあ良いか。

食事を提供してるのは自分しゅじんなのだから、

あながち間違いでも無いだろう。



   ***



「さて、食事を取ったら、各自装備の手入れをして貰いたい」

「はい」

「ええと、どうすれば」


「取り敢えず、昨日買って来たばかりなので、手入れはされていると思う。

 明日以降は出掛ける前に壊れていないかを確認して貰って、

 ダメそうなら申告してくれ。

 迷宮に入った後で実は壊れていました、では話にならない」

「かしこまりました」


「1人で着られそうもなければ手伝うが」

「大丈夫だと思います」

「この中の物で、装着に困るような装備はありませんね」


「それから武器だが、ひとまずナズは昨日の棍棒を」

「はい」


「アナは剣と盾で」

「本当に、こんな良い剣と盾を宜しいのでしょうか」


「アナ、それは昨日も言ったはずだ。

 安い武具を与えてお前が死んだら、主人の損失はいくらだ」

「ええと、私は14万ナールで買って頂きました」


「ではその剣は4000ナールだ。どちらが高いか?」

「申し訳ありません、ご主人様の仰る通りだと言う事が解りました」


「解ってくれれば良い。

 これからも高いとか安いとか関係無く、

 必要だと思う所に武器や防具を入れて行く。

 序列がどうのこうのとか、主人から揃えるべきだとか言い始めたら、

 それは叱責するのでそのつもりで」

「わ、判りました」


ロクサーヌは一番奴隷の立場とか、

主人の剣を別の者が先に使ったのどうので拗ねていた。


一番は大事にするべきだが、迷宮での装備となると話が変わって来る。

こればかりは立場を優先して現場の要求を捻じ曲げたら命に関わる。

ハッキリと言って置き、厳しくするべきだろう。


「よし、では食堂で弁当を受け取り、水筒に水を入れたら出発だ」

「「かしこまりました」」


あー、もう。


「装備を着けたら迷宮に行く戦士になってくれ。

 返事は、『はい』『いいえ』で簡潔に頼む」


「はい」

「かしこ・・・はい」


ナズが微妙に合わなかった。


パーティ編成と念じてナズとアナを指定する。

2人とパーティを組むのは初めてだ。


「あ、はい」


ナズは気が付いて「決定」したが、アナの方は硬直して動かない。

顔が青ざめてプルプルと震えている。


「アナ、どうした?行くぞ」

「そ、そんな、確かに商館では商人と・・・」


そうだった、商館の主には商人と教えられていたはずだ。

商人がパーティ編成をするのはおかしい。


逆に商人だからこそ、

探索者であるアナを購入したと思うのは正しい。

しかし、この主人は探索者だった。


「良いから早くしてくれ」


とりあえず急がせる。


アナがパーティに入ったのを確認したら目を合わせず部屋を出た。

2人が黙って付いて来る。

ナズはアナの挙動がおかしくなっているので心配しているようだ。


「アナさん、だいじょうぶですか?」

「えっ、いえ、・・・何でも、何でも無いです」


複数ジョブに付いてはいずれ説明する時が来るのは避けられないとして、

今ここで色々説明して騒がれるのはまずい。

旅亭のロビーでは人も多いし、壁がどれ程薄いかも判らない。

何かを話すとしても、全ては迷宮に入ってからだろう。


淡々と補給を行う。


食料と水をリュックにしまい、宿屋の裏口に回る。

ここには手頃な木があるのだ。

ワープと念じてゲートを出した。


「あー、本当は自分は冒険者なのだ、以上」

「ええっと?はい」

「えええええええ・・・?」


アナは目が真ん丸になっている。

仕方あるまい、絶対おかしなジョブ構成なのだから。

だが少し待て、説明するからここでは騒がないで欲しい。


「アナ、静かに!ナズ、行くぞ」

「は、はい」


ナズには戦闘経験が無い。

ジョブに関しては殆ど無知・・・詳しく無いのだろう。


アナは経験者だから色々な知識がある。

常識を破るたびに驚かれていたら切りが無い。

後で釘を刺そう。


「では突入」


ナズに取ってはフィールドウォークが初めてかもしれないので手を引いた。

アナも動転して喚いているので、反対の手で掴んで押し込んだ。


「えぇぇ・・・──」


移動用のゲートに放り込んだら途中で声が途切れた。


「──・・・ぇぇぇぇえええええええええ?」


自分が移動をしたらその先でまだ騒いでいた。


「着いたぞ」

「はい」

「えええっ!?」


「アナ、少し静かに。

 自分はフィールドウォークもダンジョンウォークも使える」

「えええ!?」


「アナ、静かに。

 他にも、これから頻繁にありえない事が次々と起きる。

 いちいち騒ぐな、騒いだらお仕置きだ」


「ぇぇぇぇぇ・・・」


今度のえええは絶望だ。

そんなの知らないよと言わんばかりだ。

ふにゃっと可愛らしい顔が、泣き出す直前の絶望の顔に変わった。

いや、別に折檻するつもりは無い。


「アナ、自分は他の人にはできない事が少々できるのだ」

「・・・・・・」


「これからはそういうジョブの持ち主なのだと思ってくれ。

 不思議がったり騒いだりしないで、そんな物だと受け入れてくれ」

「ぇぇ・・その、・・・かしこまりました・・・」


まだ納得し切れていないか。

しかし無理にでも理解して貰わなければ色々困る。


「ナズもそうだ。自分のジョブやスキルに付いて、

 知り得たどんな些細な事も話さないようにしてくれ。

 ナズ自身に起きた事も含めてだ」

「ええと、かしこまりました。・・・正直に申し上げますと、

 私には何が変なのか全く解かりませんので、

 今後は見聞きした事を誰かに喋らなければ宜しいのでしょうか?」


「そうだな、変な所はアナに教えて貰え。

 今後はナズ自身にも変わった事が起きるはずだから、

 それに気付いて驚いても騒がないように」


アナは更にナズにも何かあるのかと、じぃぃっと凝視した。


「では行くぞ、アナは敵の気配が分かるのだったな、

 手当たり次第、近くにいる敵をどんどん探してくれ」

「・・・ぇ・・・ぁ、はい。かしこまりました」


「返事は?」

「あ・・・、申し訳ありません、はい、です」


「ナズは自分の後ろから付いて来てくれ。

 当分何もしなくて良い。見学だ」

「はっ、はい・・・」


ナズは鍛冶師になって貰う予定だ。

まずは探索者Lv10だったはずだ。


 ・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 探索者 Lv1

  棍棒(空き)

  革の帽子(空き)チェインメイル(空き 空き)革のブーツ(空き)


アナには早々に暗殺者になって貰おうと思っていた。

暗殺者には戦士Lv30と毒殺の経験だ。

毒針は既にある。


パーティジョブ設定でアナのジョブを戦士に変えた。

すんなり変更できたのでアイテムボックスは空っぽなのだろう。


 ・アナンタ 猫人族  ♀ 20歳 戦士  Lv1

  カトラス(空き)鉄の盾(空き)

  革の帽子(空き)硬革のジャケット(空き)柳の皮靴(回避上昇)


自分は・・・このまま商人をLv30まで育て、奴隷商人を得て置きたい。

そこまで終われば商人は捨て置ける。

暫くは探索者、商人、戦士、英雄で良いだろう。


 ・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv12

  設定:商人(12)英雄(7)戦士(10)探索者(10)

  取得:村人(5)剣士(1)


  聖剣デュランダル(☆)

  革の帽子(空き 空き)皮の鎧(空き 空き)

  皮のグローブ(-)革のブーツ(空き)


 ・BP110

   キャラクター再設定   1pt   結晶化促進×2     1pt

   獲得経験値上昇×10 31pt   武器6        63pt

   必要経験値減少/3   7pt   4thジョブ      7pt


ジョブとスキルを設定し直した。

鑑定もワープも不要だ。

従って詠唱省略も不要。

余ったポイントで、できる限りLv上げの効率を加速させる。


「ご主人様、あちらに」


遠くに丸い塊が見える。

グリーンキャタピラーだろう。

アナの察知は正確なようだ、これは大いに助かる。


「じゃあ取り敢えず倒すから、アナも付いて来るだけにしてくれ。

 何か有ったら、盾でガードしてくれたら嬉しい」

「はい」


キャタピラーに走り寄ってそのまま胴を割いた。


「ほい、次」

「・・・」


アナは今日で一番目がデカくなった。


「おーい」

「・・・」


「アナ・・・、アナってば!」

「はいっっ!」


心ここに在らずで適当な方向に返事してる。


「次探してってば」

「はいっっ、あ、・・・申し訳ありません、もう一度お願いします」


「次をどんどん探してよ」

「あの、ご主人様・・・ご主人様はどの位お強いのでしょうか」


「まあ、秘密だから今は言えないが、そのうちに教える」

「し、失礼しました、では次を探します

 ・

 ・

 ・

 すみません、少し落ち着くまで待って頂けると・・・」


なるほど、疑念が渦巻いて集中できないと。


「まあそうなるか、この剣を持ってみろ」

「ご主人様の剣ですか」


デュランダルを手渡し、アナに握らせた。


「このように装飾までこだわったような業物ならば、

 かなり高価な装備品と言うのは解かりますが・・・」


「それには攻撃力5倍と防御無視が付いている」

「5倍!?」


速攻で突き返して来た。


「も、もも、申し訳ありません、

 私のような者が手にして良い剣ではありません」


そんな凄い物を触ってしまって良いのか、と言う事らしい。

ロクサーヌはベスタから強権で奪い取って行ったような気がするが・・・。

人それぞれか。


なまじ迷宮に経験があるせいで、普通の価値観ではこうなのだろう。


「そういう事だから。

 ナズの経験を積ませたいのでどんどん魔物を探してくれ」

「は、はい・・・取り乱してしまって申し訳ありません。

 ご主人様の前で、当たり前を考えては駄目なのだと知りました。

 今後は驚いても取り乱さぬように注意し、秘密を死守致します」

「あの・・・アナさんが、今日沢山驚かれている事は、

 本当は知られてはいけないような事なのですね?」


「そういう事になるな。仮にこの剣が国宝級の物だったらどうだろう?」

「どういう事でしょうか?」


「悪い奴らが奪いに来る。権力者が巻き上げようとするかもしれない」

「「・・・」」


「それに、お前たちの主人の強さが規格外だったとしよう。

 変なのに絡まれたり、高く売られたり安く買い叩かれたりするだろうな。

 金があるなら寄付をしろと強請ねだられるかもしれない。

 だから、色々と秘密にしなければならない事があるのだ」

「私にはその常識が判らないため、

 うっかり漏らしてしまうかもしれません。とても恐ろしいです」


「何かおかしいと感じたら、アナに相談しろ。

 アナはナズに普通はこうだと教えてやってくれ。

 ナズは迷宮に関しては無知だから、

 教育も兼ねて何でも教えてやってくれ」

「かか、かしこまりました」

「宜しくご指導下さい、アナさん」


「xxxxxさい」

「あの、xxxxxxxですか、xxxxxxxのは?」

「それは・・・xxxxxxxx」

「xxxxxxxxx!xxxxxxxxですね?」

「xxxxxxですのでxxxxxx」

「xxxxxxxxxxました」


何か話合ってお互い納得ができたようだ。


会話の中でアナはある程度落ち着きを取り戻したようで、

迷宮の奥へ向けて先導を開始した。


角を曲がると直ぐに次のキャタピラーがいた。

すかさず駆け寄って、縦に真っ二つにする。

茹でたジャガイモを切るかの如く滑らかに剣が通って行った。


またしてもアナは口元が引き攣って目が据わっていたが、

今度は騒がなかった。


「・・・次は、多分あちらです」


丁字路を右に指さす。

次の敵も読んでくれていたのか、流石だ。


ロクサーヌのような匂いの感知だと、

途中に別グループがいれば混ざったり掻き消される事もあるだろう。


気配であれば近くなら強く、遠くなら弱くなる。

離れ過ぎた場合はグループ数まで認識できないかもしれない。

そこが欠点だったりするのだろうか。


またグリーンキャタピラーを見付けたので駆け寄って首を落とす。


「今度はこちらです」


流れるように敵を蹴散らし、結構歩き回った所で休息を取った。


1階層目なので構造はそう広く無い。

同じような場所を行ったり来たりするだけなので、

マップが大体どうなっているか、そろそろ理解できて来た気がする。


今休憩を取った部屋から向こう側には一度も行っていない。

多分ここが中間部屋で、この先はボス部屋に続いているのだろう。

そろそろボスを倒しても良いと思う。


キャラクター設定で確認する。


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 商人  Lv13

  設定:商人(13)英雄(8)戦士(12)探索者(12)

  取得:村人(5)剣士(1)色魔(1)


商人は戦闘職では無いから、やはりLvが上がり易いのだな。


ボーナスポイントが1つ多く振れるようになったので、

ワープを復活させようかと思った。

しかし今からはボスと戦いたいし、

余ったポイントで詠唱短縮を取った。

確か、ミチオ君もボスは1撃では倒せなかったはずだ。


次にナズとアナはどうだろう。


 ・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 探索者 Lv5

 ・アナンタ 猫人族  ♀ 20歳 戦士  Lv5


こちらも順調だ。


経験値10倍の恩恵がある。

アナのお陰で敵を探して彷徨さまよう無駄が無い。

効率は1人の時の4~5倍位だ。

更にデュランダルで一撃だ。


5倍の攻撃力と防御無視だから、6倍の速さで敵が沈む。

オーバーキル分もあるだろうから、低く見積もっても4倍位か?

180倍、またカルクだ。


1日も籠れば迷宮に半年も籠る計算なのか。

我ながら恐ろしい。

まだ半日も経っていないので迷宮を始めて4か月が経過した。

何を言っているのか解らねぇ・・・。†


「食事にしよう、腹が減ったし」

「「ありがとうございます」」


リュックから弁当を出して渡し、昼食にした。


「そういえば、どうやって時刻を知れば良いのだ?」


素朴な疑問だ。


この世界の住人は、どうやって時刻を知るのだろうか。

迷宮には日が無い。

雨が降ったら外でも見えない。


「ここトラッサでは、朝に騎士団の方が鐘で知らせて下さいます」


アナが答える。

アナはずっとここにいたのだ。

トラッサの騎士団の鐘は知っていたはずだ。


「それはそうなのだが、他の時刻は?」

「ええと、冒険者の方に聞けば教えて頂けるかと思いますが、

 朝以外を知る方法は存じません。申し訳ありません」


冒険者?

冒険者のスキルに時刻を知るスキルなんてあっただろうか?


「大体はいつもの習慣と言いますか、

 目が覚める時や食事をしたくなる時が決まっています」


今度はナズが答える。


「目覚めの具合や腹具合で判る、と?」

「そうですね。私は母のお店を手伝っていた時に、

 時間通りやらないとお店が回らなかったりしましたので」


ナズは家事手伝いで身に付けたらしい。


「じゃあこれから、昼の時間や夕方の時間が判ったら教えてくれ。

 自分の腹具合は日によって違うし、感覚を頼りにするのは無理そうだ」

「かしこまりました」

「済みません、私にはできませんので・・・申し訳ありません」


「そうなのか?アナはしっかりしてそうな気がするのだが」

「あの、私はする事が無いと直ぐに眠ってしまうので・・・」


なるほど、猫人族はやはり猫なのか。

良く寝る、寝る子は育つ、猫は寝子なのだ。

アナだけかもしれないが。


「じゃあ今日は早く切り上げて早く寝ようか」

「あ・・・いえ、別にそういう意味で言った訳では」

「ふふっ」


普段の表情が落ち着いている分、戸惑うアナはやはり新鮮だ。

ナズも和んで微笑んでいる。

我ながら、良いチームが発足したのでは無いだろうか。


「さて、腹も膨れたしボスに行くか」

∽今日のステータス(2021/07/26)


 ・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 商人 Lv12

  設定:商人(12)英雄(7)戦士(10)探索者(10)

  取得:村人(5)剣士(1)


  聖剣デュランダル(☆)

  革の帽子(空き 空き)皮の鎧(空き 空き)

  皮のグローブ(-)革のブーツ(空き)


 ・BP110

   キャラクター再設定   1pt   結晶化促進×2     1pt

   獲得経験値上昇×10 31pt   武器6        63pt

   必要経験値減少/3   7pt   4thジョブ      7pt


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 村人  Lv2

   棍棒(+)革の帽子(+)チェインメイル(++)革のブーツ(+)

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 戦士  Lv1

   カトラス(+)鉄の盾(+)

   革の帽子(+)硬革のジャケット(+)柳の皮靴(回避上昇)


  ↓


 ・フジモト・ユウキ 人間   男 21歳 商人  Lv13

  設定:商人(13)英雄(8)戦士(12)探索者(12)

  取得:村人(5)剣士(1)色魔(1)


 ・BP111

   キャラクター再設定   1pt   武器6        63pt

   獲得経験値上昇×10 31pt   詠唱省略        1pt

   必要経験値減少/3   7pt   4thジョブ      7pt

   結晶化促進×2     1pt


 ・ナジャリ     ドワーフ ♀ 16歳 探索者 Lv5

 ・アナンタ     猫人族  ♀ 20歳 戦士  Lv5



 ・異世界7日目

   ナズ・アナ2日目、トラッサの市まで4日、宿泊4日目



 ・トラッサの迷宮

  Lv   魔物       /    ボス

  1 グリーンキャタピラー /  ホワイトキャタピラー

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >経験値10倍の恩恵がある。 >アナのお陰で敵を探して彷徨さまよう無駄が無い。 >効率は1人の時の4~5倍位だ。 >更にデュランダルで一撃だ。 >5倍の攻撃力と防御無視だから、…
[気になる点] ナズを探索者にする前に村人のレベルをLv5まで上げる必要があると思います。 確かに原典では鍛冶師の獲得に村人Lv5が必要との明確な結論は出ていませんでしたが、 (1)ルティナは村人Lv…
[気になる点] 本文中) >・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 探索者 Lv1 >棍棒(空き) >革の帽子(空き)チェインメイル(空き 空き)革のブーツ(空き) >・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 戦…
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