§123 天国
そういえば、今日の昼食は普通に用意された。
大工達が計量したり裏庭でドタバタやっている中で、
ナズとエミーは上手く調理してくれたようだ。
ジャミルたちと商談をした数十分の間に、
2人で協力して片付けを行ったのだろう。
既に整頓されて綺麗になった台所には誰もいなかった。
明日の昼は台所を使う事が難しそうなので、どうしようか。
宿に泊まっても良いかも知れない。
旅亭に泊まれば弁当付きだ。
普通の食堂に奴隷を連れて入るのは、ちょっとまずいのではと思う。
枷を外せば済む話だが、何故かナズもアナも外そうとしない。
そういう所が厄介なのだ、この世界。
「ナーズー?ジャーブー?準備してくれー」
台所から声を張り上げて3人を呼ぶ。
アナは何も言わずとも装備を取りに納屋に向かった。
午後も迷宮だ。
ちょっと出るには遅めだが。
「お待たせしました。全員準備できております」
流石はナズ、既に鎧を着て待っていたようだ。
着衣が面倒なヴィーのプレートメイルも、しっかり装備されている。
重装備が2人もいるのでガシャガシャと煩い。
中間部屋からボス部屋を目指して、アナに先行させる。
「前回、別のパーティが先行していたので避けましたが、
こちらがボス部屋のような気がします」
そういえばそんな事もありましたね。
探索はアナの方が得意なのだし、自分から口を挟む事は無い。
全てお任せにしてしまっているので、今回もそれでお願いする。
「手前の角を右に、魔物達が群れています。地を這う魔物はいませんね」
ジャーブとヴィーが警戒しながら角を曲がる。
ケトルマーメイドの不意打ちをヴィーが剣で払って止めた。
「うわっ、びっくりした!」
「大丈夫かっ?」
払われたケトルマーメイドは、ジャーブによって後列へ吹き飛ばされた。
現れたのはマーメイド4匹。
後列に飛んだ奴の魔法に注意だ。
全員が臨戦態勢を取り、自分もサンドストームを連射する。
後列のケトルマーメイドに注意して弓を構えつつ、
全体の動きを横目で追った。
ケトルマーメイドの突進を、
ヴィーが左手の剣でガードしている。
練習の成果が多少出たのだろうか?
まあ、ラピッドラビットのようにフェイントは使って来ないし、
動きは直線でサイズも普通なので衝撃的には軽い方だ。
やろうと思えば直ぐにできると思うが、
利き手ではなく左手でやった所に感心した。
奥のケトルマーメイドの詠唱が見える。
どうする?
魔法の連射で倒すか、先に詠唱を止めるか・・・。
迷ってしまったのでやや間ができてしまった。
今からではどちらも遅い。
オーバーホエルミング射撃でケトルマーメイドの詠唱を潰し、
サンドストームの連射で綺麗に片づけた。
ほっと一息。
だが、MPはぐっと減ったように思う。
オーバーホエルミングのMP効率は悪い。
そこに連射の魔法を撃ったので、「減ったな」と思うくらいには減った。
・・・また、なんて馬鹿な事を。
コボルトを買ったので、MP吸収を付ければ良かったじゃないか。
直ぐに取って来てナズに付けさせた。
・心眼の聖天弓(命中2倍 知力2倍 詠唱中断 MP吸収 空き)
残るスロットは1つ。
博徒があるのだし、麻痺や石化を入れても良いかも知れない。
毒も捨てがたい。
サブで出て来る弱点属性外の後列の魔物を毒化させれば、
通常魔法のコンボ中に仕留められる可能性が高まる。
或いはHP吸収か、ダメージを得るために攻撃力上昇か。
そういえば筋力や器用さは恐ろしく低いのだった。
順当にいけばHP吸収かな・・・?
でも最後列に移動した自分が、
魔物からダメージをたくさん受ける事は考えにくい。
やはりHP吸収はジャーブか。
悩ましい。
「ご主人様?」
「は、はいはい、何だ?」
「魔物です。今度はケトルマーメイドが3匹と、グラスビー2匹です」
「解った。ちょっと魔法の構成を変えるので、各自気を付けてくれ」
「「「はい」」」
グラスビー1匹ならアナに止めて貰いたいが、
2匹となると厄介なので先に倒したい。
ブリーズストームとサンドストームを1ターン目に選択する。
この階層の魔物なら弱点で4発、風風・風風だ。
非弱点属性に換算すると8発分。
グラスビーはそこから更に1ターンを要求する。
風風・風風+風土なので、非弱点で7発分。
他のメンバーのダメージが少し入っているが、
ギリギリ届く範囲内にあると言える。
ならば、土風・土風ではどうだろう。
グラスビーもケトルマーメイドも、
非弱点で6発分与える事になる。
6発+αで7発必要な計算であれば、
前衛陣が稼ぐダメージで0.5発分位は稼げないだろうかと言う目論見だ。
後列にいるグラスビー2匹の詠唱マークが同時に着く。
1匹はやや手前で、無理をすればナズの槍が届くだろう。
あ、向かった。
では後列のグラスビーを止めよう。
オーバーホエルミングで集中し、効果が切れる前に射出する。
グラスビーの胴体真ん中に当たり、詠唱が途絶えた。
我ながら誇らしい。
そしてMPがギュッと回復した。
続いて2ターン目のブリーズストームとサンドストームを発動させた。
風で斬り揉みされる魔物の群れに小石がぶつかりまくる。
今度はケトルマーメイドの足元に詠唱マークが出たが、ナズが消した。
残り2匹のケトルマーメイドがヴィー目掛けて襲い掛かったが、
左右の剣をうまく使い、右上と左下で受け止めた。
や・・・やるなあ。
命が懸かっているから必死なのは当然か。
殆どRPGのように育成して戦って・・・そんな迷宮生活だが、
1つだけ異なるのは、失敗したら永遠にこの世からいなくなる。
ヴィーが止めたケトルマーメイドに対して、
アナとジャーブがその両サイドから叩き切り、刺突する。
強烈なダメージを食らったマーメイドたちは、
蜘蛛の子を散らすように散開して距離を置いた。
2ターン目の魔法の効果が切れたが、全ての魔物が生存していた。
結局3ターン掛かるなら、2ターンで人魚を始末した方が楽だった。
人魚は今の2人の攻撃で散り散りになってしまったが、それももう終了だ。
3ターン目の魔法を詠唱すると、全ての魔物達が煙になった。
ダメージ量の読みは間違っていたようだ。
この階層の魔物は、非弱点属性魔法で8回以内と言う事は間違い無いが、
7回以上は必要だと言う事だ。
乱暴に言うと、余計な事はしなくて良い。
「ご主人様、ボス部屋のようです」
アナの案内通りに進むと、広い部屋・・・ボスの待機部屋に出た。
前回この階層で見たパーティたちは、
ボス部屋の場所を知っていて直行したのだろうか。
大人しく付いて行けば良かったかな?
しかし、それは所詮結果論だ。
今更言ってもしょうがない。
ボス部屋に入る前に、いつも通り説明を行う。
「ボスはボトルマーメイドと言うらしい。
魔法は強力なのでナズは絶対止めてくれ」
「「かしこまりました」」
「あ、あの」
「どうしたヴィー?」
「アタイ1人でヤってみたいっ」
ジャーブと練習した成果を見せたいのだろう。
ムリムリ言っていたヴィーが武功を求め始めた。
それは喜ばしい事だが、初見で戦うボス相手にする事では無いと思う。
「ちょっと、いきなりは止めて置け。
2,3回やってみて問題なければやってみてもいい」
「あい・・・」
ちょっと残念そうにしている。
では雑魚の方を任せようか。
「お供が1匹出て来ると思うから、そちらを任せる。
しっかりと1人で止めてくれ。
なるべくボスから引き剥がすように誘導できたら完璧だ」
「分かった!・・・りまシタ!」
扉の前に立つと、重そうな扉が音を立てて開いた。
この階層も人気が無いらしい。
前回出会ったパーティ以外には全く人の影を見ていない。
ボスの周回もしやすそうだ。
4人が一斉にボスへ駆けて行き、
途中からヴィーは小さく集まる煙の方へ向かった。
まずはボスへ状態異常耐性ダウンだ。
弱点であるサンドストームを2連で放つ。
お供は・・・良かった、ケトルマーメイドだった。
弱点が同属性なら気を使わずに済む。
こうして並んで出現してみると、
ボトルマーメイドの方は確かに口元が真っすぐでボトル型、
ケトルの方は、口元がややクイッと曲がってからの直線だ。
水差しと言うのも納得できる。
3人で囲っているボスは気にしなくても良さそうだ。
ケトルマーメイドが詠唱しないかだけを注視する。
弓で構えながら・・・って何故全員で囲いだす?
ボスは?
・・・ボスはあっさりと石化して終わっていた。
いきなり4人がかりになったので、ヴィーは残念だっただろう。
次はやはりボスを1人で任せて、雑魚が石化したら放置してみようか。
2ターン目の魔法でお供が消滅し、
あとはヴィーから剣を借りてボコボコに叩いた。
カコンカコンと音を立てている中で、
稀にバコンと重たい音がするのは、
博徒のクリティカルが出ているからだろう。
余ったポイントでクリティカル発生増加に振る?
・・・のも考えてみるべき選択肢に挙がってきた。
面倒なので、ついでにサンドボールも織り交ぜてボスを倒した。
・スケール
うーん?
ケトルマーメイドからも似たような破片が出てきたが、こちらは半透明だ。
銅のような鍛冶アイテムなのだろうか?
何か素材の破片である事には間違いなさそうなのだが。
スケールと言うと広大なスケールとか、
感覚的大きさを表す言葉が思い浮かべられる。
次に考えうるのは秤や物差しだ。
サイズ感の事だけではなく、サイズを計る物もスケールと言う。
何だろうか。秤になる物質?分銅的な?
もしかしてコレ、1ポット原器?
でも日常生活でそれほど必要とされるはずが無いので、
本来はもっと何か別の用途があるはずなのだが、全く思い浮かばない。
「誰か、これの使い方判るか?」
「いえ、初めて見ました・・・」
「何でしょうね?軽くて、よく見ると向こうが透けて見えます」
「うーん、俺も初めてです」
「コレ食べられるー?・・・ますか!」
こらこら、ヴィーは飴か何かと勘違いしていないか?
スケールなんだから間違いなく食用では無いだろう。
氷砂糖の結晶なら、もっと判りやすい名前になっているはずだ。
「良く解らない物を口に入れるな!赤ちゃんかッ!」
「うふふ」「ヴィーはいつも食いしん坊ですね」
「昼はちゃんと食べたかい?」
「むー!」
みんなの笑い顔がヴィーに集まり、ふてくされた。
「でも、どうしていつも、ご主人サマさいごにコレ使うの?」
ヴィーは自分が最後に剣を借りる事を不思議がり、剣自体を眺めている。
ヴィーは迷宮での条理について、まだまだ知識が足りない。
石化した魔物の防御力が増す事も、
この剣が防御力を減算する事も知らないでいる。
やはり何らかの説明が必要だろう。
「石化した魔物にはこの剣しか有効では無いのだ。他のだと弾かれる」
弾かれる、と言うのは言い過ぎだが、
石化すると防御が上がってしまい、
通常攻撃が効き難くなるのだとセリーが説明していた。
防御減衰の効果があるこの剣でなければ、
まともなダメージが期待できない。
デュランダルを出すのは・・・ポイントの再配置が面倒なだけだ。
ヴィーから借りれば一瞬だし。
「それじゃあアタイがやる!・・・やります!」
いや待て、それはとても困る。
お前が倒したら色々旨くないのだ。
なんて説明を・・・経験値倍増のスキルはちょっと流石に言えない。
「ま、魔物が倒された時に、自分が止めを刺した方が、
アイテムが何か確実に解るからな」
「ちゃんとひろうよっ!」
弱いっ。
説明になってない。
自分でも判る。
「う、うん、そうだがうっかり踏んづけてもいけない」
「そっかぁ・・・?」
もう一息か?
無理か?
何となく察してくれたらしく、それ以上の追及は無かった。
アナの視線が痛い。
無理筋を言っていると、この娘は解っている。
ようするにヴィーに倒されたら旨みが無いのだ、判ってくれ。
「あ、あっさり倒しすぎたので、もう一度かな」
「「かしこまりました」」「大丈夫です」
「次はヴィーがボスを止めてみろ」
「あいっ!」
ヴィーをその気にさせて有耶無耶にできた。
今回は何とか追及を逃れたが、再燃しない事を祈ろう。
一度18層にタッチして待機部屋に戻る。
「ではボスがヴィー、雑魚は3人で囲ってくれ。次は魔法を使わない」
「「「「はい」」」」
2回目のボス戦では、お供はグラスビーが出た。
アナが詰め寄り、全ての攻撃を引き受ける。
左右からジャーブとナズが、リーチを生かして牽制しながら突いていた。
素晴らしい布陣だ。
これならば敵はターゲットを変える事が無い。
ボスが魔法を使わないかどうかだけを注視しながら、ヴィーを見守った。
ボトルマーメイドが結構な高さから急降下し、
ヴィーを目掛けてタックルをする。
それを両手の剣をクロスさせて十字で止め、
逆に押し返して2刀で袈裟切りにした。
ガシュっと鈍い音が響いたので、今のはクリティカルだ。
ヴィーに押されたボトルマーメイドが、
いったん距離を置こうと背中を見せて遠ざかる。
ヴィーの方が速い!
プレートメイルを着ているはずなのに!
素早く空中を漂う事ができる魚相手なのに!!
ヴィーがダッシュして追い掛け、
ジャンプして勢いを付けた状態から両手の両刃で一気に叩き潰した。
斬ったではない。
床に叩き付けられたボトルマーメイドが、
態勢を整えるためにピチピチと跳ねる。
そこにナズが参戦して来た。
側方から加速してきて、
ジャンプしてから槍をぶん投げて突き刺し、
着地と同時に回収して間合いを取る。
起き上がろうと態勢を立て直していたボトルマーメイドが、
再び打ち付けられてビチビチ跳ねまわる。
ダッシュでも間に合わないと考えて、投げつけた訳だ。
なんだこれ、流星衝?・・・大技が炸裂するRPGか何かか?
雑魚は?
・・・既に消えていた。
石化ではなく、3人が倒してしまった。
ま、まあ階層の倍のLvだし、
パワー系の2人があれだけ一方的にボコれば・・・。
いやいや、ぼーっと見ていてはいけない。
そのうちホントに、彼らだけで迷宮が回せるようになってしまう。
既にアナとジャーブが囲いに加わっていた。
「ヴィー、もういいだろう、離れてくれ」
「あいっ」
2連射のサンドストームと合わせて弓を入れると、
ボトルマーメイドは煙になった。
「アイテムも良く解らないし、旨みが少ない。
ヴィーも戦果を上げたし、もう十分だろう?」
「もう次に行かれるのですか」
「そうですね」
「流石にどんどん潜り過ぎて、俺は少し不安です」
「アタイはだいじょうぶ!」
半々の意見となった。
手応え的には十分だが、いつもならばもう少しボスを周回していた。
そのあたりが不安の要因なのだろうが、
アナにやらせてもヴィーにやらせても、結局一瞬だ。
旨みが無い階層はさっさと切り抜けたい。
ボス部屋奥のゲートをくぐり、18階層へ踏み込む。
「アナ、この階の敵は?」
「ええと・・・、気配では何がいるのかは掴めませんが、
ここの階層もケトルマーメイドが沢山いるような気がします。
高速で行ったりきたり、漂っている感じです。
あとは歩行型の魔物がいますね」
確かに、この階層でもケトルマーメイドは出るだろう。
それが多い。
5匹グループが多いからなのだろうか?
警戒を怠らないようにしなければ。
アナの導き通りに進むと足が付いて歩く半魚の群れ・・・、
鑑定してみたが、マーブリームと出て来た。
どう考えてもおかしい。
ケトルマーメイドが人魚で、マーブリームが魚のはずだ。
逆では?
豆腐と納豆の関係が、この世界にもあった。
5匹集まっているので、これは人魚群でいい。
しかし、ブリームは鮒だ。
紛う事なき魚なのだ。
これはお魚の天国だ。†
足が付いていて気持ちが悪いが、現地人が魚と言うのだから魚だ。
動きは亜人の魔物とさほど変わらない。
素早く走り、多分あの先の尖った口で追突してくるのだろう。
顔を振って当ててくるかもしれない。
こちらも水魔法を使って来るだろうが、恐らくは全体範囲だろう。
ケトルマーメイドと同じでは無いはずだ。
あちらは口のくびれから、単体のウォーターボールを発射する。
どうせ注意するのはナズと自分だけなので、
全体に向けて何か説明するような事は無い。
サンドストームを連射して前列には攻撃を耐えて貰い、
ナズが牽制と中断をして届かない敵には弓で狙い撃つ。
18階層のマーブリームは5発目を要求してきた。
順当にHPが上がっていくのだ、これは仕方無い。
ジャーブが対峙していたマーブリームだけは2ターンで消滅したので、
要求ダメージは4.5発程度なのだろう。
もう少し魔法ダメージを上乗せしたいが、今の所これ以上の方法が無い。
これからは3ターン耐えて貰う事になる、ジャーブ以外。
・・・やっぱ強いな、あいつ。
ヴィーは両手で止めるのが上手くなっている。
捌いて刺す、捌いて斬る、捌いて叩き潰す、3通りの手法を駆使している。
木の盾ではなく、木刀もう1本の方が練習になるだろう。
家に帰ったら剣を1本追加してやろうか。
魔法発動3ターンまで特に何も問題は起こらず、
あっさりとマーブリームは白身に変わった。
基本的に体当たりしかしてこなかったので、
これで何かあったらセンスを疑う。
魔法さえ潰せば何とでもない魔物であった。
「どうぞ、ユウキ様。白身ですね」
床に散らばった白身を、ジャーブが拾い集めて渡してきた。
「ヴィー、やったな!今夜は魚料理だ」
「そっか!食べたい!・・・あ、いえ、食べたいです」
一瞬素に戻った気もするが、控えめなヴィーに戻ってしまった。
「この階層では人の気配が多く感じ取れます。
競合する探索者も多いので、攻略はすぐ終われそうです」
人が多いと探索が面倒になるのではなくて?
横を通り抜けるのはご法度だと言っていた気がするが。
「なぜ人が多いとすぐ終わるのだ?」
「中間部屋やボス部屋で留まるパーティがいれば、位置が判りますので」
「なるほど」
そうか、アナは人の動きや留まり方で迷宮の構造が判るのだった。
気配で判断する、彼女らしい把握方法だ。
そんな中アナは既に次の敵を探していて、自分たちをその場へと導いた。
前衛2人が壁をなし、アナはその隙間から石化を狙う。
グラスビーが1匹混じったので、状態異常耐性ダウンを掛けておいた。
サンドストームを唱えると、後は待機時間が終わるまで何もする事がない。
魚料理はたくさん食べたいので、
アナにはボス部屋を目指しつつ、
雑魚もなるべく倒す方向でお願いをした。
魚が食卓に加わると、本格的に醤油が欲しくなる。
塗って焼けば、もうそれで料理だ。
バターを敷いて数滴たらせば、もはや料理だ。
素焼きにして醤油に付けて食べたら、それでも料理でいい。
ミチオ君はフィッシュフライにした。
自分なら・・・そうだなあ、フライサンドが良い。
揚げパンにフィッシュフライを挟んで、
炒めたキャベツにマヨネーズとチリソースだ。
完璧だ。
「ガハッ・・・ガラポコプァ・・・ゲホッ、ゲホッ」
惚けていたら全体水魔法を食らった。
それも結構苦しい。
喉の奥が焼けるように痛い。
「申し訳ありませんご主人様!詠唱してくる敵が多くて止めきれません!」
しまった。
折角詠唱中断を付けたのに、完全に仕事を放棄していた。
ちゃんとしなければ・・・。
その後も出てきたのは殆どが魚と人魚だった。
人魚と言うが、見た目は殆ど魚だしもう全部魚でいいや。
混戦になっても殆どが魚だ。
銀の魚と赤い魚。偽人魚と偽魚。
偶にグラスビーが出るが、アナが一瞬にして落下させる。
空中の敵は石化するとポトリと落ちるから良く判る。
それにこの階層では2匹以上のグラスビーが出て来る事も無かった。
また、極々稀にフライトラップが出る事もあるが、
もはや魚の根城にはするつもりはない。
アナに任せて一瞬で石化させる。
白身ばかり集めても仕方無いので、
2枠揃ったところでボス部屋に向かい、今日の探索を終了にした。
ボスは待合が溢れていたので止めにしたとも言う。
魚やマグロは人気なのだろう。
この辺りは魚が取れないので、
料理店からの注文が定期的にあるのかもしれない。
しかしこれだけ倒してもお頭付きはゼロ。
運の無さが酷い。
そういえば蛤も、これまで殆ど出て来なかった。
明日はツナとの戦いだ。
トロは手に入れたいが、どうせこれも厳しいだろう。
これまでのドロップ運だ・・・全く期待はできない。
ここへ来て放置していた料理人を育てたくなって来た。
ドロップ率0.001が倍になって0.002とか、
そういうんじゃないよね?
ちゃんと下駄を履かせてLv%、5.001とかにして下さいよ?
設定の神様、お願いします。
ミチオ君は生ではトロを食べなかった。
手に入れたらチャレンジしてみたい事がある。
しまった、自分でフラグを盛ってどうする。
∽今日のステータス(2021/10/06)
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv42
設定:探索者(42)遊び人:土魔法/MP中(27)
魔法使い(29)英雄(33)博徒(21)
心眼の聖天弓(命中2倍 知力2倍 詠唱中断 ++)
竜革の帽子(++)ミスリルジャケット(++)竜革の手袋(++)
竜革のブーツ(+)身代わりのミサンガ(身代)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv37
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv36
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv28
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv30
↓
・フジモト・ユウキ 人間 男 21歳 探索者 Lv43
設定:探索者(43)遊び人:土魔法/MP中(28)
魔法使い(30)英雄(33)博徒(22)
心眼の聖天弓(命中2倍 知力2倍 詠唱中断 MP回復 +)
竜革の帽子(++)ミスリルジャケット(++)竜革の手袋(++)
竜革のブーツ(+)身代わりのミサンガ(身代)
・ナジャリ ドワーフ ♀ 16歳 鍛冶師 Lv37
・アナンタ 猫人族 ♀ 20歳 暗殺者 Lv37
・ジャーブ 狼人族 ♂ 28歳 騎士 Lv29
・ヴィクトラ 竜人族 ♀ 12歳 竜騎士 Lv31
・トラッサの迷宮
Lv 魔物 / ボス
15 フライトラップ / アニマルトラップ
16 グラスビー / キラービー
17 ケトルマーメイド / ボトルマーメイド
18 マーブリーム / ブラックダイヤツナ
・入手素材
白身 × 82
銅 × 13
蜜蝋 × 11
スケール × 2
・異世界31日目(昼過ぎ)
ナズ・アナ26日目、ジャ20日目、ヴィ13日目、エミ6日目
工事の日まであと1日




