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DIE A LOG  作者: さまー
2章 ~Die a Loger~
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22.中と外より

激戦区から少し離れた後方から、法寺理貴らは待機していた。

現在は、能力を使うために体力を温存し、運ばれてくる遺体を待っているという状況である。

最前線で何が起きているかは、大体の経験から察しがついていた。

「北東西の方はもう突入してるんじゃないですかねえ…結構早く攻め入ってますよ…」

法寺は隣で同じく待機する柴田にそう告げた。

「でも、みんなが戦ってる中で、こうして指咥えて待ってるのは、俺の性には合わねえっすわ」

「同感だ。俺もこんな役割あたってなけりゃ突っ込んでら」

法寺も柴田も、前線での経験豊富な男たちだ。それゆえに前線の様子が気になって仕方がない。

罪悪感も一入(ひとしお)だった。


そんなとき、凶報が急遽入ってきた。

『後藤伍長ら南方囮部隊が急遽突入作戦に変更! 数名の負傷を負いながら敵陣内へと入っていきました!』

その情報を聞いて、法寺らは表情を変えた。

「…こんなの…ダメだ。こんな作戦にした意味がない…」

伝令を受けて、法寺は立ち上がる。

「…どこへ行くんだ?」

なぜか冷たく感じる南風を受け、柴田は法寺を止めた。

「南口へ」

法寺は静かに呟いた。柴田は納得などするわけには行かない。

「ダメだ。お前はここで待っていろと言われただろ」

「後藤さんが何したいのか俺にはわからないんです! だから行かなきゃ!」

「やめろ!」

法寺の言い分はわからなくもない。

しかし、柴田にも役割というものがあった。

「お前にも役割というものがあるだろ! お前が死んだらこの作戦は意味を為さなくなるんだ! リスクを背負ってこの作戦を選んだのは、お前がいるからだ! お前が能力を活用したいと言ったからだ!」


「…すいません、俺に向いてる役割はやっぱり最前線らしいっす」

「…馬鹿…お前」

「死者の声がどうこうとかは言い訳に過ぎないみたいですわ… やっぱり俺、みんなが戦ってる後ろで待ってるのが何よりもイヤらしいっす」


柴田は鬼の形相で右手を伸ばす。「行かせてはならない」。そう悟ったのだろう。

しかし無情にも法寺は彼の右手をするりと抜け走っていった。

「バカ野郎! お前は最前線に行っても下手に守られるだけだ! そっちの方がもっと罪悪感に苛まれることになるぞ!!」

柴田の叫び声は、もう前しか見えていない男には届かない。

渋々、彼を追うことしかできなかった。


200㎡程度の柵の中。

東西南北のうちの東西北口からは既に突入していた。

圧倒的戦力と敵の物資不足が幸いし、予想以上に制圧は早くなると思われていた。

中井美和を筆頭に柵内を制圧していく最前線部隊は、非常に高い士気をキープしたまま敵をなぎ倒していく。

右手に片手剣、左に鉄製の盾を持つ中井美和を先頭に、その後ろをショットガンを構える高見蓮華とひとりの男。

後ろの二人も中井のサポートに徹している。

「敵の頭が見えたぞ! 一気に攻め込む! まだ敵は反撃体制が取れてない!!」


中井の言葉通り、敵はいきなりの襲撃に南下するしか術がなく、全く反撃ができていなかった。

「あと南口の奴らが加われば、もう終了だな」

「勝ったも同然だな!!」

前線の少し後ろに、余裕が生まれる。

これから南側で起きようとしている悲劇も知らずに…。

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