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DIE A LOG  作者: さまー
1章 ~Voice From The Frontline~
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20.作戦より

志場大尉の提案した作戦の構成は着々と進んでいった。

相馬少佐らは、蚊帳の外に置かれたことに、少し不満気味であったが、彼らの高く保ちつつある士気を下げるのは粋ではないとして口を噤んでいた。

「法寺理貴、お前は今回後衛だ」

「どうして!?」

中井の言葉に法寺は反発した。

「お前にはその能力がある。あたしたち最前線が場を制圧し、先遣隊の方々を持ち帰る。お前は彼らと対話し、これからに役立ててもらうのだ」

「な、納得できないです! 何のために俺はッ!」

「これからのため、って言ってもまだあんたにはわからないかな」

中井は渋々笑う。無理もない。法寺は、若いのだ。

「後衛の法寺理貴護衛部隊長は柴田恭則特等兵にお願いしたい」

「はい」

筋肉だるまの柴田は太い腕を組んで答えた。

「法寺よ、心配するな。この作戦では誰も死なん。そして作戦を遂行してみせる」

そんな自信、どこから来るのだろうか、と法寺は未だ納得していなかった。


部隊が完全に分けられた。後藤晴久率いる囮部隊が見張りの少年兵をおびき出し、中井美和率いる最前線部隊が柵内に突入。

そして、二次前線部隊、三次前線部隊が次々に突入し、柵内の激戦地を制圧するという算段だ。

「柵内の敵は先遣隊との戦闘で物資を徒に使用している可能性が高い。柵内の篭城ということもあって補給はほぼゼロに等しいからな」

「つまり、第一次、第二次と波を付けて襲うことで、相手の戦力を削ぎきる、と?」

第二次前線部隊長の堂島が問う。中井は頷く。

「そして第四次前線部隊の方々には、囮部隊の援護をお願いしたい。ただし、すぐには出てこないこと。装備が持つギリギリの10分ほどは必ず待機すること」

「はい、わかりましたよ」

第四次前線部隊長の茨城白棘は物柔らかな口調で答えた。


作戦部隊は10時25分に完成した。

突入の正午過ぎまで少し時間ができた法寺理貴は、駐屯地のテントに戻っていた。


「後衛―か」

静かに呟く。荷物の中から携帯電話を取り出してある人物に電話をかける。

「…もしもし、カンベエ?」

電話の相手は、カンベエと云う男。


『お、理貴か』

彼は、芹沢、春野と同様に法寺の同期だった男だ。勿論、法寺の能力については知っている。

今は別の作戦部隊に属しており、この地にはいなかった。

『元気してた?』

物静かでそんなに多くを語らないこの男も、法寺の戦友のひとりだ。

「あのさ、カンベエ、俺、あの能力のこと、みんなに言うことにした。そしたら、作戦の軸に置かれちまったよ」

『ふっ、それじゃ前線には出られないんじゃないのか?』

法寺の思考を完全に理解している。さすが同期というだけのことはあった。


『まあ、理貴の決断なら、僕は正しいと思うよ』

その言葉を聞いて法寺は安心した。別れの挨拶を告げると、電話を切り、散乱する荷物の上に投げおいた。


「いくか…」

ゆっくりと立ち上がり、テントから外にでた法寺理貴。

「仕方ねえか…俺が決めたことだし」

呟く顔に、少しの蟠(わだかま)りが見られたが、それも吹っ切れた様子だった。

南中の近い太陽が彼を照りつけ始めた。

これで第一章は一応終わりです。

ここまで読んでくださった皆様、大変ありがとうございました。

次の話はおさらいを含めた総集編に近い何かを投稿したいと思っています。

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