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魔物狩り

仲間達が新しく手に入れた武器の練習をしていると、一匹の猪型の魔物が襲ってきた。

鍬を持った……多分ビスマスが魔物を囲むように指示し、一斉に攻撃をしかける。

あっけなく魔物は倒れた。

村の屍は、魔物を手際よく捌く。

村の屍は血と内臓が食えると、ビスマスは教えていた。

私の元には多量の焼き肉が運ばれ、皆は魔物の血と内臓を楽しんだ。


しばらく食事をしていると、

突然冒険者パーティが現れる。


「大丈夫か?」

私はリーダーっぽい男に声をかけられる。


「大丈夫。でもちょっと困ってるの。肉が余って、あなた達も食べてくれない?」


「肉?周りのはアンデットだろ。あんた平気なのか?」


「もちろんよ。私が復活させたんだから」


「お前は魔族か?」


「いえ、聖女よ。王国の元聖女」


「あれ。聖女様よ。本物の。皆武器をしまって」

魔法使いっぽい女が言った。


皆警戒しながら、近寄って来る。


「私達は、ここら辺に猪型の大型種がいるとのことで依頼されて、ここに来たの。あなた知らない?」

魔法使いっぽい女は尋ねた。


「それだったらこれ。食べちゃった。ダメだった?」


「あなた達が?相当強い魔物よ」


「うん。皆で囲って、すぐだったよ」


「あの……、それで取引しない?」


「どうするの?」


「その猪の牙を頂戴。代わりになんか上げるから」


「いいよ。皆牙は食わないよね」

皆頷く。


「おい良いのか?取引なんかして」

リーダーっぽい男は女に尋ねる。


「依頼されたのは、討伐よ。そして証拠があれば、それでお終い」


「とりあえず、肉食いなよ。美味しいよ」


「頂きましょう」

冒険者達は、皆肉を食べだした。


「うわぁ。うめぇな」

冒険者達は喜んでいる。


「ひさしぶり。人の声聞いたの」


「アンデットの仲間は声を出せないのかい」


「うん。でも手振り身振りで話せるから、別にいいんだけど」


「それより、私の事覚えていないかい?」

魔法使いっぽい女は言った。


「どっかで会った?」


「私あんたに助けられたんだよ」


「そうなんだ。いっぱい人を助けたから、ごめん覚えてないや」


「だろうね。でもなんで王国を裏切ったの?」


「裏切ってなんかないよ。魔族の孤児を匿っていたら、こうなったの。一族やここにいる仲間全員処刑」


「嘘。私達は魔物を招き入れたと聞いてるよ」


「そんな事してないよ」


「私もなんかオカシイと思っていたんだ」


「まぁ別に良いんだけどね。それで牙はどうする?」


「そうだね。報奨金を山分けでどうだろう?」


「いいよ。じゃあ持っていきなよ」


「信じてくれるの?」


「裏切られるのは慣れてるから、別に裏切ってもいいよ。私にとってはいらない物だし」


「それはしない。報奨金が手に入ったら、必ず持ってくる」


「なぁ、あんたら魔物を食うのか?」

リーダーっぽい男は言った。


「この子たちが、血と内臓が好みっぽいから、食べてるだけ」


「そうか……、実は俺ら、高レベルの魔物を専門に狩ってるんだ。協力してくれないか?」


「私はこの子たちの食料と、報奨金の半分を得る。あんた達は実績と金をリスクなしで得るって事?」


「あぁ」


「図々しいわね」


「そうだな。すまない。忘れてくれ」


「いいわよ。高レベルの魔物って事は、国民が困ってるんでしょ」


「そうだ。大勢死者が出てる」


「わかったわ。ただし……」


「いい加減名乗りなさい。私はクロム」


「私はヒソ、魔法使いよ。こっちはモナズ。剣士でリーダー。それとこっちは……」


「うん。よろしく。あのさ、買い物とかもしてきてくれる?私達王都には近寄れないし」


「あぁもちろん。何が必要?」


「この子達の服装。もう少しキレイな服を着せてあげたい」


「うん。でもどうしよう。多量の服を買うと怪しまれるわ」


「大丈夫だろう。日と店を分けて購入し、門兵には別の村で売るとか言えば良い。武器なら怪しまれるが、服なら大丈夫だろう」

モナズは言った。



モナズは皆の性別とか身長などを確認し、メモを取っていた。

「アンデットというのは、ウエストとか気にしなくていいから、楽だな」

モナズは笑った。


「笑えない冗談言うのはやめて、不謹慎だわ」

ヒソは目を細める。


「気にしないで、私も思っていたから、ねぇ」

皆を見ると、腹を抱えたふりをしている。


「あなた達ずいぶん前向きね。王国を恨んだりしていないの?」


「王国を恨む?王国って誰のこと」


「それは……」


「まず私は、ほとんどの人に対して恨みをもっていないわ」


「では誰に?」


「私達を陥れた連中だけよ。あとは戦わない兵士かな」


「たしかに王国の兵士達には、魔物を前にして敵前逃亡する連中が多いからな。この村も本当は兵士が派遣されていたはず」

モナズは呟いた。


村の屍は首を振る。


「来てないのか?話によると、怪我人もずいぶん出たと聞いたが……」


「私もそういう村の話は随分聞いたわ。ここはどこの部隊の管轄なのかしら?」


「スミレ区だと思う」

ヒソは街の方角を指さす。


「そう……」


モナズ達は猪の牙を担いで帰った。

戻りは一週間後くらいになるそうだ。

私はスミレ区近くの村に向かった。

屍達には、村から少し離れたところで待機してもらう。


隠し持っていたお金を渡し、村人に尋ねた。

「スミレ区の兵士って働き者だと聞いたけど、本当なの?」


「働き者?あぁある意味働き者だね。あいつらはね。討伐命令がくだっても、動こうともしない。挙句の果てには、私らから食料を巻き上げる。魔物よりタチが悪いよ」


「それは皆なの?」


「昔はまともな連中もいたさ。でもね。全部口封じされちまった。あそこの墓地あるだろ。あそこは仲間に殺された兵士達の墓地さ」


私は墓地に向かう。

そこには三十ほどの墓があった。


私は村に戻る。そして皆に伝えた。

「スミレ区の兵士達にお仕置きをしましょう」


夜になるのを待ち、私達は墓を掘り返す。

そして棺桶を開け、術を施す。


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