第4話 街を作ろう!
マグティアと今後について話していく。
「動物はどうする?」
「勝手に連れてきて増やしちゃおう。一匹ずつコピペした方が安全かもね、遺伝子の多様性が保たれるし」
「そうだな。調味料は……私の世界のものを真似するか。……収穫というより、機械仕掛けにするのはどうだろう? ボタンを押したらジャガイモが出てくる、みたいな」
「あ〜、それアリ! キミってやっぱり頭良いねぇ〜!」
「ふふん、高校は首席で入学したからな」
「へぇ〜」
(知ってる。だってボク──────)
(────────キミのこと、産まれる前から見てたし〜!!笑笑)
「なに笑ってるんだ? マグティア」
「ん? いや、なにも」
「そうか。そうと決まれば、機械作りだな。食材は加工済みのものにした方が作業が楽か……?」
「腐らない魔法とかかけとくのは?」
「採用しよう」
思いつく限りの食材を出す機械、名付けて─────────ポン蔵くんを作った。食材をポンと出してくれる。
「こいつは、ポン蔵くんベータ版だ」
「ぱ、ポン蔵くん? え、なに? 聞き間違い?」
「いや、ポン蔵くんだ。おかしいか?」
「え、うん……まぁ、いいんじゃないかな!笑」
(ダサくて面白いし! 今後食料問題とか解決するときに、「ポン蔵くんです」って言って出すのかな? おもしろ〜笑笑)
内心爆笑されているなど知らず、私はポン蔵を量産した。
「逆に、ゴミはどうするの?」
「それ、な。スライム達にも、ゴミを食べさせる癖はつけたくないんだよな……」
前は、スライムだしゴミくらい食べればいいと思っていたが、どうにも愛嬌が湧いてしまって。配下だし。
「そこで、これだ」
てってれ〜
「『パクパクくん』」
「で、でた〜!! 笑笑」
「なんだ?」
「いや……ゆるいなって!」
「そうか。とにかく、こいつがゴミを食べて消してくれる。これを各家に一つ置く」
ちなみに、ゴミ消失機能はゴブリン達のトイレにもつけている。使い終わったあと、ボタンを押すだけで中身が消えるのだ。
その後、訓練場、宴会会場など公共施設を作った。
「戸籍もいるか?」
「というか、ナンバーがそれじゃない?」
「あぁ、たしかに。……だが、他の国に行くにはパスポートもいるよな? 私達の国を国として認めてもらう必要があるか……」
「たしかにね。王座評議会に参加させて貰えば?」
「なんだそれは?」
「各国の王様が集まるんだよ。今回の主催は、蛇族の王、マニャータだったかな」
「なるほど。……じゃあ、こうだ」
1.マニャータの元へ言って、ゴブリンの衛生状態を私達が改善することを提案する。
2.ゴブリンの元へ行って、私達の国に来てもらう。
3.衛生状態改善を報告して、王座評議会への参加を願う
おまけ.市場調査をして、商品の案を考える。
「いいんじゃない?」
「決定だ。……そろそろ朝になるな」
「ホントだね。そろそろ朝の鐘が鳴るね!」
リーン、ゴーン……
「……朝の放送とかあるといいな。やりたい人、いるだろうか」
「ふーん、掲示板モニターに放映しといたら?」
「そうだな。それから、皆が各々やりたいことをさせてやりたい。訓練は一日2時間やるとして、各々の趣味を広げれば、市場価値にもなりそうだ」
「いいねぇ。はー、ボク疲れちゃった。ベリア、お茶淹れてほしいな♡」
「……仕方ない、それくらいはやろう」
ポン蔵が置かれている、まぁそこをポン蔵マーケットと呼ぶとして、そこに行って茶葉を貰ってきた。私は紅茶が好きだったので、色々なフレーバーを思い出しては作ったのだ。
「ボクはローズヒップティーが好き〜!!」
「華美だな。私はほうじ茶が好きだ」
いくつか茶葉を貰ってきて、ティーポットでお茶を淹れた。
「おはよぅござぃまぁす……」
眠そうなライムがほにゃほにゃと起きてきた。
「おはよう、ライム。お前もお茶を飲むか?」
「お茶? なにがあるのぉ?」
「緑茶、ラムバニラ、ローズヒップ、アッサム、アールグレイ……それから、お前のためにライムティーも作ってみた」
「じゃあ、ライムティーがいいなぁ」
「わかった。今淹れよう」
ティーポットを洗って、また淹れ直す。
「どうぞ」
「ありがとうございます!」
一口飲む。
「わーっ!!」
ライムが踊り出した!!
いや、トモダチコ○クションか!?
「ぼく、これ、すごく好き!!」
シャキーン! と目が覚めたらしい。
「そうか。それは良かった」
「へぇ〜、良かったじゃんカスライムくん」
「うん! ってその呼び方やめてってば!」
「なぁ、ライム」
「ん、なぁに?」
真剣な空気が流れる。
「率直に聞こう。ライム、お前は何がしたい?」
「!!」
ライムの目がキラキラする。
「ぼく、ぼく、! ベリア様に侍らされたい!」
「!?!?」
「それで、交渉の場? で、相手を誘惑したい!!」
「っ、!?!?」
「ぼくの毒を媚薬にして────────」
「ま、待て待て。それは危ない。だが、本当にそれでいいのか?」
「うん! ぼく、ベリア様の為に頑張る!!」
ふんふん!と鼻息荒く意気込んでいる。
マグティアは大爆笑だ。
「っあははは! 面白いじゃんカスライムくん! いや、ライムくん! お前大物になるよ!」
「えっ、今名前……!」
「あぁ、でもまだ名前で呼ぶには早いか。ちゃんと成果を出してからだな! カスライムくん!」
ズコッ!
「もう! まぁ、見ててよ! ぼくの活躍するところをさ!」
「これは使ってやらないと可哀想だねぇ!」
「ほんとう!! やったぁ!!」
「しかも、よく考えてみろ。スライムは変化かできるから、どの種族の生殖器も再現できる。これは素晴らしい配役かもしれないな」
「ぼく、頑張るよ! でも、でも……」
ライムがもじもじし始めた。
「は、初めてはベリア様がいいなぁ……」
「は? おいカスライムテメェ言っていいことと悪いことが……」
「まぁまぁ!! 落ち着けマグティア!!」
マグティアが激おこだ。空気が明らかに重たい!!
「さ、三人ですればいいだろう!!!」
「は……」
「え……?」
(ナニを言ってるんだ私は〜〜!?!?!?)
マグティアが怒ってるのなんて初めて見たから、驚いて変なことを言ってしまった。
「なし、なし! 今のは────────」
「へぇ、熱烈なお誘いじゃん? これは断れないよねぇ、ライムくん!」
「うんうんっ!」
そして、その日私は知ったのだ。
マグティアの大きさと、ライムの色気を───────。
〜
「ひ、酷い目にあった……」
「ベリア様、お水どうぞ!」
「あぁ、ありがとう……」
「なーにカップルみたいなやり取りしてんの!! ほら、ボクからもお水!!」
「あ、ありがとう……」
恥ずかしかったので、事が終わった早々服を着させてもらったが。二人にも。
「朝から何をしているんだ私は……もう昼過ぎじゃないか」
「あ、訓練しないと! 二時からだよね!」
「そうだった。皆を訓練場に集めて、訓練を始めよう」
街と家には時計がある。
「皆で訓練だな!」
「はーい!!」
〜〜〜
「うーん、ここじゃ危ないなぁ……」
「どうした? マグティア」
「うん、やっぱり危ない。ベリア、訓練のために、森の方に行こうか!」
「? わかった」
よく分からんが、森に出た。
「見ててね 」
「? あぁ」
空気が変わる。
ピリッ……
「天圧執行」
──────バキャァッ!!!
瞬間、目の前の木が潰えた。
「きゃっ!?」
「はは、凄いでしょ〜? これがキミのメインウェポン。今日は、キミにこれを覚えて貰います! なに、簡単だよ! 対象に集中して、ちょっと強く押すだけ!」
「な、なるほど……」
(って、これ、夢でやってるヤツだ〜〜〜!!!!)
私の驚きをマグティアは知ってるだろうか。なんでこんな都合よく夢のものが出てくる?
「なぁ、私の夢を覗いたことでもあるのか?」
「んふ? なんの話?」
「いや、なんでもないが……」
だが、今のを真似すればいいのか。
指を二本前に出し、親指を下に出す。その間に、目の前の木があるのをイメージして─────────
────────潰す!!!
「天圧執行!」
バキャァッ!!
「きゃっ!!」
「はは、びびり〜笑笑」
「あ、当たり前だろ! こんなの簡単に人が死────────」
人が、死ぬ?
もしかして私は、この先、人を───────
「あ、気付いちゃった?」
マグティアが私の顔を覗き込む。その悪戯な笑みを見て、殴りたいとは思えず。
私はただ────────その場にへたりこんだ。
「わ、私が、人を傷つけないといけないのか? 国家運営のために?」
「大丈夫、大丈夫。初めは誰だって怖いよ」
マグティアが私の肩を優しく摩る。その優しさが気持ち悪かった。
「まさか、マグティアも?」
「ふふ、まぁ、神位継承戦の時にやりすぎちゃったりしたりは……したかな」
「ひっ……」
私は地面を見つめた。とても、マグティアの方なんか見れない。
「怖い? やめる? でもそうしたら、スライム達、可哀想だなぁ……」
「な、なにがだ」
「せっかく新しいリーダー見つけて、新しい生活を貰って、とっても嬉しそうだったなぁ〜……。ボクが国家建設のこと話してたら、ナカマが増えるんだ! って喜んでたなぁ〜……」
「っ……」
「ねぇ、今更引けないでしょ? ベリア、キミは魔神なんだから」
バシッ!
背中を強く叩かれる。
「覚悟決めよ!♡」
マグティアの優しく甘い声が、悪魔の囁きに聞こえた。
私は、とんでもないことに足を突っ込んでしまったのではないか?
一瞬、そう思った。
「っ……仕方ない。これも全部、スライム達を幸せにする為だ」
「うん! てか、そもそも殺さなくて良い方向にキミが動けばいいだけだよ! 話し合いで解決する範囲はするとかね〜」
「!! たしかにそうだ。もう、あまり脅かすなよ!」
「ははは笑」
(ま、どうなるかな……)
実際、未来の事などマグティアにも分からない。
だが、ベリアが人を傷つける術を手に入れたのは、確かな事実として残るのだった。
「あと、応用でもないけど。上から押すだけで潰さないこともできるよね! 相手に土下座させたい時に使いな〜」
「おぉ……」
私は試しにマグティアに使ってみた、のだが……
「ん? ボクには効かないよ!笑 だってキミ、ボクから見たらザコだもん」
「っ、どういう意味だ、それは」
「キミが強そうに見えるまで、ボクのイメージの中では、キミはボクに敵わないってわけ」
「……敵わないな」
はぁ、とため息をついた。
本当にコイツは底知れない。
「そうだ。威嚇用に分かりやすい魔法を使えた方が便利だよな? 炎とか」
「じゃあ、威圧を覚えたら?」
「威圧?」
「うん。というか、上位神とかは無意識に使えるんだけど」
ドンッ!!!
鳥が羽ばたいた。
冷や汗が垂れる。背筋が寒い。私はマグティアから、威圧を受けていた。
思わず目線が下がる。足元を見つめて、ひたすら汗をタラタラ流していた。
「ま、こんな感じ! おーい、もう解いたよ!」
目の前で手をひらひらされて、初めて意識が戻った。
上位神の位は伊達ではないようだ。
「これは……怖いな……」
「そうでしょ? これをイメージして使うといいよ〜。でも、使い所は考えなよ!」
「わかった。ありがとう、マグティア」
「うん! 良い子!」
そんな感じで、威圧を覚えたのだった。
「さぁ、そろそろ訓練終わりかな! この後はどうする?」
「スライム達に、やりたいことを聞いていく。並列思考で、並列してやりたいことに合わせた物を作っていくんだ。蛇族の国に入国が許可されるようになったら、そこで各々情報を集めてもらって……その前に通貨をスライムに渡すのが先か。まぁそんな感じだ」
「ふーん! いいんじゃない!」
ということで、街に戻った。
そして、スライムに聞きこみ調査をしていく。
「No.251。来い」
「はいっ……!」
緊張しているな。
「ふっ、そう緊張しなくていい。お前に名を与える。お前は今日から、ミーナだ」
「っ……! ありがとうございます……!♡」
おしゃれ番長、ミーナは涙ぐみ。胸元で両手を握りしめ、嬉しさを堪えるように笑った。
「ところで、お前は何がしたい?」
「私は、お洋服を作りたいです〜♡」
やはりか。
「ミーナ。お前を服飾部長に任命する!」
「え! やった〜♡」
ミーナには、イメージを伝えると服が出てくる、服用ポン蔵を作った。
「見てください、ベリア様! 初めてお洋服作りました、♡」
細かいところはなっていないが、一応服としては形になっている。
「素晴らしい。その調子で励めよ」
「はいっ!!♡」
服を作りたい者が他にも30人。
そして、なにやら50人の音楽隊が出来た。
指揮者も一人できたので、そいつを音楽隊隊長にした。
「お前の名前は、今日からムジカだ!」
「ははーっ!」
その他に。
武器を作りたい者が、20人。
料理をしたい者が、200人。
絵を描きたい者が、10人。
建築をしたい者が、100人。
商人をやりたい者が、50人。
諜報をやりたい者が、10人。
研究をやりたいものが、20人。
畜産が50人。
警備隊が50人。
騎士団が200人。
医療班が40人。
そして何故か、ライム率いるお色気隊が20人。
他にも、お菓子作りとか、温泉作りとか、本を書きたいとか、図書館を作りたいとか、新聞を作りたいとか、ゲームを作りたいとか、色々。
お祭り実行委員会というのも出来た。参加者は、仕事と兼務しつつで50人。
なにもやりたい事が無いものも何人かいる。
あと、何人かは探検隊として出かけて行った。自由だ。
そして、各々の情報を共有する為、スマホを作ってみた。通話機能、チャット機能、カメラ機能がついている。
早速グループを作ったらしい。なになに……
「今日のレシピ……いや、ク○シル!? もしくはクック○ッドか!?」
そんな風にわちゃわちゃ発展していった。
〜〜〜
ピコン
「『今日の爆発!』って……研究部はまた爆発したのか」
ピコン
「お色気隊が服飾部を占拠……?」
『おい、ライム? 何してるんだ』
『色気のある服を作ってきます!!』
『はぁ、気をつけろよ』
「魔牛が産まれました……そりゃ良かった」
「家のデザインを変えたいです……? ふむ、私が出向くか。マグティアはどうする……あれ、マグティア? どこ行った?」
『マグティア様とゲーム制作中!』
「……まぁいいか」
私が見に行った先では、綺麗な和風建築のデザインが描かれていた。
デザインだが、想像から建物を作れる機械を作ってみた。
「なるほどな。採用。どこに建てる?」
「よっしゃ! あざす、ベリア様! じゃあ早速オレの家を建て替えてもらえますか!」
「うん。……あ、そうだ」
建築部には、建築を建て替える機械をあげよう。許可証とかも作って、違法に改築されたりしないようにして……。
並列思考でそれを済ませつつ、家を建て替える。
「おーっ!!! 流石ッス、ベリア様!」
「うん。No.501。ちょっとこっち向いて」
「なんスか?」
「名前をあげる。建築部長って事で、ケンゾウね」
「っ……よっしゃー!!! ありがとうございます!!」
ケンゾウは拳を突き上げて喜んだ。
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