第14話 火山に枯れない川を、リリスとエッチな服作り
「実は、相談があるのだ」
「どうした、ギオン。改まって」
「その、だな……」
むむむ、と眉間に皺を寄せながら、頭を下げた。
「火山に、枯れない川を作ってほしい!!」
「……川? リバー?」
「イェス、リバー!! なぜかというとな、ここ最近火山の活動が活発化して、湧水が軒並み枯れてしまったのだ! 鬼山は水不足なのだ……」
「それは大変だな。一刻も早く、川を作ってやらないと」
私達は鬼山に向かった。
〜
街の様相は、まんま温泉街。だが、その温泉も、水不足のため今は営業していないようだ。
「どこに作るかは決めてあるか?」
「もちろんだ! 火口から住宅街にかけて溝を掘ってある!」
「つまり、水源は火口なのか?」
「その通り! オヌシならできるであろう?」
「……できるだろうか」
つまり、マグマが近くにあるめちゃめちゃ熱いところに水を留まらせないといけないのか。イメージが肝心だ。
「ベリア殿には、火口は熱いと思われる。ゆえに、特別装備を貸そう!」
「特別装備?」
着替えた。
「これは……涼しいな」
「お似合いだ!!」
紫の差し色が入った、特殊な素材の服。どうやら、温度低下の魔法がかかっているらしい。
角を使った耳飾りも可愛い。
「では、向かおう!」
「あぁ」
火口に来た。
マグマから熱気が漂う。
「……ここから水を流すのか」
「左様!!」
火の近くに水、火の近くに水……。
火と水か……。
「……スライム?」
「ぬ?」
「そうか! 粘性をつければいいんだ!」
水をぷよぷよにして、使う時に割れるイメージ。
「いでよ、ぷよぷよの水!!」
ぷよーん!!
そしてこれを、無限に湧くように湧きどころをつくる。
「おぉ! 丸いぷよぷよの水が、川に沿って転がっていく!」
「段々馴染むはずだ。そうしたら好きなように使ってくれ。使う時は、つつけば割れて普通の水になる」
「素晴らしい!! ありがとう、ベリア殿!!」
「かまわない。お前の国に貢献できて嬉しいよ」
試しに手で掬って、割ってみる。
パチン!
バシャッ
「うん、ちゃんと水だ」
「しかも美味しいな!!」
「私、実は水にはこだわりがあってな。ダイエットのために美味しい水を沢山飲んだものだ」
「ぬ、ダイエット?」
あれである。1日2Lの水を飲むダイエット。
それをきっかけに水をよく飲むようになったのだ。
「水を飲むとダイエットになるのか?」
「健康には良いだろうな」
「ほう! 妻に教えるか!」
「お前……奥さんがいたのか?」
「左様! 子供は30人いる!!」
「おぉ、すごいな」
「皆可愛いのだ! ガハハ!!」
「ギオンは、いい父親って感じがするな」
「む! そうか! ありがとう! ガーッハッハ!!」
そうして、火山に川ができたのだった。
〜〜
ミーナとライムと一緒に、色欲族のリリスの国、エロージアに向かうのは明日か。
「楽しみだねっ! ベリア様!」
「そうだな」
ライムが暴走しないといいのだが……。
少し不安になりつつ、眠ったのだった。
夢を見る。
もわわ〜ん
「ベリアちゃぁ〜ん♡ 明日はよろしくねぇ♡ 歓迎の気持ちを込めて、今日は色欲族の固有スキル、夢の誘惑で、サービスしてあけちゃう♡」
「な、ななな、なにを!?」
「えーっと、ベリアちゃんの好きな人は、マグティア様と、ライムくんよね?♡ じゃ、お幸せに〜♡」
「ま、まてーーー!!!」
BOM!♡
そこに残されたのは、ベッド。そして、下半身にシーツをかけた、裸のマグティアと、ライム。
「おいで〜♡」
「ベリア様、こっち!」
「〜〜〜っ、いまいく!!」
何だかんだ、誘惑には勝てなかったのだった。
次の日の朝。
「……楽しかった」
自室に一人、言葉を零す。
何もなかったみたいに着替えて部屋の外に出ると、マグティアが朝食を作って待っていた。
実は、料理担当はマグティアとライムである。なぜなら私は……料理ができないからだ。
「あ、おはよー! なんか昨日、リリスちゃんが夢に出てきてさー! 夢の誘惑とか言って……」
「誰とした!?! 誰としたんだ!!」
詰め寄る。
「えっ!? そりゃベリアと……え、ベリアも?」
「……あぁ」
「あらまー……! っはは!」
ぎゅ!
マグティアにハグされる。
「かわいいねぇ、ベリアは!」
「……ふん。……離れろ!」
「ツンデレ〜〜」
「おはようございます!!」
ライムがやたら元気に起きてきた。シャッキリしている。
「ライム、おはよう」
「なんかリリス様が夢に……」
「お前もか」
「うん! え、2人も? えへ、ぼく達ラブラブだね!」
「……そうだな」
「ぼく、元気もらっちゃった!! 今日はいい日になりそう!」
朝食を食べて、早速、エロージアへ向かう。
今日のメンバーは、ライム、ミーナ、私、マグティア。
……一人多いな。
「え、ボクも行くよ?」
当然のようにのたまう。
「だって、えっちな服作りに行くんだよね? ボクも行くよ? てかリリスちゃんの歓迎受けたし!」
目がマジだ。
「……仕方ないな」
「いぇーい笑」
「じゃ、行くか」
扉で空間を繋げて、ひとっ飛び。
薔薇の飾られた王城に入ると、客間でリリスが待っていた。
「いらっしゃぁ〜い♡ あら、マグティア様も一緒?」
「歓迎受けたんで〜」
「あら? マグティア様には夢の誘惑使ってな……まぁいいわ♡ 今日は楽しみましょうね〜♡」
おい、マグティアに夢の誘惑使ってないって言ってなかったか? コイツは素でえっちな夢を見たのか?? バカか??
「こっちよ♡」
「リリスに手招きされると、地獄にでもついて行ってしまいそうだな」
「あら〜♡ 楽しいことしかしないわよ!」
案内された部屋に入ると、服用ポン蔵と、試着室、トルソー、画用紙が置いてある。
「じゃあ、今日はセクシーなお洋服を作っていくわよ〜♡」
「はーい!」
「はーい♡」
「まず、セクシーとはなにか? 皆はどう思う?
「見せること!」
「……かわいいことですか?♡」
「ベリア!」
セクシーか……。
「し、縛ること?」
ジッ……と視線が集まる。やめろその顔。
「あら〜♡ 中々いい線いくわね♡ セクシー、それはね、隠すことよ」
「隠す?」
「そう、隠すの。そして、少しだけ見せる。例えば、スカートのスリットから足が見えたり、胸の部分の布が、風でふわりとして胸が見えたり……」
「ふむふむ!」
「ぐふっ」
「マグティア!?」
マグティアが鼻血を出した。
「全部やろっか♡」
「このむっつりめ……」
どうせ私が着るのだろう。
「1回作っちゃうわね♡ ちょっとまっててね〜♡」
ポン蔵の前に座り、イメージを伝えて……ポンッ!!
水着が出てきた。
「じゃ、試しにベリアちゃん、来てご覧なさ〜い♡」
「……はぁ、そうだろうと思っていた。試着室を借りるぞ」
着替えて、鏡を見る。
「……隠すってなんだ。ほぼ見えてるじゃないか」
まぁ、色欲族だから仕方ないか。
「……着れたぞ」
「見して〜!!」
「見してください〜♡」
シャッ! カーテンを開ける。
「きゃー♡ かわいい!♡」
「ゴハァッ……」
「マグティア様ー!!」
マグティアが吐血した。
「あら、ここに扇風機が。あら、スイッチが!」
「きゃっ!?」
風が吹いて、胸元のレースがひらりとはためく。
「……」
チーン
「マグティア様が息してないよ!?」
「っは!! まず、死ぬところだった〜笑笑 いやー、かわいいね! 最高!」
「ベリア様、かわいいです〜♡」
褒められるのは、悪い気がしない……。
「……着替えていいか?」
「あら? 着て帰らないの?♡」
「こんな服着て歩けるか!! 私は色欲族じゃないんだ!」
だいぶ恥ずかしかった。
「ミーナちゃんはどういうのが好きかしら?♡」
「レース付きのピンクのギンガムチェックの水着とか、着てみたいです〜♡」
「あら、いいセンス!! 作るわね〜♡」
ポンッ!!
着替えてみると……
「きゃー! かわいいです〜♡」
「あら〜、似合ってるわぁ!♡ そのまま持ち帰っていいからね♡」
「ありがとうございます〜♡」
「次はライムちゃんね!」
「あの、ぼく、こういうのやってみたいです!」
ライムが取り出した資料は、女性用水着なのだが、胸の谷間の部分が、ハート型の金属で繋がれている。
これは……
「フロリダビキニか!」
「フロリダ? 初めて聞くわね!」
「私の住んでいた星の地域だ。そうか、これも描いたことがあったな」
「描いた? これをですか〜?♡」
「……なんでもない」
墓穴を掘った。やめろ、つつくなマグティア!! ニヤニヤするな!
「こんなセクシーな水着が……! ライムちゃん、貴方って天才だわ!!」
「いや、これはベリア様から教えてもらったの!」
「えっ、ベリアちゃんが!?」
「ごっ、誤解だ!! 資料として知っているだけで……!」
「あら、意外とやるのね……♡」
「聞けーー!!」
ともかく、ライムはこれを着るらしい。
ポンッ!
「着れたーー!!」
「っ……えっちすぎる!! 今すぐ着替えろ!!」
「いや〜、やるねぇカスライムくん!」
「ひゃ〜、えっちです〜♡」
「100点満点ね!! 色欲族にも負けず劣らずのセクシーさよ!」
「やったー!!ねぇ、ベリア様! 今日これで帰っていい?」
「いいわけがないだろう!!」
「ちぇ〜」
「それで……」
マグティアに視線が集まる。
「最後はマグティア様よね?」
「えっ、ボク???」
「そうだな、順番的にそうだな!」
「えっ、えっ、え〜!! ボクもえっちな服着るの? 誰得?笑笑」
「それはもう、ベリアちゃんよ!」
「なっ! 私は別に……」
「ベリアが見たいなら仕方ないか〜!! 何でも着るよ〜!」
「あ、じゃあマグティア様もフロリダビキニ着る? ぼくとお揃い!」
ライムが無邪気な顔でそう言った。このスライム、わざとである。
「っ、は?? はぁ〜〜〜!?! あれはカスライムがスライムだから着れたんだって!! ボクみたいな色々巨大な男が着たら、もう、ボロンだよ!!」
「ふむ……絵の資料に良いかもな」
「ベリア〜〜!?! 何企んでるの〜!??」
ポンッ!
「できたわよ〜♡」
「はやっ!! ……仕方ないなぁ、着るか〜……」
分かりやすく顔を赤くして、試着室に入っていく。
「うわ〜、ヤバいよこれ……」
「え、これ本当に見せるの? アウトじゃない?」
独り言が聞こえてくる。
「着れた〜?♡ 開けるわよ〜♡」
「あっ、ちょ、まっ!!」
シャッ!!
ふわ〜お♡
「……これは」
「っふー……新しい道を開いた気がします♡」
「わー! えっち!!」
「たまんないわね!!」
むちむちの胸筋にパツっと水着が張っている。
「も〜、流石に恥ずかしいよ〜!!」
マグティアは真っ赤になって、頬に汗をかいていた。
「これで水着が揃ったわね!! ベリアちゃん、今度の王座評議会は、人魚のウァルナちゃんの国、セレマリンで行われるから、丁度いいでしょう?♡」
「え、ボクこの格好で参加すんの!? 流石にムリ!!! もう一着作ってください!!」
「マグティアが敬語使ってるの初めて見たな……」
相当必死らしい。
そういう感じで、4人分の水着を作ってもらった。
「今日は泊まっていくわよね?♡ 特別なホテルを用意したから、お楽しみあれ♡」
「ありがとう、感謝する」
そうして案内されたホテルの部屋は……
「……ラブホテルにしか見えないが」
薔薇モチーフの部屋だった。お風呂にも薔薇が浮いているし。
一人一部屋貸してもらったので、まぁ変なことは起きな……
バーン!!
「ベリア〜! 来ちゃった!」
「部屋かわいいね!」
「……扉は静かに開けろ!」
来ると思ったよ……。何か言ってやりたくて、結局出たのがそんな言葉だった。
「ミーナは?」
「お風呂入りたいって言ってた!」
「そうか」
その頃ミーナは……
「うふふ♡ かわいい水着でお風呂入るのも、楽しいですね〜♡」
作ってもらった水着を楽しんでいた。一人旅とか楽しめるタイプである。
「ナイトプールもあるみたいだよ!」
「それはいいな」
その後は部屋で適当に過ごして、ビュッフェを食べに行った。
シャララ〜ン
薔薇や花が飾られたデザート、輝く肉が並んでいる。
「聞いたところによると、エロージアは薔薇など花の生産が盛んらしいな」
「最近の色欲族は、精力だけじゃなくて花も食べるみたいだからね〜」
「そうなのか」
食べ物が花なんて、なんて可愛いのだろう。私も言ってみたいものだ、「主食は花だ」と。……似合わないな。
食べ終わった後は、4人でナイトプールに着た。
「そこのお兄さん〜♡ 私達と遊ばない?♡」
少し離れた隙に、マグティアがナンパされている。
「あ〜ごめん笑 かわいいカノジョと来てるからさ〜!」
「きゃー!♡♡ お幸せに!」
「……ふん」
少し照れて、私は隅の方に移動した。
それが良くなかった……。
「お嬢ちゃん、一人? オレらと遊ぼ〜」
「遊ぼ〜」
「っ……すまない、ツレと来てるんだ」
「え〜? こんなかわいいお嬢ちゃんほっといて、他のところで遊んでるんでしょ? オレらにしない〜?」
困ったな。断り方を知らないのだ。
そこに黒い影が。
ズイッ
男達の肩に大きな手がかかる。
「ちょっと〜! ぼくらのカノジョに何してるの!」
「ごめ〜ん、その子ボクらのカノジョなんだ〜、だからさ……」
目が怖い。
「どっか行ってくれる? 笑」
「どっか行って!!」
「す、すみませーーん!!!」
男達は退散していった。
「ばいばーい笑笑」
「またねー!」
呑気に手を振るマグティアとライム。後ろにはミーナがいる。
「すまない、助かった」
「ううん! ごめん〜、ボク達も離れちゃって!」
「ベリア様、大丈夫でしたか?」
「ミーナも。迷惑かけたな」
「いいんですよ〜♡」
「あ、そうだ! 記念に写真撮ろ〜!」
そうか、機械じゃないからライムのカメラはプールでも使えるんだな。
パシャリ!
ジー、と印刷される。
「いい写真!」
「ライムは写真を撮るのが上手いな」
「ほんと! えへへ」
そんな風に、ナイトプールを終えて。
次の日の朝、出発の時。
「今回は来てくれてありがとう〜♡ またいらっしゃい♡」
「あぁ、この度はありがとう、リリス。これからもよろしく頼む」
「ありがとう、リリス様!」
「凄く良い刺激になりました〜♡」
「リリスちゃん、ありがとね〜!」
私達は、エロージアを旅立った。
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