第13話 武闘会2
「第2回戦は、ライムvs磔です!」
ワァァ……!!
「ライム様は……あれは、なんでしょうか! なにやら水鉄砲のようなものを持っています!」
「ふっふっふ、よく聞いてくれた! 僕の秘密兵器! 毒でっぽうの、毒吐くくん、だよ!!」
デデーン!!
「毒吐くくん!! 絶妙なネーミングセンス!」
「しかもこれ、秘密の機能がついてるんだ! 楽しみにしてて!」
「それは楽しみです!」
「それでは、第2回戦! ライムvs磔! スタート!!」
「可愛らしい男だとしても、ワタクシは容赦しませんよ。初めから最高出力でいかせていただきます!」
「こいっ!!」
「裁きの十字架!!」
瞬間、ライムの後ろに十字架が現れる。
4つの聖なる杭がライムに突き刺さり、十字架に釘付けになる。
「っ……!!」
そして、ライムを囲むように4人の天使が現れる。彼らは槍を持っている。
「さぁ、天使達よ、ライムを突くのです!」
「くっ……!」
ぷにぷに、つんつんとライムは槍でつつかれる。
「くっ、くすぐった、!」
しかし、ライムは屈しない。
毒吐くくんを磔に向け、ボタンを押す!
「秘技!!」
ポチっ!!
『磔さんって、カッコつけだよねー』
「……!?」
磔は目を見開く。
「な、なんと! 毒吐くくんが、毒を吐きました!!」
ポチっ
『人の服のブランドとか気にする割に、服装のセンスなくない?』
「なっ、なにをっ!! 天使達、構わず突きなさい!」
「ぐっ、痛っ、いたっ! 負けないぞ!」
ポチっ!
『あの髪型なに?笑 モテなそう』
「ぬわーーーーっ!!!! 妻子持ちですがーー!?!」
「磔、耐えきれず叫ぶ!!そして、ライムはいつの間にか、十字架から抜けています!!」
「まさか!!」
「そう、毒吐くくんで気を逸らしてる間に、酸で杭を溶かしたんだよ! お覚悟ー!!」
「ぬ、ぬわーーっ!!」
「磔の服に、毒吐くくんから吐かれた毒がかかる、かかる! どんどん布面積が小さくなっていく!!」
「や、やめなさい!! こんな格好では人前にいられません!! 仕方ない、降参です!!」
「降参だーー!!! 第2回戦、ライムの勝利!!」
「やったーー!!!」
ライムは飛び跳ねて喜んだ。
ワアアァァ!!!!
ビリビリのノースリーブと半パンになって、スギちゃんみたいになってしまった磔を見て。
「ふふっ、その格好の方がお似合いだよ!」
ライムの小悪魔的笑顔が炸裂した!
「くっ……悔しいですが……! これも社会的名誉のため!!」
磔は、悔しがりながら退場した。
ということで、第2回戦はライムの勝利!
「ほう、裁きの十字架。カッコよかったな!」
「服装はボロボロだけどね〜笑 あ〜笑った!」
「続けて、第3回戦! ベリアール王立歌劇団&騎士団vsギオン!」
ゾロゾロ……
「多い、多い! 選手が大勢います!! およそ武闘会とは思えない華やかさ!!」
まさか、ベリアール王立歌劇団の皆様、普通に衣装を着ていた。
「オペラは陽動、戦うのは騎士団ということか」
「考えるね〜。あ、そうだ。歌劇団の人達、なんかレアスキルに目覚めたらしいよ?」
「本当か! では、今回はそのお披露目でもあるわけだな」
「そんじゃ、第3回戦、スタートだぜ!!」
一瞬、会場が静かになって。
「ラ〜〜〜♪」
美しいオペラと、踊りが始まった!!
「すんげぇ劇に、目が離せねぇ!! ギオンも思わず、釘付けだ〜!!」
「む……これは、レアスキルだな!」
「そう〜♪ 私達のレアスキル、魅惑の歌は、劇をしている間、私達から目が離せなくなるもの〜♪」
「ぬぅ、これは厄介だ!!」
そうしている間に、騎士団が動く。
ザッ!!
「騎士団が斬りかかった!!」
しかし……
キーン!! キーン!!
「なんのこれしき!!」
「なんとギオン、全て受け流したー!!!」
「実はワレ、武士!! そして、武の道を極めたモノは気配を悟る!! 目が使えなくても、対応できるのだ!!」
「これは誤算〜♪」
劇団は慌てたようなダンスに変わっていく。
「ぬぉーーー!!!」
「騎士団が切り伏せられていくー!!」
カチャン。
刀が仕舞われる。
「これにて、仕舞い!!」
「第3回戦は、ギオンの勝利ーー!!!」
ワアァァァ!!
「すごい、素晴らしい劇だった!!」
「アレさ、劇しか目に入らないね笑 ギオンかわいそ〜、いい立ち回りだったんだけど!」
ということで、第3回戦はギオンが勝利した。
「第4回戦は、死vsライム!! ライム、なにやら着替えてきています!」
「あの服は……ライムはなんと……バニー服を着てるぜ!!」
「そう!! 名付けて、お色気作戦!!」
「……」
死は複雑そうな顔をしている。
「第4回戦、死vsライム!! スタート!!」
「死さーん! 見てみて! かわいいでしょ?♡」
「……子供が何をしている」
「ぼく、スライムでは大人だもん! ほら、みて! 谷間!」
「ないだろう。……はぁ、薄着するな。見てられん」
パサリ。
「なんと死、上着をライムに着せた!! イケメンだー!!!」
キャーーー!!!
「黄色い歓声も上がります!!」
「……こんな子供、殺せん。私は降参する」
「降参だーー!!! 第4回戦、ライムの勝利!!」
そういう所も好きー!!! という叫び声が観衆から聞こえた。死は、知らぬ間に熱烈なファンを作っている。
「やった!!!」
(ふふん、作戦勝ち!!)
ない胸を張ったライム。
「はは、ライムは可愛くてズルいな」
「ま、これも作戦だよね〜!」
ということで、第4回戦は、ライムの勝ち!
ふと思った。
(あれ、もしかしてこれ、ライム優勝するんじゃないか?)
「ま、まて、心の準備が!!」
「突然どうしたの〜?」
「そして遂に最終決戦! ライムvsギオン!! スタート!!」
「絶対勝つ!!」
「ワレも負けてられんな!!」
ライムは毒吐きくんを置き、両手に毒を分泌する。
「覚悟しろー!!」
ブン!!!
「ギオンが刀を振る!! ライム、なかなか近づけない!!」
「むむむ! とりゃー!!」
「ライム、突っ込んだ!!」
「ぬぉーー!!」
スパン!!
「まさか、まさか……ライムが真っ二つに!!」
私は思わず立ち上がる。
「大丈夫か!?」
「大丈夫だよ、座りな〜」
「そうか……」
「おや、なにやら、2つの切れ端がうごうごと蠢いています!」
そして……
「ライム1号!」
「ライム2号!!」
「なんと!! 分裂したー!!!」
「そうか! スライムだから!」
手をぽんと打つ。
「1号と2号が、ギオンに接近する!」
「とりゃー!! 毒目潰し!!」
「ぐぉーー!!」
ギオンは目に毒を塗られ、激痛に悶える。
「ぐわーーーーッ!! 激痛!! 降参! 降参する!!」
「降参だ!! 最終決戦、ライムの勝利ーー!!」
ワアアァァァァ!!!!
「はい、解毒薬!」
「助かる!! はぁ、痛かったぞ!」
「ふふーん、特段痛く作ったもん!!」
「2号、くっつくぞー!」
「せーのー」
ぷにー!
境目が溶けていき、蠢く。
そして、ライムは1人に戻った。
「表彰です! 第3位! 死!」
「ありがとう」
ワー!!
「死様ー!!」
「紳士だー!!」
相変わらず、黄色い歓声。
メダルが送られる。
「第2位! ギオン!!」
「感謝する!!」
「かっこよかったぞー!!」
ギオンも人気が増したようだな。
「そして優勝!! ライム!!」
「はーいっ! ありがとう!」
トロフィーを貰ったライムはマイクを握る。
「っすぅー……ベリア様!! 優勝したよ!! ぼくと、付き合って〜〜〜!!!!」
ハウリングしそうなくらいの大声で告白する。
「お返事は!!?」
マイクを受け取る。
「……そんな大声で叫ばなくても、聞こえている。……よろしくお願いします!!」
キャーーーーッ!!!
ワァァア!!!
会場は拍手と温かい雰囲気に包まれた。
「優勝した、ライム選手! お気持ちをお願いします!」
「めっちゃ嬉しい〜!! 皆で写真撮ろ〜!!」
選手と、実況のビビとモア、私とマグティアが集まって写真を撮った。
パシャリ!!
「ぼく、世界で1番幸せ!!」
「そうか。じゃあ私は2番目だ」
頭を撫でた。
そうして、武闘会は終わった。
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