0201・雑談の続き
「その後はダンジョン攻略ね。水ダンジョンの最初は川が流れる平原エリアだったわ。特に何の問題も無くボスを倒して、次は足首まで水に浸かる湿地帯だった。足を動かすごとに無駄な体力が取られるのよ」
「そりゃ面倒臭いね。いちいち水が邪魔するから水ダンジョンかい。あたしも王都ブランには行った事があるけど、ダンジョンには行かなかったよ。将軍として行ってるし、何かあったら困るからだろうけどさ」
「その第2エリアを攻略した後、王都に戻って昼食を食べようと思ったら毒が入れられてたんだよねー。そいつら叩き潰して兵士に突き出したけど、エルフだった。私達に毒を盛った理由は、第三王女と一緒に居たから」
「何よそれ、意味が分からないわね……。そいつら頭がおかしいんじゃない? 幾らエルフでも限度というものがあると思うんだけど、蛮族の頭のおかしさには限度が無いのかしら……?」
「辛辣だねー。まあ、あいつらは500年前からおかしいけど。それはともかくとして、その後は第3エリアの攻略。今度は石壁迷宮でアンデッドが出てくる所だった。相変わらず地面は濡れてて、水溜り程度にはあったよ」
「本当に水ダンジョンの名前の通りに面倒臭いのね。別に得も無いんでしょうし、よく攻略しようと思ったわね、そんな所」
「いい暇潰しになるし、美味しい魔物が居るかもしれないでしょ。だから調べておく必要があるわけ。ワイバーンみたいなのも居る可能性があるし」
『美味しい肉! 美味しい魚! 美味しい果物!』
「水ダンジョンでは見つからなかったわねえ。石壁迷宮はアンデッド多めだし、他にはネズミと蝙蝠しか居ないのよ。苦労はしたけど地図が貼り出してあったから、ミクが覚えてくれて突破したわ」
「そこが終わって戻ったら、酒場で不良兵士に来いって言われてミクが拒否したの。そしたら兵士がテーブル蹴飛ばして料理が床に散乱。ミクは怒って【陽炎の身体強化】で威圧するし、グダグダよ」
「即殺さなかっただけでも感謝してほしいね。そいつらは王命の事で私達を探してたんだけど、料理を台無しにしたのは兵士の独断。後でそれを聞いた王が激怒してたから、おそらく何かの罰を受けたんじゃないかな? 興味ないから、その後どうなったかは知らない」
「バカな兵士がどうなったかはどうでもいいわ。それより王命で連れて行かれたって大丈夫だったの? ……もちろん王城がよ。ミクが暴れたら皆殺しか崩壊かどちらかでしょ?」
「流石にそんな事しないし、用は次の日に王城の者から聞き取りをするから、アレッサにも協力してくれって事だったよ。それで次の日に使用人達を調べていったんだけど……」
「騒いで喚いて、更に止めさせようと食って掛かってきたヤツまで居たわ。ミクが【陽炎の身体強化】で脅したけど、それでもまだ突っ掛かってくるから、頭が弾け飛んだわね。誰かさんの裏拳で」
「そいつは死んだ後で肌が白くなった。つまりエルフだったんだと思うけど、それからは使用人全体が疑心暗鬼になってたよ。結局、私が殺したヤツを含めて12人も潜り込んでた」
「そりゃまた大量だ。色々な部署に散らばってたなら筒抜けだねえ、ジャンダルコはいったいどうするのやら。今ごろ頭を抱えながらも必死に頑張ってるんだろうけども、あたしがその苦労をする側でなくて心底良かったと思うよ」
「それが終わったら次は王太子の方に行って、今度は貴族どもに対して【真偽判定】。あそこの王太子はアレだね、利用出来るものは何でも利用するタイプだよ。実に面倒臭そうなタイプだったから、なるべく関わらないようにしてた」
「わたしも同じ事を思ったから、ほぼ間違い無いと思う。あれは笑顔で近付いてきて利用するタイプだよ、間違いなく面倒で鬱陶しいタイプ。逃げ道も用意して駄目なら引き下がるけど、執拗に絡んでくると思う」
「たまに居るわね、そういうヤツ。手を変え品を変え、自分の都合良くいくまで絡み続けてくるタイプ。ミクにそれをすると最悪は暗殺されるというか喰われるでしょうけど、知らなさそうね。ミクも教えない気がするわ」
「いちいち教えないし、ジャンダルコには私の秘密を教えたヤツは居ないよ。エルフの王が暗殺された事は教えてやったけどね。っと話を戻すと、その後は再びダンジョンに行ったよ。今度は泥地獄」
「あれはキツかったわよねえ。水じゃなくて泥だから重いし、容赦なく体力を奪っていくのよ。更には階段も通路も泥だから休めないし。ああ、他のエリアも通路や階段は水が流れてるから休めないの」
「何だい、その嫌がらせが過ぎるダンジョンは。幾らなんでも酷すぎないかい? それでも突破したから帰って来てるんだろうけどさ」
「【陽炎の身体強化】で強引に突破したわ。ちょうど当日に地図が貼り出されてね、それを見た御蔭で簡単に突破できたの。褒めないし感謝しないけど」
「??? ……何かあったんでしょうけど、何があったの?」
「貴族令嬢3人のチームである<サンドローズ>っていうのが攻略したみたいなんだけど、こいつらエルフだった。後で私達にスラムのチンピラを嗾けてきたから、食い殺しておしまい」
「ああ、バカなエルフだったのね。本当に他種族を見下すマヌケどもだこと。どうせミク達が先に進もうとしてたから、邪魔だと思って嗾けたんでしょうね。相手が悪過ぎる事も知らず」
「まあ、気位の高いエルフなんてそんなものでしょ。それよりダンジョンの続きは?」
「次は第5エリアで、そこは海と岩場の地形だったよ。そこ、そうだ! 忘れてた! 3人の中で誰か使う人いる? 第5エリアの6階で見つけた魔剣、っていうか魔槍? 魔力を流すと電撃が弾ける武器」
「三叉の槍かー……何か微妙。それなりに優秀なんだとは思うけど、長いし使い勝手は良くなさそう。それにワイバーン製ほど頑丈じゃなさそうだし、私はパス」
「あたしも要らないねえ」
「私も要らないわね。そんな長いの、あってもしょうがないし」
「じゃあ、後でラーディオンにくれてやろう。あったって邪魔だし、ラーディオンじゃなきゃオルディアーラでもいいよ。使わないものを持っててもしょうがないからね。巨大ミミズだって皮以外は捨てたし」
「ジャイアントワームもそうだけど、皮以外に使えるところ何て無いんだから仕方ないわよ。他も含めて置いてたって腐ってゴミになるだけでしょうし」
「話を逸らしちゃったね、ごめん。で、第5エリアも攻略して、最後の第6エリア。そこは山の地形で、何故か頂上から水が溢れて落ちてくる地形だった」
「もはや意味が分からないね。どう考えてもメチャクチャだけど、ダンジョンなんてそんなものと言えば終わる話か。ゴールダームの第5エリアと変わらない……とは言えないけど、似た感じだろうさ」
「アレよりは余程なだらかだけどね。で、そこの9階に魔剣があった。水に浸けて魔力を流すと、水が気化する魔剣。私としては素材を乾燥させるのに役立つと思ったから複製しておいた」
「「「「は?」」」」
「複製。ワイバーンの素材で複製して、更には剣じゃなくて棒にしてある。なかなかに使い勝手が良さそうだったからね、複製しておいた方が良いと思ったんだよ」
「ちなみに最後のボスは巨大ミミズで、ボス部屋に溜まってる水を吸い込んだ後、ブレスみたいに吐き出してくるヤツだった。そいつとの戦闘で楽になるような魔剣だったね。それにしても、複製してたんだ……」
魔剣が複製できる事に驚くのは当たり前なのだが、ミクはその事を理解していなかったりする。




