↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/1113

0192・サンドローズ全滅




 宿の部屋に居る貴族令嬢2人と、スラムに行った貴族令嬢を監視しているミク。宿の方は大して問題ないのだが、スラムに行った方が何をしているのか分からない。近くに生命力の反応が幾つかあるので、誰かと会っているのだろう。


 そう思ったとき、スラムに行った貴族令嬢の近くの生命反応が消えた。おそらく貴族令嬢が殺したのだろうと思うが、生命反応が消えた後も他の生命反応は消えていないので脅しか何かで殺したと思われる。


 どうやら話が纏まったのだろう、スラムから生命反応が移動している。しかもこの宿に向かっているところを見るに、狙いはミク達だろう。未だに悪意は飛んできているので、今の内にアレッサを本体空間に入れるミク。


 ついでにレティーとアイテムバッグも入れてしまい、準備を完了させる。そのまま待っていると、スラムの連中を引き連れた貴族令嬢が宿に戻ってきた。どうやったのかは分からないが、こんな時間にあっさり入れたようである。


 スラムの連中であるにも関わらず何故か止められる事もないので、これが初めてではないなと当たりをつける。入り口近くに店の従業員の反応があるにも関わらず、一切止められたりしていない。


 ミクは蜘蛛の姿になり部屋を出ると、自分達の部屋の扉上の天井で待ち構える。ここなら何かあっても問題ないし、相変わらず透明トカゲの能力で見えない為、見つかる事もない。


 万全の態勢でミクが待っていると、ゾロゾロとスラムの連中だけがやってきた。貴族令嬢は自分達の部屋に戻り、3人とも自分達の部屋に居る。下っ端に任せて高みの見物というところだろうか?。


 スラムの連中は扉前まで来ると、針金のような道具を何本か鍵穴に差し込み動かすと、扉の鍵があっさりと開いた。鍵開けの技術を持っている者がいたらしいが、元々強盗をやっている集団なのだろう。


 合計13人の中のリーダーが合図を出し、先頭が突入しようと扉のノブに手をかけた段階で、ミクは触手を刺して麻痺毒を注入。あっと言う間に13人は麻痺して動けなくなる。


 その後は本体空間に送り、レティーに脳を食わせて記憶を調べさせる。すると、やはり先ほどスラムで依頼を請けた事が分かった。仲間を1人殺されているので、貴族令嬢に対して相当の怨みがあったようだ。


 その辺りはスルーしておき、ミクは部屋に戻ると鍵を掛け、窓から外に出る。貴族令嬢3人組の部屋は分かっているので窓に近付き、まずは様子を窺うようだ。



 「よく分からない女と小娘は死んだかしら? ダンジョン攻略の栄光は私達だけでいいのよ。薄汚れた奴等でもなければ、人間とかいう猿でもない。この世の全ての栄光は私達エルフのもの」


 「本当にね。下等な猿が私達が売った地図を見て追いかけてきたのでしょうけど、醜い事をするわ。猿など底辺をつくばっていればいいものを」


 「まあまあ、落ち着きなさいな。どうせ既に死んでるでしょうし、駄目なら別のヤツをけしかければいいだけよ。いずれ恐怖から逃げ出すわ。猿など「キーキー」喚いて逃げ出すと決まっているもの」


 「全てのものは私達エルフを輝かせる為の道具にすぎないのよ。にも関わらず、それを理解していない愚か者が多すぎるわ。頭が悪い者ばかりで嫌になるわね」



 頭が悪いのはお前らだ。聞いていたならば、エルフ以外の全種族がそう言うだろう。それはともかくとして、聞くに耐えないと判断したミクは部屋に侵入。触手を突き刺して麻痺毒を注入し本体空間に引きずり込む。


 レティーに脳を食わせて調べた結果、侯爵と伯爵2人のうち、侯爵のみが領地持ちであった。ジャンダルコ商王国では領地持ちはそこまで多くないのと、領地持ちは貧乏籤びんぼうくじらしい。


 荒地などが多いので領地を発展させるのが難しく、収入と支出が合わない事が多いのだ。商売だけで儲けている貴族もそれなりにおり、そちらは支出が少ない為に実入りが良い。


 だからこそ、領地持ちの貴族を他の貴族が支えるという構図が出来ている。代わりに領地持ちは商売貴族に領地を使わせたりしているのだ。侯爵の下についている伯爵2人も、侯爵家の領地内で色々とやっているらしい。


 内情が分かったミクは、宿の屋根にのぼってピーバードの姿になり飛んでいく。侯爵の領地が何処かも分かっているので、そちらに向かって飛行中だ。


 伯爵2人の屋敷も侯爵家の領地内にあるらしく、ついでに喰えばいいだろうと予定を立てているミク。今は素早く飛んで行くのが先である。



 ◆◆◆



 侯爵家の屋敷に来たミクは、窓から侵入して侯爵の一族を次々に喰らっていく。侯爵の娘の記憶から、既に侯爵家を乗っ取って久しいのは分かっている。なので容赦をする必要は無いのだ、全てエルフだから。


 それ以外に家令などもエルフなので、そいつらも纏めて喰っていく。そして終わったら貨幣を全て樽に詰め、次の場所へと移動を開始。それなりに金銭を持っていたので樽の中は大量である。


 次に伯爵家の屋敷を回って同じ事を行い、エルフを全て喰らったら貨幣を樽に回収。伯爵家2つも終わったら、ミクは王都に向かって飛んでいく。


 どうやら侯爵家を乗っ取ったエルフが、本国のエルフを呼び寄せて伯爵家を乗っ取らせたらしい。本当にどれだけこの国はエルフに侵略されているのか……ギリギリというか、既に支配されていたのでは? そう思える程に多い。


 王都に戻ってきたミクは王城へと侵入し、王の執務室へと入ると樽を置いて行く。最後に詳細を記した紙を執務机の上に置いて、ミクは宿の部屋へと戻る。今日も長い夜であった。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 朝。アレッサが起きたタイミングでミクも目を開ける。お互いに挨拶をした後で雑談を始めたのだが、その中で昨夜の事を説明していく。



 「そうそう。昨日言ってた貴族令嬢なんだけど、スラムの連中を雇って襲わせてきたから皆殺しにしたよ。で、その3人はエルフだった」


 「この国ってエルフに入り込まれ過ぎてない? 王都が落ちてないから陥落はしてないけど、逆に言えば砂漠以外の多くは奪われてる気がする。いや辺境伯は大丈夫なのかな?」


 「さあ? 侯爵と伯爵2家はエルフだったから喰らって、ついでに家令とかもそうだったから喰ってきた。で、貨幣を全部回収して、王の執務室に置いて帰ってきたよ。昨夜は面倒だったね」


 「いやいや、大量にお金が入った樽なんて置かれても困るでしょ。まず何の事なのかサッパリ不明だし、意味が分からないと思うよ? せめて説明したら?」


 「面倒臭いからヤダ。それに詳細を書いた手紙を置いてきたから、それで分かるでしょ。私達が何度も王城に行くと周りからも不審がられるしね」


 「まあ、変な目で見られる事は間違い無いでしょうね。そもそも平民は王城に入る事なんて一生無いわけだし。いや、わたしも面倒だから関わりたくないんだけど、何故か関わる羽目になってるね?」


 「それは私にも分からない。一応助けてやらないと報酬に困るから助けたりしてると、気付いたらおかしな事になってるって感じ? 別に無理して助けたり、興味本位で首を突っ込んでる訳でもないのにさ」


 「そうなんだけど、不思議と色々な事で絡んでるっていうか、主にエルフの所為だね。そして元を辿ればクソリッチの所為だと言える。既にミクが滅ぼしたけど、今ならわたしでも勝てるだろうから滅ぼしたい」


 「今さら言っても遅いから仕方ないね。それより朝食に行こうか?」



 ミクの一言でアレッサも準備を開始し、終わったら部屋を出た。入り口に居た従業員は2人を見るなり俯いたが、ミクはスルー。そのまま出て行く。


 平民が貴族に抗うのは難しいのだから、仕方がないと言える事だろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。