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48. アルボルの森

 アルボルン山脈を越えた先。

 そこには静かな森が広がっていた。

「ここがアルボルの森か」

 サウベリア大森林とは違う。

 空気が澄んでいる。

 風が優しい。

 木漏れ日が地面を照らし、小鳥たちが枝から枝へ飛び回っていた。

「……なんだろう」

 落ち着く。

 まるで森そのものが歓迎してくれているようだった。

 土は柔らかく、

 草花も色鮮やかだ。

 ところどころに小川が流れ、

 透明な水の底には丸く磨かれた石が転がっている。

「……」

 もちろん拾う。

「川石か」

 綺麗だ。

 収納。

「これは……石英?」

 収納。

「この緑色は……蛇紋岩?」

 収納。

「ふふっ」

 気付けばまた石ばかり拾っていた。

「やっぱりやめられないな」

 苦笑しながら歩き続ける。




 しばらく進むと、

 不自然な石畳が現れた。

「……?」

 森の中なのに、

 石畳。

 しかも人の手で作られたように真っ直ぐ続いている。

「遺跡かな」

 興味を引かれた。

 道を辿る。

 草木に覆われているが、

 石畳は途切れない。

 さらに進む。

「……」

 見えてきた。

 石造りの建物。

 半分以上崩れている。

 柱には蔦が絡まり、

 屋根はとうの昔に崩れ落ちていた。

「古いな」

 何百年。

 いや、

 何千年前の建物なのだろう。

 建物の中へ入る。

 薄暗い。

 しかし不思議と嫌な気配はしない。

 中央には丸い石碑。

 そこには見たことのない文字が刻まれていた。

 でも、どこか漢字のような感じがする。

「読めない」

 俺は指でなぞる。

 刻印とは違う。

 もっと古い文字。

 どこか神聖さすら感じる。

 というか、

 漢字だとしたら崩れ過ぎだし、ひらがなないから白文?

 俺、中国語はできないわ。

 まぁ、

 異世界だしそんなわけ無いか!

 でも……

「これ……」

 記録しておこう。

 紙へ簡単に写し取る。

「あとで誰かに聞けば分かるかもしれない」

 そんなことを考えながら遺跡を見渡す。

 宝箱も、

 魔道具も、

 何もない。

 本当にただの遺跡だった。

 それでも――

「また来たいな」

 そんな場所だった。



 遺跡を出て、森の奥へ進む。

 木々の間から光が差し込む。

 風が吹き、葉が揺れる。

 そして――

「……」

 森が終わった。

 目の前の景色に、

 俺は足を止めた。

「…………」

 大きい。

 とにかく大きい。

 城壁。

 幾重にも並ぶ建物。

 街の中心には、

 一際大きな時計塔が建っている。

「すげぇ……」

 思わず声が漏れた。

 サウベリアとは比べものにならない。

 いや、

 今まで見たどの街よりも大きい。

「これが……」

 行政都市、アウレリア。

 胸が高鳴る。

 魔術

 鉱石

 きっと俺の知らないものが、

 この街にはたくさんある。

「早く行こう」

 自然と歩く速度が速くなる。

 もう少し。

 あと少しで、

 新しい世界が、

 俺を待っていた。

ようやくたどり着いたアウレリア!!

長い道のりでしたね。(ドラマで言ったらほとんどカットされてるけれど)

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